みんなは運動量と力学的エネルギーの違いについて説明できるか?力学的エネルギーについてのイメージはまだ分かりやすいが運動量とはなにを表す量なのかイメージしづらいんじゃないか?

この記事ではまず運動量と力学的エネルギーをそれぞれどういったものかを確認してから、2つの違いについて説明していくことにする。そもそも運動量とか力学的エネルギーを知らないような人にも分かるように丁寧に解説していくつもりだから安心してくれ!

今回は理系ライターの四月一日そうと一緒にみていくぞ!

ライター/四月一日そう

現役の大学生ライター。理系の大学に所属しており電気電子工学を専攻している。力学に関して現役時代に1番得意だった分野。アルバイトは塾講師をしており高校生たちに数学や物理の楽しさを伝えている。

運動量と力学的エネルギーってそれぞれどういうもの?

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運動量、力学的エネルギーの違いを理解しようとしてもそれぞれがどういったものかを理解していなければ分かりませんよね。逆にそれぞれをしっかり理解していれば両者を比較することで違いがわかりやすくなります。それでは次から運動量、力学的エネルギーの正体に迫っていきたいと思います!

1.運動量:運動の激しさを表す

1.運動量:運動の激しさを表す

image by Study-Z編集部

運動量はなにを表しているのでしょうか?簡単に説明するならば運動の激しさです!

みなさんは激しい運動といえばどのようなイメージでしょう?まずは速い運動であることが挙げられますね。後は物体の重さが関係しています。同じ速さなら軽い物体よりも重い物体のほうが激しい運動をしているといえますね。

以上のことから運動量は上の画像の式で表されます。速度と質量の積ですね。いくら重くても速度が0なら運動しているとはいえないので積で表すのが妥当といえます。

運動量で意識してほしいところは運動量には向きがあるということです。数学的な言葉を用いるとベクトル量であるということですね。向きは物体の進行方向と同じ向きにとります。

2.力学的エネルギー:運動エネルギーと位置エネルギーの和

2.力学的エネルギー:運動エネルギーと位置エネルギーの和

image by Study-Z編集部

次は力学的エネルギーですね。力学的エネルギーとは運動エネルギーと位置エネルギーの和のことです。上の画像の式で表されます。1項目が運動エネルギーで2項目が位置エネルギーです。詳細な説明は省略するので各自で学習してください。

運動エネルギーとは動いている物体が他の物体に仕事ができる能力を表しています。具体的に説明すると転がっているボールAが止まっているボールBに衝突したときに止まっていたボールBが動き出したとしましょう。このときAがBに仕事をしたということになるのです!

位置エネルギーも同じように位置エネルギーを持っている物体は他の物体に仕事ができます。

力学的エネルギーに関しては向きはありません。運動量がベクトル量だったのに対して力学的エネルギーはスカラー量ですね。

\次のページで「ベクトルとスカラーの違い」を解説!/

ベクトルとスカラーの違い

それではいよいよ運動量と力学的エネルギーの違いについてみていきましょう!

まず大きな違いは先ほども出ましたが向きがあるかないかということです。運動量がベクトル量、力学的エネルギーがスカラー量ですね。運動量は方向別に考えることができるのです。

実際の問題を解くときも運動量を扱うときには向きがあるので図を書くようにしましょう。式で扱うときも問題に指定がないときは自分で正の方向を決めてしまいましょう!エネルギーにはマイナスが存在しないことも覚えておくと計算結果でマイナスの値が出てきたときに間違いに気づくことができますよ!

保存則が成り立つ条件の違い

実際に物理の問題を解くときには運動量も力学的エネルギーも保存則を用いて式を立てて解いていきます。しかし保存則にも成り立つ条件というものがあるんですね。

この条件が分かっていないと保存則を使っていい問題なのかそうでないのかが分かりません。運動量保存と力学的エネルギー保存の法則では成り立つ条件が異なるのです。次からはそれぞれの保存則について成り立つ条件についてみていきましょう!

運動量保存の法則

運動量保存の法則が成り立つ法則についてみていきましょう。

運動量が保存される条件は物体系に外力が働かないということです。物体系と外力とはなんだという話になるのでそれぞれ解説していきますね。

物体系というのは人間が勝手に定める物体のグループのことです。例えば物体A、B、Cがあったとします。このときAとCのグループを物体系として定めるとしましょう。この場合AとCが互いに及ぼす力が内力です。AとC以外の物体が及ぼす力、BがAやCに及ぼす力が外力ですね。

この場合AとCがどれだけ互いに力を及ぼしても運動量の保存が成り立ちます。

力学的エネルギー保存の法則

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力学的エネルギー保存の法則が成り立つ条件は物体に保存力のみが働いていることです。保存力とはいったいなんでしょうか。反対の非保存力と合わせてみていきましょう。

物体が何かの力を受けながら点mから点nまで移動したとします。保存力とはこのときに力が物体にした仕事が移動した経路によらず、移動後の位置だけで決まる力のことをいうんですね。保存力の例は重力やバネのフック力などがありますね。非保存力は摩擦力やクーロン力があげられます。

運動量と力学的エネルギーの単位

単位については世界的な基準であるSI単位系が用いられています。これはSI基本単位という7つの単位を元にして世の中の単位が定められているということ。7つの単位は調べればすぐに分かるので各自で調べてみてください。

運動量の単位は[kg・m/s]で表されます。これは運動量が質量と速さの積で表されるので理解しやすいですよね。

力学的エネルギーの単位は[J]で表されるのが一般的。[J]は基本単位で表すと[m^2*kg*s^-2]で表されます。もう少し分かりやすくすると[N*m]でも表せますね。これは1Nの力がその方向に1m物体を動かすときの仕事が1Jと定義されているからです。

\次のページで「意識するポイントは2つ」を解説!/

意識するポイントは2つ

運動量と力学的エネルギーの違いは分かっていただけたでしょうか?最後に押さえておいてほしいポイントを復習します。

まずはベクトルとスカラーの違いですね。運動量には向きがあるということをぜひ覚えておいてください。あとは保存則が成り立つ条件の違いです。これをしっかりマスターして問題の中で条件を満たしている方の保存則で式をたてましょう!両方の保存則が成り立つケースももちろんあります。

問題を解く上で重要な違いはこの2つです。あとは力学的エネルギーはほかの形のエネルギーに変換されることもあるということも覚えておくといいでしょう。運動量と力学的エネルギーをはっきりと区別してテスト勉強や受験勉強をどんどん進めていきましょう!

" /> 3分で簡単にわかる運動量保存と力学的エネルギー!違いや保存の法則を理系ライターがわかりやすく解説! – ページ 2 – Study-Z
物理物理学・力学理科

3分で簡単にわかる運動量保存と力学的エネルギー!違いや保存の法則を理系ライターがわかりやすく解説!

ベクトルとスカラーの違い

それではいよいよ運動量と力学的エネルギーの違いについてみていきましょう!

まず大きな違いは先ほども出ましたが向きがあるかないかということです。運動量がベクトル量、力学的エネルギーがスカラー量ですね。運動量は方向別に考えることができるのです。

実際の問題を解くときも運動量を扱うときには向きがあるので図を書くようにしましょう。式で扱うときも問題に指定がないときは自分で正の方向を決めてしまいましょう!エネルギーにはマイナスが存在しないことも覚えておくと計算結果でマイナスの値が出てきたときに間違いに気づくことができますよ!

保存則が成り立つ条件の違い

実際に物理の問題を解くときには運動量も力学的エネルギーも保存則を用いて式を立てて解いていきます。しかし保存則にも成り立つ条件というものがあるんですね。

この条件が分かっていないと保存則を使っていい問題なのかそうでないのかが分かりません。運動量保存と力学的エネルギー保存の法則では成り立つ条件が異なるのです。次からはそれぞれの保存則について成り立つ条件についてみていきましょう!

運動量保存の法則

運動量保存の法則が成り立つ法則についてみていきましょう。

運動量が保存される条件は物体系に外力が働かないということです。物体系と外力とはなんだという話になるのでそれぞれ解説していきますね。

物体系というのは人間が勝手に定める物体のグループのことです。例えば物体A、B、Cがあったとします。このときAとCのグループを物体系として定めるとしましょう。この場合AとCが互いに及ぼす力が内力です。AとC以外の物体が及ぼす力、BがAやCに及ぼす力が外力ですね。

この場合AとCがどれだけ互いに力を及ぼしても運動量の保存が成り立ちます。

力学的エネルギー保存の法則

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力学的エネルギー保存の法則が成り立つ条件は物体に保存力のみが働いていることです。保存力とはいったいなんでしょうか。反対の非保存力と合わせてみていきましょう。

物体が何かの力を受けながら点mから点nまで移動したとします。保存力とはこのときに力が物体にした仕事が移動した経路によらず、移動後の位置だけで決まる力のことをいうんですね。保存力の例は重力やバネのフック力などがありますね。非保存力は摩擦力やクーロン力があげられます。

運動量と力学的エネルギーの単位

単位については世界的な基準であるSI単位系が用いられています。これはSI基本単位という7つの単位を元にして世の中の単位が定められているということ。7つの単位は調べればすぐに分かるので各自で調べてみてください。

運動量の単位は[kg・m/s]で表されます。これは運動量が質量と速さの積で表されるので理解しやすいですよね。

力学的エネルギーの単位は[J]で表されるのが一般的。[J]は基本単位で表すと[m^2*kg*s^-2]で表されます。もう少し分かりやすくすると[N*m]でも表せますね。これは1Nの力がその方向に1m物体を動かすときの仕事が1Jと定義されているからです。

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