「託ける(かこつける)」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
「託ける」は、上記のように「~に託ける」「~に託つけて~する」といった形で用います。
本来は関係のないことでも、無理やり関連付けて、誘いを断ったり自分を甘やかすことを言うときに用いるため、良いこと(褒める場面など)で用いることは不適切でしょう。
「託ける(かこつける)」の類義語
「託ける」と近い意味がある言葉には以下のようなものがあります。
#1 口実にする
まずは、すでに「託ける」の意味として登場している「口実にする」。
【口実】
言い逃れや言いがかりの材料。また、その言葉。
つまり、前につく事柄を言い逃れの理由として使うことを「口実にする」と表現することができ次のように言うことができます。
「口実」:「希望職種とは異なることを口実にして、彼はその企業の内定を辞退した」
(≒「希望職種とは異なることを言い訳の理由にして、彼はその企業の内定を辞退した」)
#2 こじつける
次に、「こじつける」の意味を見ていきましょう。
【こじつける】
本来は関係のないことを、強いて関係があるようにいう。また、むりに理屈をつける。
こちらは、「託ける」と言う意味のうちの「無理やり関係があるように言う」という部分の同義語です。「託ける」をこの言葉で言い換える場合は、補足が必要でしょう。
「こじつける」:「彼はその日入院している友人の見舞いにいくという理由をこじつけて、社員旅行を欠席した」
(≒「彼はその日入院している友人の見舞いにいくというもっともらしい理由を無理に付けて社員旅行を欠席した」)
上記の文において、託けての場合には不要だった「〜という理由を」という言葉を補足しています。
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「口実」は「その場を取り繕うための言い訳の理由」、「こじつける」は「無理に辻褄を合わせて別のことと関連付ける」ことをいい、「託ける」とはニュアンスが異なりますが、これらの語を使ってほぼ同じようなことを述べることが可能です。
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以上、「託ける(かこつける)」の意味と使い方、類義語についてまとめました。
この言葉は「もともとは関係のないことを無理に別のことと関連付ける」ことをいい、直接関わりのないことを理由にして嫌な誘いを断る際や自分の希望を叶える場合などに、「〜に託けて~する」「~に託ける」といった形で使うことができます。
類義語には「口実にする」「こじつける」といった語があり、それらの語は「託ける」と一部同じ意味を持っているので、置き換え、補足することで同じような内容を述べることが可能でしょう。
これらの語は直接関係ないことを言い訳の理由にしたり、無理やり関連付けたりすることを表す時に使うことができますが、それぞれニュアンスが異なるため、適度な場面で使い分けましょう。
ちなみに、「託ける」と同じ漢字表記の「ことづける」は意味が異なり、伝言や物を人伝に渡してもらえるよう預けることを言います。一見するとどちらの読みか分からないので、文脈を読み取り間違いないように注意しましょう。