「レイノルズの相似則」は、流体力学で登場する法則の一つです。

「レイノルズの相似則」は、流体中に置かれた非常にサイズの大きい物体の周りでの流れを予測する方法の一つになっている。そのため、この法則は工学分野で広く応用されているぞ。聞きなれない用語や言葉が出てくるかもしれないが、ぜひともこの記事を読んで「レイノルズの相似則」をマスターしてくれ。

塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。

レイノルズの相似則はどこで役に立つのだろう?

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レイノルズの相似則は、流体力学で登場する重要な法則の1つです。レイノルズの相似則は、実用的な法則で、応用できる範囲も非常に大きくなっています。実際、飛行機、新幹線、自動車といった乗り物やビル、トンネルといった構造物の設計で用いられていますよ。また、配管やポンプなどの水や空気が関係する各種機械の設計にも活用されています。その他に、体内を流れる血液の様子を確認および分析するためにも利用できますね。

レイノルズの相似則は、技術開発の際に必要になる様々な情報を与えてくれる法則なのです。また、先ほど述べたような乗り物、建造物、機械は私たちの生活に必要不可欠なものになっています。つまり、レイノルズの相似則は、私たちにとって縁の下の力持ちの法則だと言えるでしょう。

レイノルズの相似則をさらに詳しくみていこう!

レイノルズの相似則とは?

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レイノルズの相似則は、粘性のある流体中に置かれた、幾何学的に相似である二つの物体にかかる粘性力の働き方が相似となる条件を示す法則です。わかりやすく言い換えると、レイノルズの相似則を用いることで、模型の飛行機を使った実験のデータから本物の飛行機が空を飛ぶときにどのような力を受けるかがわかるということですね。

ここで、幾何学的に相似であるというのは、二つの物体が数学的に拡大または縮小の関係であることを指します。例えば、本物の飛行機とラジコンの飛行機、本物の新幹線と鉄道模型の新幹線は、幾何学的に相似であると言えますね。

また、粘性のある流体とは、どろどろとした流体のことで、水あめやマヨネーズなどが良い例です。ただし、実在する流体のほとんどに粘性があります。私たちの周りに存在する空気も、実は粘性流体であるということですね。そして、粘性力は粘性流体中で運動する物体にかかる抵抗力のことです。空気抵抗も、粘性力に該当します。

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レイノルズ数について解説!

レイノルズ数について解説!

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レイノルズの相似則の適応条件について考える前に、レイノルズ数という値について理解しておく必要があります。レイノルズ数は、無次元の値で、一般的にReと表記しますよ。ここでは、レイノルズ数について説明しますね。

レイノルズ数は、慣性力を粘性力で割ったものです慣性力は、流体の密度をρ、代表速度をU、代表長さをLとするとρU2L2で求めることができます。粘性力は、粘性係数をμとしたとき、μULで表されますよ。したがって、Re=ρU2L2/μUL=ρUL/μとなります。さらに、粘性係数μを流体の密度ρで割った動粘性係数νを用いて、Re=UL/νと表すこともできますよ。

そして、代表速度は多くの場合で、平均流速を用います。一方、代表長さは、注目する物体の寸法のうち、比較的大きいものを用いますよ。例えば、飛行機、新幹線、自動車などの乗り物は、縦または横の幅を代表長さに用いることが多いです。また、配管などの場合は、内径が代表長さとして用いられます。

レイノルズの相似則を適応することができる条件

それでは、レイノルズの相似則を適応することができる条件について考えましょう。まず、流体中に置かれた相似形である二つの物体のレイノルズ数をそれぞれ求めます。次に、両者のレイノルズ数の値を比較してみましょう。このとき、レイノルズ数の値が一致していれば、レイノルズの相似則を用いることができますよ

レイノルズの相似則を使ってみよう!

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では、レイノルズの相似則を使って問題を解いてみましょう!「幅10mのハングライダーが15m/sで空を飛んでいる。このハングライダーと幾何学的に相似である幅0.50mの模型を作り、水槽中で実験を行ったところ、翼での流速が1.0m/sであった。また、このとき、空を飛ぶハングライダーと水槽中の模型のレイノルズ数は一致した。実際に、空を飛んでいるハングライダーの翼での流速を求めなさい。ただし、空気の動粘性係数を1.5×10-5m2/s、水の動粘性係数を1.0×10-6m2/sとして考える。」という問題です。

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レイノルズ数を求める

レイノルズ数を求める

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ハングライダーに関する物理量から、レイノルズ数を求めてみましょう。ハングライダーの幅および空を飛んでいる速さから、(代表長さ)=10m(代表速度)=15m/sであることがわかりますね。これらの情報と空気の動粘性係数が1.5×10-5m2/sであることから、Re=(10×15)/(1.5×10-5)=1.0×107だと分かります。

模型の代表速度を求める

次に、模型のレイノルズ数を求めましょう。模型の幅より、(代表長さ)=1.0mだと分かります。ここで、模型の代表速度をUとおき、レイノルズ数を求めるとRe=(U×1.0)/(1.0×10-6)となりますね。この値は、先ほど求めたレイノルズ数と一致するので、(U×0.50)/(1.0×10-6)=1.0×107という方程式が成立します。このことから、U=20m/sです。

比例式から流速を求める

ハングライダーと模型は幾何学的に相似であり、両者のレイノルズ数は一致していますね。ゆえに、ハングライダーにかかる粘性力と模型にかかる粘性力は相似となります。

これらのことから、代表速度の比と翼での流速の比は一致すると考えることができるのです。式で表現すると、(15m/s):(20m/s)=(求める流速):(1m/s)となります。この式を解くと、(求める流速)=0.75m/sとなりますね。これで問題を解くことができました!

「レイノルズ相似則」は縁の下の力持ち

ここまで述べてきたように、「レイノルズ相似則」は工学分野において広く応用されています。「レイノルズ相似則」を用いると、大きなスケールの乗り物や機械のまわりでどのように流体が作用するかを、製作する前に高い精度で予測することができるからです。この際、模型などを用いた小さいスケールの実験のみを行えば良いので、研究コストを大幅に下げることができますよね。

このような背景から、「レイノルズ相似則」は科学技術の発展を支えてきた縁の下の力持ちのような存在であると言えるでしょう。そして、これから先も、同じような存在であり続けるはずです。

" /> 設計分野で役立つ「レイノルズの相似則」を理系ライターが5分でわかりやすく解説! – Study-Z
流体力学物理理科

設計分野で役立つ「レイノルズの相似則」を理系ライターが5分でわかりやすく解説!

「レイノルズの相似則」は、流体力学で登場する法則の一つです。

「レイノルズの相似則」は、流体中に置かれた非常にサイズの大きい物体の周りでの流れを予測する方法の一つになっている。そのため、この法則は工学分野で広く応用されているぞ。聞きなれない用語や言葉が出てくるかもしれないが、ぜひともこの記事を読んで「レイノルズの相似則」をマスターしてくれ。

塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。

レイノルズの相似則はどこで役に立つのだろう?

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レイノルズの相似則は、流体力学で登場する重要な法則の1つです。レイノルズの相似則は、実用的な法則で、応用できる範囲も非常に大きくなっています。実際、飛行機、新幹線、自動車といった乗り物やビル、トンネルといった構造物の設計で用いられていますよ。また、配管やポンプなどの水や空気が関係する各種機械の設計にも活用されています。その他に、体内を流れる血液の様子を確認および分析するためにも利用できますね。

レイノルズの相似則は、技術開発の際に必要になる様々な情報を与えてくれる法則なのです。また、先ほど述べたような乗り物、建造物、機械は私たちの生活に必要不可欠なものになっています。つまり、レイノルズの相似則は、私たちにとって縁の下の力持ちの法則だと言えるでしょう。

レイノルズの相似則をさらに詳しくみていこう!

レイノルズの相似則とは?

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レイノルズの相似則は、粘性のある流体中に置かれた、幾何学的に相似である二つの物体にかかる粘性力の働き方が相似となる条件を示す法則です。わかりやすく言い換えると、レイノルズの相似則を用いることで、模型の飛行機を使った実験のデータから本物の飛行機が空を飛ぶときにどのような力を受けるかがわかるということですね。

ここで、幾何学的に相似であるというのは、二つの物体が数学的に拡大または縮小の関係であることを指します。例えば、本物の飛行機とラジコンの飛行機、本物の新幹線と鉄道模型の新幹線は、幾何学的に相似であると言えますね。

また、粘性のある流体とは、どろどろとした流体のことで、水あめやマヨネーズなどが良い例です。ただし、実在する流体のほとんどに粘性があります。私たちの周りに存在する空気も、実は粘性流体であるということですね。そして、粘性力は粘性流体中で運動する物体にかかる抵抗力のことです。空気抵抗も、粘性力に該当します。

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