3分で簡単「単体」!「単体」になるのはどんな元素?元家庭教師が説明!
単体と合わせて覚える同素体と同位体
1種類の元素からできている単体ですが、性質がすべて同じわけではありません。同じ単体の物質でも同素体、同位体といって化学的、物理的性質が異なるものがあるのです。
同じ元素なのに見かけは全く違う?同素体
同じ元素の単体でありながら全く異なる性質を持つ単体がいくつかあり、このような単体同士を同素体と呼びます。同素体の例としてよく出てくるのが硫黄、炭素、酸素、リン。この4つを元素記号からS(硫黄)C(炭素)O(酸素)P(リン)と暗記すると覚えやすいですね。
硫黄
硫黄には3つの同素体があり、それぞれ斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄と呼びます。斜方硫黄と単斜硫黄は同じS8と表される環状分子です。しかし、その構造は異なり斜方硫黄の方が安定していることから、放置すると単斜硫黄は斜方硫黄となります。そしてゴム状硫黄は硫黄原子がいくつも鎖状に連なった弾性のある物質で、Sxと表されるのです。
炭素
輝くダイヤモンドと鉛筆の芯に使われる黒鉛はどちらも炭素の同素体。憧れの宝石と普段何気なく使っている筆記用具が同じ元素と考えると面白いですね。さらに炭素にはフラーレンというサッカーボール状の同素体があり、C60、C70などいくつかの種類があります。
酸素
酸素O2は化学を学んだ人ならだれでも知っているでしょう。酸素の同素体がオゾンO3です。オゾンは酸素中で放電すると生成し、放置すると酸素に戻ります。オゾンといえば地球の周囲に存在して紫外線をカットしてくれるオゾン層がイメージしやすいですね。さらに、教科書にはほとんど出てきませんが酸素にはO4、O8という同素体があります。興味がある人は調べてみてくださいね。
リン
リンには数種類の同素体が存在しています。とくに有名なのが黄リンと赤リン。黄リンは反応性に富み、猛毒の物質です。空気中で自然発火して十酸化四リンになるため、水中で保存します。この黄リンを空気から遮断して250℃で長時間加熱すると赤リンになるのです。同じリンの単体でもその性質は異なり、赤リンは自然発火せず毒性はありません。
重さが異なる同位体
原子は原子核と電子からできています。そして原子核は正の電気を帯びた陽子と電気的に中性な中性子からできているのです。陽子と中性子の重さがほぼ同じなのに対して電子はほとんど無視できるほど軽いことから、原子の質量(質量数)は陽子と中性子の和となります。
陽子の数は元素ごとに決まっていますが、同じ元素でも中性子の数は異なることがあるのです。この中性子の数が異なり、重さが違う同じ種類の元素同士を同素体(アイソトープ)と呼びます。重さが異なるだけなので、同位体の化学的性質はほとんど変わりません。
例えば水素は質量数1のものが99.99%、質量数2のものが0.01%とわずかですが同位体が存在しています。
1種類の元素からできる単体
単体は化学を学ぶ時に基礎となる物質の分類から化学反応といろいろな場面で登場します。同じ単体でもその性質は様々なので自分で資料集などで確認してみてください。
また、同素体と同位体は結構紛らわしい内容です。用語の意味は正確に覚え、しっかりと練習問題を解いて理解を深めてくださいね。







