「帰路」(読み方:「きろ」)という言葉は、「帰途に就く」「帰路を急ぐ」などの形でよく使われています。

「帰路」は、ある場所から自宅などに帰ることについていう表現するときに用いる言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。また、漢字で表記するときには、非常に誤用されやすい言葉でもあるため、言葉や漢字の意味をしっかり理解しておくと文章を作成するときなどに役に立つかと思います。

そこで、ここでは、「帰路」の意味や英訳・使い方・類義語・対義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。



「帰路」の意味や英訳・使い方まとめ

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それでは、以下に「帰路」の意味や英訳、使い方について説明します。

#1 「帰路」の意味は?

まず、「帰路」の意味を見てみましょう。この言葉には、以下のような意味があります。

ある場所からの帰り道。帰る途中。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「帰路」

つまり、「帰路」は、「ある場所から帰るまでの道や帰るまでの間」を表している言葉となっています。

#2 「帰路につく」は就く?着く?

次に、「帰路」を使ってよく用いられる表現である「帰路につく」について見ていきます

文章などで「帰路につく」を表記するときに、「就く」と「着く」のどちらが正しいのか悩む人もいるでしょう。それは「つく」というそれぞれの漢字が表す意味を知ると、解決できます。それぞれの漢字の意味を、以下で見てみましょう。

【就く】
ある行程に身を置く。長い旅などに出かける。出発する。おもむく。
出典:三省堂 大辞林「就く」

【着く】
1.移動していってその場所に至る。
(人などがある場所に到達する。到着する。または、荷物・手紙などが運ばれて届く。)
2.ある場所に身を置く。
出典:大辞林 第三版「着く」

「就く」も「着く」も移動を表す言葉であるため、表記の際には非常に混同しやすいかと思います。上の記載より、「就く」は「動作の途中」を、「着く」は「動作が完了している、移動し終わっている」ことを表す言葉です。

「帰路につく」とは、「家に帰る道についている」ことであり、「現在家にはまだ到着しておらず、家に帰る道の途中にいること」を意味していることを考えると、「就く」が正しいことが分かりますね。「帰路に就く」を表記するときは、間違えないように正しく表記しましょう。

ちなみに、同じような言葉で、「人生の重要な分岐点にいること」を表すしている「きろにたつ」という言葉があります。この言葉も、漢字で表記する際に間違えて「帰路に立つ」と表記されることがありますが、正しくは「岐路」であるので、注意しましょう。

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#3 「帰路」を英訳すると?

次に、「帰路」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。この言葉を英語で表現すると、以下のようになります。

●homeward
●back home

「homeward」は「家路へ向かう」を、「back home」は「家に帰る」ことを表す英語です。それぞれの英語で、「帰路に就く」を表現すると、「start homeward」「set out back home」のようになります。「start」や「set」という単語が入ることで、家に到着しているのではなく、「家への帰る道に就いた」という意味がよく分かりますね。

#4 「帰路」の使い方・例文

次に、「帰路」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「すっかり日も暮れて外が暗くなってきたので、帰路に就く方々はくれぐれもお気を付けください」
「仕事終わりに一杯やって帰ろうかと思ったが、雨が降ってくる前に帰路を急ぐことにした」
「台風が近づいているとのことなので、どうぞ帰路お気をつけください」
「彼は子供の誕生日を祝うために、仕事を早々に終わらせて足早に帰路に就いた」
「最近彼は健康のために、電車利用を控え、帰路は一駅分歩くことにしている」

「帰路」は、上記のように「家に帰る道や帰るまでの間」を表した言葉であり、「帰路に就く」「帰路を急ぐ」などの形で使うことができます。漢字で表記する際には、「帰路に着く」ではなく「帰路に就く」が正しいことを理解しておきましょう。

ちなみに「人生の分岐点に立つ」を表す「岐路に立つ」も、「帰路」と漢字表記を間違いやすいため、気を付けましょう。

「帰路」の類義語

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次に、「帰路」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。

「帰路」と近い意味がある言葉には「家路」「帰途」「帰り道」「帰宅」などがあります。まず、それぞれの意味を見ていきましょう。

【家路】
1.その家の方へ向かって行く路。
2.わが家へ帰る路。帰路。
出典:精選版 日本国語大辞典「家路」

【帰途】
帰えりみち。帰りしな。帰路。
出典:精選版 日本国語大辞典「帰途」

【帰り道】
帰る途中のみち。帰路。帰途。
出典:大辞林 第三版「帰り道」

【帰宅】
家に帰ること。帰家。
出典:精選版 日本国語大辞典「帰宅」

\次のページで「「帰路」の対義語」を解説!/

つまり、「家路」「帰途」「帰り道」は「帰る道や帰る途中」を、「帰宅」は「家に帰ること」を意味する言葉であるため、「帰宅」以外は以下の例文のように「帰路」と言い換えて用いることができるでしょう。

ちなみに、「家路」は「家への帰り道」を表していますが、「帰途」や「帰り道」は、たとえば職場など家以外の場所への帰り道にも用いることができます。

 

「家路」:「今日は娘の誕生日であるため、彼は仕事を早めに切り上げ家路を急いだ」
(≒「今日は娘の誕生日であるため、彼は仕事を早めに切り上げ帰路を急いだ」)

「帰途」:「彼はその日寄り道をすることなく真っ直ぐに帰途に就いた」
(≒「彼はその日寄り道をすることなく真っ直ぐに帰路に就いた」)

「帰り道」:「仕事が終わった後は真っ直ぐに帰るつもりだったが、帰り道で友人とばったり会いそのまま飲みに行くことにした」
(≒「仕事が終わった後は真っ直ぐに帰るつもりだったが、帰路で友人とばったり会いそのまま飲みに行くことにした」)

「帰路」の類義語には、「家路」「帰途」「帰り道」「帰宅」などがあります。「家路」「帰途」「帰り道」については「帰路」とほぼ同じ意味であるため、いずれも言い換えて用いることができる言葉です。

ちなみに、「家路」は「家」への帰り道を意味する言葉であるのに対し、「帰路」や「帰途」「帰り道」は特に帰る場所は限定せずに用いることができるため、この点においては使い分けることができるでしょう。

「帰路」の対義語

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最後に「帰路」の対義語について見てみましょう。

#5 「往路」

「帰路」の対義語は、「往路」などです。「往路」の意味は、以下のようになります。

ある場所へ行くときの道。また、行く時。ゆきの道。

出典:精選版 日本国語大辞典「往路」

\次のページで「まとめ」を解説!/

そして、この言葉を用いるとたとえば以下のようになります。

「仕事で時間がない中で旅行の準備をしていたら、往路のチケットを取るのを忘れていた」
「昔の特攻隊の飛行機は、往路の分の燃料しか積んでいなかった」
「このツアーの一番の醍醐味は、あの遺跡までの往路の景色だ」
「今回の家族旅行では、往路は私が帰路は父が車を運転することになっている」

まとめ

以上、「帰路」の意味や英訳、使い方、類義語、対義語についてまとめました。この言葉は「ある場所から帰る道」「帰るまでの間」をいい、外出先から帰ることについていう場合に「帰路に就く」「帰路を急ぐ」といった形で使われています。「帰路に就く」や「岐路に立つ」などは、漢字表記を間違いやすいため、正しい表記で理解しておきましょう。

この類義語には「家路」「帰途」「帰り道」「帰宅」といった言葉があり、それらの言葉を「帰路」と置き換えて同じような内容のことを述べることが可能です。

また、対義語には「往路」などがあります。

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言葉の意味

「帰路」の意味や英訳・使い方・類義語・対義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「帰路」(読み方:「きろ」)という言葉は、「帰途に就く」「帰路を急ぐ」などの形でよく使われています。

「帰路」は、ある場所から自宅などに帰ることについていう表現するときに用いる言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。また、漢字で表記するときには、非常に誤用されやすい言葉でもあるため、言葉や漢字の意味をしっかり理解しておくと文章を作成するときなどに役に立つかと思います。

そこで、ここでは、「帰路」の意味や英訳・使い方・類義語・対義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。



「帰路」の意味や英訳・使い方まとめ

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それでは、以下に「帰路」の意味や英訳、使い方について説明します。

#1 「帰路」の意味は?

まず、「帰路」の意味を見てみましょう。この言葉には、以下のような意味があります。

ある場所からの帰り道。帰る途中。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「帰路」

つまり、「帰路」は、「ある場所から帰るまでの道や帰るまでの間」を表している言葉となっています。

#2 「帰路につく」は就く?着く?

次に、「帰路」を使ってよく用いられる表現である「帰路につく」について見ていきます

文章などで「帰路につく」を表記するときに、「就く」と「着く」のどちらが正しいのか悩む人もいるでしょう。それは「つく」というそれぞれの漢字が表す意味を知ると、解決できます。それぞれの漢字の意味を、以下で見てみましょう。

【就く】
ある行程に身を置く。長い旅などに出かける。出発する。おもむく。
出典:三省堂 大辞林「就く」

【着く】
1.移動していってその場所に至る。
(人などがある場所に到達する。到着する。または、荷物・手紙などが運ばれて届く。)
2.ある場所に身を置く。
出典:大辞林 第三版「着く」

「就く」も「着く」も移動を表す言葉であるため、表記の際には非常に混同しやすいかと思います。上の記載より、「就く」は「動作の途中」を、「着く」は「動作が完了している、移動し終わっている」ことを表す言葉です。

「帰路につく」とは、「家に帰る道についている」ことであり、「現在家にはまだ到着しておらず、家に帰る道の途中にいること」を意味していることを考えると、「就く」が正しいことが分かりますね。「帰路に就く」を表記するときは、間違えないように正しく表記しましょう。

ちなみに、同じような言葉で、「人生の重要な分岐点にいること」を表すしている「きろにたつ」という言葉があります。この言葉も、漢字で表記する際に間違えて「帰路に立つ」と表記されることがありますが、正しくは「岐路」であるので、注意しましょう。

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