この記事では英文法の重要単元「仮定法」について解説する。

仮定法は英語でも攻略が難しいとされるもののひとつですが、動詞や助動詞の過去形に注目することができれば、あっという間にマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。一緒に「仮定法」の攻略ポイントを確認していきます。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

「仮定法」攻略のポイントを一気に攻略!

image by iStockphoto

「仮定法」は、事実と反する内容を想定して話をするときに用いられるものです。

そして、それは動詞の過去形や過去完了形を用いることで実現されます。

これに対して、事実をありのままに話をするときに用いられるのが「直説法」です。

これら二つは、動詞の時制の表し方がまったく違う点に気をつけなければなりません。

たとえば、現在のことを現在形で表すのは当り前のことだと思っていませんか?

ところが、仮定法では現在のことを過去形で表わしたりと直説法とは時制のとらえ方が異なるので注意が必要です。

余談ですが、もうひとつ命令文でおなじの「命令法」というものもあります。

「仮定法過去」とは?

「仮定法過去」は、「現在」の事実に反する内容を表すのに用いられるものです。

仮定法は主に条件節(もし…だったら)と帰結節(~するのに)の二つの部分からなります。

ここで気を付けてほしいのが、現在のことでも動詞の過去形を用いるという点です。

これはいったいどういうことなのか、さっそく例文で確認してみましょう。

If I were a bird, I could fly to you.
もし僕が鳥だったら、君の元へ飛んでいけるのに。

If she had more money, she might buy that dress.
もっとお金があったら、彼女はあのドレスを買うかもね。

Were I you, I would never say such a thing.
私があなただったら、けっしてそんなことは言わないよ。

いずれの例文も、前半が条件節で後半が帰結節です。

「if」の付いている条件節で動詞の過去形が用いられていることで、仮定法過去だと分かります。

さらに、帰結節の方では助動詞の過去形が用いられるのも特徴です。

また、三つめの例文のように「if」が省略されると、条件節で倒置が起こります。

「仮定法過去完了」とは?

「仮定法過去完了」では、「過去の事実」に反する内容が表されます。

こちらは、条件節で「過去完了形」を用いるのが特徴です。

そして、帰結節では「助動詞の過去形+完了形」が用いられます。

それでは、いくつかの例文で仮定法過去完了のイメージをつかんでいきましょう。

\次のページで「「仮定法」の注意点とは」を解説!/

If I had known your phone number, I could have called you then.
もし君の電話番号を知っていたら、そのとき電話をかけることができたのに。

If I had been in your place, I wouldn't have done that.
もし私が君の立場にいたら、そんなことはしなかっただろうね。

Had I won the lottery, I might have bought a new car.
宝くじに当たっていたら、新しい車が買えていたかもしれないよ。

いずれの例文も、現実には起こらなかった過去の出来事について述べています。

また、三つめの例文のように「if」が省略されると倒置が起こる点には注意が必要です。

「仮定法」の注意点とは

これまで見てきたように、仮定法には主に「仮定法過去」と「仮定法過去完了」の二つがあります。

そして、条件節の動詞が「過去形」か「過去完了形」なのかによって、この二つの判別も容易に行うことが可能です。

しかし、中には条件節が「過去完了」なのに帰結節が「過去の助動詞+原形」になる場合もあります。

その他にも「if節」以外で仮定条件を示す場合もあり、これらにも注意が必要です。

これらも、以下の例文でしっかりと押さえておきましょう。

If I had had breakfast, I wouldn't be hungry now.
もし朝食を取っていたら、今頃空腹ではなかっただろうに。

A true friend would never do that.
真の友であれば、そんなことはけっしてしないだろう。

With a little more effort, he might have succeeded.
もう少し努力していれば、彼は成功していたかもしれないのに。

一つめの例文では、条件節が過去完了なのに帰結節では「過去の助動詞+完了形」になっていません

これは「(過去)に…だったら、(今頃)~だろうに」という内容を表す場合に用いられます。

仮定法過去完了と仮定法過去が入り混じった状態になっているので、気を付けておきましょう。

残りの二つの例は、名詞句や前置詞句が仮定条件を表している例です。

一見すると「if」が見えないので、仮定法のようには見えないかもしれません。

しかし、こちらも助動詞の過去形に気が付けば、仮定法だと見抜くことができます。

\次のページで「「仮定法」は助動詞の過去形で見抜く!」を解説!/

「仮定法」は助動詞の過去形で見抜く!

仮定法は事実とは異なることを表しているため、読解問題では大きなカギを握ります。

それは、気づかずに読み進めてしまうと、事実ではないことを事実だと読み間違えてしまう可能性があるからです。

それでも、文頭に「if」があれば読む側も多少は「仮定法ではないか?」と警戒することもできます。

しかしながら、世の中に存在する「if」を用いない仮定法の数は、それこそ数えきれないほどです。

そういう場合でも、「助動詞の過去形」を見逃さなければ、容易に仮定法の存在に気づくことはできるでしょう。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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英語速攻攻略を目指す!「仮定法」を現役英語講師がわかりやすく解説

この記事では英文法の重要単元「仮定法」について解説する。

仮定法は英語でも攻略が難しいとされるもののひとつですが、動詞や助動詞の過去形に注目することができれば、あっという間にマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。一緒に「仮定法」の攻略ポイントを確認していきます。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

「仮定法」攻略のポイントを一気に攻略!

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「仮定法」は、事実と反する内容を想定して話をするときに用いられるものです。

そして、それは動詞の過去形や過去完了形を用いることで実現されます。

これに対して、事実をありのままに話をするときに用いられるのが「直説法」です。

これら二つは、動詞の時制の表し方がまったく違う点に気をつけなければなりません。

たとえば、現在のことを現在形で表すのは当り前のことだと思っていませんか?

ところが、仮定法では現在のことを過去形で表わしたりと直説法とは時制のとらえ方が異なるので注意が必要です。

余談ですが、もうひとつ命令文でおなじの「命令法」というものもあります。

「仮定法過去」とは?

「仮定法過去」は、「現在」の事実に反する内容を表すのに用いられるものです。

仮定法は主に条件節(もし…だったら)と帰結節(~するのに)の二つの部分からなります。

ここで気を付けてほしいのが、現在のことでも動詞の過去形を用いるという点です。

これはいったいどういうことなのか、さっそく例文で確認してみましょう。

If I were a bird, I could fly to you.
もし僕が鳥だったら、君の元へ飛んでいけるのに。

If she had more money, she might buy that dress.
もっとお金があったら、彼女はあのドレスを買うかもね。

Were I you, I would never say such a thing.
私があなただったら、けっしてそんなことは言わないよ。

いずれの例文も、前半が条件節で後半が帰結節です。

「if」の付いている条件節で動詞の過去形が用いられていることで、仮定法過去だと分かります。

さらに、帰結節の方では助動詞の過去形が用いられるのも特徴です。

また、三つめの例文のように「if」が省略されると、条件節で倒置が起こります。

「仮定法過去完了」とは?

「仮定法過去完了」では、「過去の事実」に反する内容が表されます。

こちらは、条件節で「過去完了形」を用いるのが特徴です。

そして、帰結節では「助動詞の過去形+完了形」が用いられます。

それでは、いくつかの例文で仮定法過去完了のイメージをつかんでいきましょう。

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