先人たちの音速、光速測定法を理系学生ライターが5分でわかりやすく解説!
音速、光速の理論値
ここまで、音速、光速を実測によって求める方法をいくつか説明してきました。ここでは、物理法則に基づき、計算式によって音速および光速を求める方法を紹介します。
音速の理論値
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ニュートンは、音が伝わる様子を古典力学を用いてモデル化し、計算式によって音速を求める方法を提案しました。その計算式は、(音速)=√p/ρ(pは圧力、ρは密度)というものです。ただし、ニュートンが考案した計算式は、等温条件でのみ成立するものでした。
これでは少々不便ですよね。そこで、ラプラスは、比熱比を用いてニュートンの式を補正しました。比熱比とは、定圧モル比熱を定積モル比熱で割った値のことです。ラプラスの式は、(音速)=√γp/ρ(pは圧力、ρは密度、γは比熱比)となります。
光速の理論値
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真空中の電磁波の速度は、マクスウェル方程式から導かれた式1/√ε0μ0(ε0は真空中の誘電率、μ0は真空中の透磁率)で求めることができます。光は、電磁波の一種です。ゆえに、真空中の光の速度も、まったく同じ式で求めることができます。また、電波や放射線、X線なども電磁波に分類されるのです。ですから、これらの真空中での速度も同様の式で与えられますね。
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光速測定で使われた技術は今でも活躍している?
かつて光速測定で用いられていた技術が、今の最先端研究に用いられていることをご存知でしょうか?実は、重力波の観測に用いるレーザー干渉計の仕組みは、昔に光速測定で使われた干渉計と同じような構造をしているのです。重力波を観測することは、宇宙の歴史を知ることができるなど、多くの意義があります。光速測定などで、培われた技術が、今なお利用されていると考えると感慨深いですよね。
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