
3分で簡単「塩酸」は「化合物」?それとも「 混合物」?元家庭教師が徹底わかりやすく解説!
工業的製法
工場でなどで塩化水素を大量に作る場合、まず濃い食塩水を電気分解して塩素と水素のガスを発生させます。そして塩素と水素から塩化水素を合成するのです。
H2+Cl2→2HCl
実験室的製法
塩化水素は意外にも実験室でも簡単に発生させることができます。塩化ナトリウムと硫酸を加えて加熱すると、塩化水素が発生するのです。塩化水素は空気より重たく水によく溶けるので、下方置換法で集めます。
NaCl+H2SO4→NaHSO4+HCl
塩酸の歴史と利用方法

塩酸の歴史は古く、800年頃に食塩と硫酸から合成する方法が発見されたそうです。塩酸は医薬、農薬の合成など工業的にも幅広く利用されていますが、家庭用洗剤にも含まれています。いわゆる酸性洗剤ですね。酸性洗剤は水垢やイレの尿石を落とすのに適した洗剤ですが、塩素系洗剤と混ぜると塩素が発生してしまうので注意が必要です。
塩酸を使った実験
ここで塩酸を使う実験を紹介していきます。
イオン化傾向と塩酸 水素の発生
金属の反応しやすさはイオン化傾向で決まります。イオン化傾向が大きく反応しやすい金属は空気中でも酸化されますが、イオン化傾向が小さいほど酸化されづらくなるのです。金属はそのイオン化傾向によって塩酸と反応できるものや、濃塩酸と濃硝酸を3:1で混合した王水にのみに溶ける金属などがあります。
イオン化傾向は電池や金属の析出を理解するのに大切な単元のひとつです。機会があればぜひ、実験に挑戦してみてくださいね。
こちらの記事もおすすめ

酸化には2種類ある!金属だけじゃない「酸化」について元塾講師がわかりやすく解説
アルカリ性を中性に、中和滴定

塩化水素はひとつの分子からひとつの水素がでる、1価の酸です。酸である塩酸は、アルカリ性の溶液を中和させることができます。中和滴定は高校化学で行われる定番の実験のひとつで、中和に必要な酸やアルカリの量や濃度の求める問題や、中和滴定に用いるのに適切な指示薬に関する問題などは良くテストや入試にも頻出です。特に濃度計算などは受験だけでなく、大学での実験にも必要なのできちんと理解してくださいね。
こちらの記事もおすすめ

「中和」の定義とは?中和すると起こる様々な反応とともに未来の科学者ライターがわかりやすく解説!
\次のページで「もし塩酸がかかったら」を解説!/