化学

反応に欠かせないエネルギーの話「反応熱の種類」について元塾講師が解説

2-1.燃焼に伴う発熱反応

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化学反応として代表的な燃焼によって発生する熱や光などのエネルギーを表すのが燃焼熱です。物質1molが完全燃焼するときに発生する熱量と言い換えることもできます。

炭素が燃焼して二酸化炭素になる反応では、反応物が炭素と酸素、生成物が二酸化炭素ですね。このとき、燃焼によって熱と光が発生します。これを熱化学方程式で表したものがこれです。

C (黒鉛) + O2 (気)= CO2 (気) + 394kJ

燃焼では反応物に酸素が必ず含まれていることを覚えておきましょう。このように、それぞれの物質が個体・液体・気体、どの状態であるかを式に含める必要があります。

2-2.中和に伴う発熱

中和反応でも中和熱という熱が生じます。これは物質1molが成分元素の単体から生成するときに発生または吸収する熱量のことです。

塩酸と水酸化ナトリウムによる中和反応では、塩化ナトリウムと水が生成し、同時に発熱が起こります。これを表すと

HCl (aq) + NaOH (aq) = NaCl (aq)+ H2O (液) + 56.5kJ

このように示すことができるのです。aqというのは水溶液を意味します。

2-3.溶解に伴う発熱・吸熱反応

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物質を溶媒に溶かし、溶液を作ったときに発生する、または吸収する熱が溶解熱です。これは物質1molが多量の水に溶解するときに発生または吸収する熱量を指します。

NaCl (固) + aq = NaClaq ー 3.9kJ

これは塩化ナトリウムを水にとかして水溶液を作るときの反応です。この反応から、塩化ナトリウムの溶解熱は吸熱反応であることを示しています。

しかし、これは非常にわずかな吸熱であるため、実際の温度変化としては微量の変化です。そこで、ジュース作りなどに使われるクエン酸を用いて実験をしてみましょう。やり方は非常に簡単で、手の上にクエン酸をスプーンなどですくい取って乗せ、そこに水をスプーンでとってかけるだけです。溶解する過程での吸熱を体感できるはずですよ。

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吸熱反応は簡単にできる実験が少ないのが難点だがこれなら簡単に試せるだろう。機会があれば試してみよう。

2-4.物質生成に伴う発熱・吸熱反応

続いて、単体からある化合物が生成される際の反応熱を生成熱といいます。単体から物質1molの化合物が生成するときに発生または吸収する熱量のことで、右辺に示される生成物を1molとなるように反応式を作るのがポイントです。

H2 (気) + 1/2O2 (気) = H2O (液) + 286kJ

生成熱も発熱・吸熱反応の両方が存在します。

2-5.蒸発に伴う吸熱反応

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今回解説する最後の反応熱は気体が蒸発する際の蒸発熱です。物質1molが蒸発するとき吸収する熱量のことであり、この状態変化による温度変化は常に吸熱反応となります。

H2O (液) = H2O(気) ー 44kJ

汗をかいたまま着替えずにいると風邪をひくというのは、この蒸発熱によって体温が下がってしまうからです。また、注射の際にアルコール消毒をするとその部分がひんやりしますよね。これが吸熱反応であることの証明なのです。

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Ayumi05