「気質」の意味と由来・使い方・例文・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
ある職業などに見られる固有の特徴を持っている人について述べる時に使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他に近い意味の語にはどのようなものがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは「気質」の意味と由来、使い方、また類義語にあたる言葉について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「気質」の意味は?
まず、「気質」には「ある身分・職業・年齢層・環境などに特有の気風や気性、傾向」という意味があり、「ある職業や年代などに共通に備わっている特別な性質や特徴、性分」を表す語となっています。
「気質」の由来は?
次は、「気質」の語源・由来について見ていきましょう。
そもそも「気質」は、「布や紙をあてて模様などを染め付ける、模様や文字を彫りつけた板」である「形木」(「模」「型木」とも書く)に由来すると言われています。
この「形木」はやがて、その意味の類推から「(技芸や習い事の)基準。型。手本」も意味するようになり、これが転じて「習慣。生活態度。性質」をもその意味に含まれるようになったとのこと。
そのときにはすでに、「形木」は「気質」「形気」「容気」と書かれるようになったようですが、江戸時代における浮世草子「気質物(かたぎもの)」の発表もあったことから現在の意味につながっていったと考えられます。
なお、「気質物」は「職業・階級・性などの別に人間を類型化して、それぞれの性癖を滑稽に描き分けようとした浮世草子の一種」で、「世間子息(むすこ)気質」「世間娘気質」「浮世親仁(おやじ)形気」「世間妾(てかけ)形気」等の作品があります。
「気質」の使い方は?
次に、「気質」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「彼の父は律儀で誠実な正直者という昔気質の人だ」
「その店は長年かけて培った技術と職人気質の丁寧な物づくりが評判を呼んでいる」
「彼にはひとつのことに没頭してとことん追求する学者気質のところがある」
「彼は将来に夢や希望を持つでもなく、保守的で安全志向の強い現代的若者気質の青年だ」
「年をとればとるほど、彼女は祖父の武士気質を懐かしむような人であった」
「論語を小さい時から習っていた彼は、やがて坪内逍遥の当世書生気質なども読むようになった」
「この漱石による小説では、江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な新任教師が主人公だ」
「いろいろな点で、芸術家気質というものは人間を実生活に不向きにするものだ」
「彼は物事の観察力に長け、探究心や好奇心旺盛な作家気質の人だ」
このように「気質」は、上記のようにある職業や年代の人が共通に持っている独自の性質を持つ人についていう場合に、主に「職人気質」「昔気質」など手前に語を置いて「~気質」といった複合語の形で使うことができます。
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