この記事では英文法の重要単元である「形容詞の語法」について解説する。

形容詞は副詞と同様に修飾語のひとつですが、補語としての用法が理解できれば、あっという間にマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。一緒に「形容詞」の攻略ポイントを確認していきます。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

「形容詞」の意味・用法とは?

image by iStockphoto

「形容詞」は、人や物の様子や状態を表す言葉です。たとえば、日本語では「美しい」「面白い」など、「い」で終わることばがこれに当たります。

似たような言葉に「形容動詞」がありますが、こちらは「静かだ」「具体的だ」など「だ(です)」で終わるのが特徴です。

ところが、英語にはこの「形容詞」と「形容動詞」の区別がありません。どちらも、ひとつの「形容詞」のカテゴリーで取り扱います。

つまり、「美しい」の「beautiful」も「静かだ」の「quiet」も、英語では同じ「形容詞」というわけですね。

そして、これらの形容詞は文中で2つのはたらきを持ちます。

1つめは名詞を修飾するはたらきで、もう1つが補語になるはたらきです。

「形容詞」の限定用法

先に述べたように、形容詞は名詞を修飾するはたらきを持ちます。

これが、形容詞の限定用法と呼ばれるものです。

どうして修飾することが「限定」につながるのか、早速例文をみてみましょう。

I need a box.
私には箱が必要だ。

I need a wooden box.
私には木製の箱が必要だ。

単に「箱が必要だ」というだけでは、どんな箱なのか漠然とし過ぎていてよく分かりません。

ところが、「木製の」という形容詞が付くことで、箱の条件が「限定」されていることが分かりますね。

同時に、形容詞が名詞の前に置かれていることも確認できるはずです。

中には、形容詞が名詞の後ろに置かれる場合もありますので確認しておきましょう。

I'd like something cold to drink.
何か冷たいものがほしいな。

Look at that basket full of flowers.
あの花でいっぱいのかごを見てごらん。

形容詞が名詞の後ろに置かれるのは、以下の二つの場合があります。

一つめは、「something」や「someone」のような不定代名詞にかかる場合です。

もうひとつは、修飾語が形容詞を含む2語以上にわたる場合に後置されます。

並べ替え問題などでは、注意が必要だといえるでしょう。

「形容詞」の叙述用法

形容詞の持つ、もうひとつの大きな機能が補語になることです。

そして、こちらは「叙述用法」と呼ばれることもあります。

主語や目的語に対して説明している(=叙述している)ことから、その名前が付けられました。

では、こちらも早速例文で確認していきましょう。

The roses smell very sweet.
バラたちは、とても甘い香りがしています。

I found the book difficult.
私は、その本が難しいと分かった。

上の二つの例文のうち一つめは主語について、二つめは目的語について叙述しています。

いいかえれば、上は「SVC」の文であり、下は「SVOC」の文です。

そして、それぞれ「S=C」「O=C」の関係になっていることが確認できたでしょうか。

注意すべき「形容詞」とは?

これまで見てきたように、形容詞には限定用法と叙述用法の二つの用法があります。

そして、一つの形容詞がどちらの用法でも使われるのが一般的です。

しかしながら、中には片方の用法でしか使われないものもあります。

また、どちらの用法で使われたかで意味の変わるものがあるのも注意点です。

では、それらの注意すべき形容詞を見ていきましょう。

【限定用法のみ】

This is a wooden chair.
これは、木製のいすです。

My elder sister lives in London.
私の上の姉は、ロンドンに住んでいます。

限定用法でしか使われないものでは、他にも「right」「left」などが有名です。

素材や関係性に関する形容詞が、このカテゴリーに入ります。

【叙述用法のみ】

The baby is asleep now.
赤ちゃんは、今眠っています。

I'm feeling very well.
とても気分は良いです。

こちらは、他にも「alive」「alike」「afraid」などがあります。

「a」で始まる形容詞が多いのが特徴ですね。

これらは、たとえば「alive」なら元々は「at live」だったことが関係しています。

【意味の異なるもの】

Please tell me the present selling price.
現在の販売価格を教えてください。

No one was present in the room.
部屋には誰も存在していなかった。

同じ「present」でも、どちらの用法で使われたかによって表す意味が異なります。

制限用法では「現在の」、叙述用法では「存在する」といった具合です。

\次のページで「「形容詞」は、補語としての用法に注目!」を解説!/

「形容詞」は、補語としての用法に注目!

形容詞の攻略は、何といっても補語としての用法を理解することがカギです。

そして、形容詞の理解は構文の正しい理解にもつながっていきます。

逆に単なる形容詞の丸暗記だけで済ませようとすると、実力はアップしません。

基礎をしっかり固めることで苦手意識を払拭し、形容詞の克服を目指してください。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 英語速攻攻略を目指す!「形容詞の語法」を現役英語講師がわかりやすく解説 – Study-Z
英語の勉強法

英語速攻攻略を目指す!「形容詞の語法」を現役英語講師がわかりやすく解説

この記事では英文法の重要単元である「形容詞の語法」について解説する。

形容詞は副詞と同様に修飾語のひとつですが、補語としての用法が理解できれば、あっという間にマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。一緒に「形容詞」の攻略ポイントを確認していきます。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

「形容詞」の意味・用法とは?

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「形容詞」は、人や物の様子や状態を表す言葉です。たとえば、日本語では「美しい」「面白い」など、「い」で終わることばがこれに当たります。

似たような言葉に「形容動詞」がありますが、こちらは「静かだ」「具体的だ」など「だ(です)」で終わるのが特徴です。

ところが、英語にはこの「形容詞」と「形容動詞」の区別がありません。どちらも、ひとつの「形容詞」のカテゴリーで取り扱います。

つまり、「美しい」の「beautiful」も「静かだ」の「quiet」も、英語では同じ「形容詞」というわけですね。

そして、これらの形容詞は文中で2つのはたらきを持ちます。

1つめは名詞を修飾するはたらきで、もう1つが補語になるはたらきです。

「形容詞」の限定用法

先に述べたように、形容詞は名詞を修飾するはたらきを持ちます。

これが、形容詞の限定用法と呼ばれるものです。

どうして修飾することが「限定」につながるのか、早速例文をみてみましょう。

I need a box.
私には箱が必要だ。

I need a wooden box.
私には木製の箱が必要だ。

単に「箱が必要だ」というだけでは、どんな箱なのか漠然とし過ぎていてよく分かりません。

ところが、「木製の」という形容詞が付くことで、箱の条件が「限定」されていることが分かりますね。

同時に、形容詞が名詞の前に置かれていることも確認できるはずです。

中には、形容詞が名詞の後ろに置かれる場合もありますので確認しておきましょう。

I’d like something cold to drink.
何か冷たいものがほしいな。

Look at that basket full of flowers.
あの花でいっぱいのかごを見てごらん。

形容詞が名詞の後ろに置かれるのは、以下の二つの場合があります。

一つめは、「something」や「someone」のような不定代名詞にかかる場合です。

もうひとつは、修飾語が形容詞を含む2語以上にわたる場合に後置されます。

並べ替え問題などでは、注意が必要だといえるでしょう。

「形容詞」の叙述用法

形容詞の持つ、もうひとつの大きな機能が補語になることです。

そして、こちらは「叙述用法」と呼ばれることもあります。

主語や目的語に対して説明している(=叙述している)ことから、その名前が付けられました。

では、こちらも早速例文で確認していきましょう。

The roses smell very sweet.
バラたちは、とても甘い香りがしています。

I found the book difficult.
私は、その本が難しいと分かった。

上の二つの例文のうち一つめは主語について、二つめは目的語について叙述しています。

いいかえれば、上は「SVC」の文であり、下は「SVOC」の文です。

そして、それぞれ「S=C」「O=C」の関係になっていることが確認できたでしょうか。

注意すべき「形容詞」とは?

これまで見てきたように、形容詞には限定用法と叙述用法の二つの用法があります。

そして、一つの形容詞がどちらの用法でも使われるのが一般的です。

しかしながら、中には片方の用法でしか使われないものもあります。

また、どちらの用法で使われたかで意味の変わるものがあるのも注意点です。

では、それらの注意すべき形容詞を見ていきましょう。

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