

力学的エネルギーについてのイメージはまだ分かりやすいが運動量とはなにを表す量なのかイメージしづらいんじゃないか?
この記事ではまず運動量と力学的エネルギーをそれぞれどういったものかを確認してから、2つの違いについて説明していくことにする。
そもそも運動量とか力学的エネルギーを知らないような人にも分かるように丁寧に解説していくつもりだから安心してくれ!
今回は理系ライターの四月一日そうと一緒にみていくぞ!

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/四月一日そう
現役の大学生ライター。理系の大学に所属しており電気電子工学を専攻している。力学に関して現役時代に1番得意だった分野。
アルバイトは塾講師をしており高校生たちに数学や物理の楽しさを伝えている。
運動量、力学的エネルギー、それぞれどういうもの?

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運動量、力学的エネルギーの違いを理解しようとしてもそれぞれがどういったものかを理解していなければ分かりませんよね。逆にそれぞれをしっかり理解していれば両者を比較することで違いがわかりやすくなります。
それでは次から運動量、力学的エネルギーの正体に迫っていきたいと思います!
運動量

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運動量はなにを表しているのでしょうか?簡単に説明するならば運動の激しさです!
みなさんは激しい運動といえばどのようなイメージでしょう?まずは速い運動であることが挙げられますね。後は物体の重さが関係しています。同じ速さなら軽い物体よりも重い物体のほうが激しい運動をしているといえますね。
以上のことから運動量は上の画像の式で表されます。速度と質量の積ですね。いくら重くても速度が0なら運動しているとはいえないので積で表すのが妥当といえます。
運動量で意識してほしいところは運動量には向きがあるということです。数学的な言葉を用いるとベクトル量であるということですね。向きは物体の進行方向と同じ向きにとります。
力学的エネルギー

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次は力学的エネルギーですね。力学的エネルギーとは運動エネルギーと位置エネルギーの和のことです。上の画像の式で表されます。1項目が運動エネルギーで2項目が位置エネルギーです。詳細な説明は省略するので各自で学習してください。
運動エネルギーとは動いている物体が他の物体に仕事ができる能力を表しています。具体的に説明すると転がっているボールAが止まっているボールBに衝突したときに止まっていたボールBが動き出したとしましょう。このときAがBに仕事をしたということになるのです!
位置エネルギーも同じように位置エネルギーを持っている物体は他の物体に仕事ができます。
力学的エネルギーに関しては向きはありません。運動量がベクトル量だったのに対して力学的エネルギーはスカラー量ですね。
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ベクトル、スカラーの違い
それではいよいよ運動量と力学的エネルギーの違いについてみていきましょう!
まず大きな違いは先ほども出ましたが向きがあるかないかということです。運動量がベクトル量、力学的エネルギーがスカラー量ですね。運動量は方向別に考えることができるのです。
実際の問題を解くときも運動量を扱うときには向きがあるので図を書くようにしましょう。式で扱うときも問題に指定がないときは自分で正の方向を決めてしまいましょう!エネルギーにはマイナスが存在しないことも覚えておくと計算結果でマイナスの値が出てきたときに間違いに気づくことができますよ!
保存則が成り立つ条件の違い
実際に物理の問題を解くときには運動量も力学的エネルギーも保存則を用いて式を立てて解いていきます。しかし保存則にも成り立つ条件というものがあるんですね。
この条件が分かっていないと保存則を使っていい問題なのかそうでないのかが分かりません。運動量保存と力学的エネルギー保存の法則では成り立つ条件が異なるのです。
次からはそれぞれの保存則について成り立つ条件についてみていきましょう!
\次のページで「運動量保存の法則」を解説!/