「鵜呑み」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
人から聞いたことを自分でよく考えずにそのまま受け入れてしまうことについて言う時に使える言葉です。具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは、「鵜呑み」の意味と使い方、類義語・言い換え表現について現役ライターが解説します。
「鵜呑み」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現
それでは、以下に「鵜呑み」の意味と、その言葉の由来である「鵜」「鵜飼い」について説明します。
意味
「鵜呑み」とは、「人が言ったことを自分で調べたり考えたり判断したりすることなしに、そのまま受け入れること」を表す語となっています。
「鵜呑み」を国語辞典で調べてみると、下記のように説明がありました。
人のいうことなどを、よく検討・理解せずにそのまま採り入れること。
(出典:『広辞苑』 第6版、岩波書店発行)
由来となった「鵜」とは?
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鵜呑みとは、鵜が魚や餌を噛まずに飲み込むところからきた言葉です。
この表現の由来となった「鵜」とはどのような鳥なのかご存知でしょうか。記事のはじめに、この由来を紹介します。
「鵜」とは、黒くて細長い体つきをした水鳥のこと。首が長く、鋭いくちばしを持っており、水に潜って魚を捕り、のどにある「そのう」と言うところに、とった魚を一時的に貯える習性があります。
その習性を利用したのが、夏の風物詩ともなっている鵜飼い。鵜飼いに使われているのは鵜の中でも「海鵜(うみう)」という種類の鵜です。鵜飼いとは日本古来の漁業で、奈良・平安時代から行われているもの。鵜匠(うしょう)が丸飲みする鵜を操りながら、鮎などの川魚を取る、というスタイル。鵜匠は鵜と一緒に住み、信頼関係を築いてゆきます。鵜ののどに巻かれたひもで、完全には飲み込まないようにしておき、それを吐き出させることで漁をするというもの。鵜匠と鵜との信頼関係なしには成り立たないでしょう。
岐阜県長良川、愛媛県肱川、大分県三隅川が日本三大鵜飼とされ、現在では漁業というよりも、観光客向けのショーとして行われていることが多いでしょう。
このような鵜のように、食べ物を噛まずに流し込む姿もさしていますが、そこから転じて、「鵜呑み」とは、物事の真意を十分に理解しないまま受け入れることもさしています。
使い方・例文
次に、「鵜呑み」の使い方を例文を参考にしながら見ていきましょう。「鵜呑み」は、人が言ったことについて自分できちんと考えて理解せずに、そのまま受け入れてしまうことについていう場合に、「……を鵜呑みにする」などの形で使うことができます。
この言葉は、たとえば以下のように日常生活で用いることができるでしょう。
「週刊誌などのゴシップ記事は話題性を重視して書かれているから、内容を鵜呑みにするものではない」
「電話営業の話を鵜呑みにしてはいけない。勧誘をしてくる人は契約が取りがたいために、良いことばかり言ってくるものだ」
「『誰でも簡単に儲かる』なんて謳い文句を鵜呑みにするな。本当にそんなものがあるならみんながそれをやっているだろう」
「彼は彼女と別れようとして、『地方に転勤が決まった』と嘘をついたが、その話を鵜呑みにした彼女は、『自分も一緒に行く』と言い出した」
類義語・言い換え表現
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次に、「鵜呑み」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。
「鵜呑み」と近い意味がある言葉には以下のようなものがあります。
真に受ける:真面目な態度を示す。「冗談を真に受ける」=本当のことだと受け取ること。
丸呑み:丸ごと飲み込むこと。生物がえさをとって飲み込む時のことを示すほか、よく理解しないまま取り入れたり、取り入れたりするこ様子のことを示しています。さらに、津波や土砂崩れなどの災害が民家などに覆いかぶさることを、「丸呑み」と表現することも。
「胡椒の丸呑み」ということわざもあり、香辛料の胡椒であっても丸呑みしたのではその味も分からないという意味。それと同じで、物事もよく味わわなければ本当の意味が見えてこないことを指しています。
そして「鵜呑み」のように、「ある物事を自分で考えて理解することなしにそのまま受け入れること」をいう場合には、上記の語を使ってこれらのような言いかえをすることが可能です。
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