エネルギーの単位を考える前に、そもそもエネルギーとは何かを考えてみましょう。そうすると、私たちが普段使っている「エネルギー」という言葉の定義が曖昧であることが分かってきます。例えば、「エネルギーを消費する」という表現は正しいでしょうか?例をとって考えてみましょう。
ガソリンを使って自動車を走らせるということを考えます。ガソリンを燃焼させると熱が発生しますね。その熱でエンジンを動かし、タイヤを回転させます。そして、ブレーキを踏むと、やがて自動車は止まることでしょう。では、自動車が停止した後、ガソリンのエネルギーはどこへいってしまうのでしょうか?消えてしまったのでしょうか?実は、摩擦をおこして熱となります。
このように考えると、「エネルギーを消費する」という表現は不適切です。どうやら、私たちは自分たちのとって有用なエネルギーの形でなくなってしまうと、「消費する」という表現を用いるようですね。しかし、物理学では違います。私たちが使えない形のものも含めて、すべてエネルギーと呼ぶのです。
この記事で、紹介するエネルギーの単位は物理学的な考え方に基づきます。以下では、動力、熱、電気、光、音などの能力を統一的に扱うためのエネルギーの単位を解説していきますね。この言葉通り、以下で登場するエネルギーの単位は、力学、電磁気、熱力学、光学などすべての分野で用いることが可能です。