言葉の意味

「一献」の意味や由来・英訳・使い方・類義語まとめ

「一献」(読み方:「いっこん」)という言葉は、「まずは一献」「一献傾ける」などの形でよく使われています。

お酒の席において用いられる言葉ですが、中にはあまり耳にしたことがなく具体的にどのような使い方をするのか、また他に似た意味の語にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。しかし、この言葉は目上の人に対して用いられることの多い言葉ですので、ビジネスマナーとしてきちんと理解しておくべき言葉です。

そこで、ここでは、「一献」の意味や由来・英訳・使い方・類義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「一献」の意味や由来・英訳・使い方まとめ

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それでは、以下に「一献」の意味と使い方、類義語について説明します。

#1 「一献」の意味は?

まず、「一献」には以下のような意味があります。

【1】小規模な酒盛り。また、酒をふるまうこと。小酒宴。一酌。
【2】二献、三献と段々に酒をすすめる時の一度目の酒肴のこと。
【3】室町時代以後の酒宴の礼法で、吸い物や肴を杯に添えて出し、三杯すすめること。

出典:精選版 日本国語大辞典「一献」

つまり「一献」とは、「小さな酒盛りやお酒をふるまうこと、または最初の一杯目のお酒」を表す言葉となっています。

一般的に、「一献」という言葉をあまり耳にすることはないかと思いますが、この言葉は尊敬語として、上司など目上の相手に対して用いられることが多いです。「一献」が用いられる状況としては、接待や宴会等の席で、上司にお酌をするときに「まずは一献」のような形で用いられます。

#2 「一献」の由来は?

ここで、「一献」の由来について見てみましょう。

本来、「一献」の「献」という字は、「お客にお酒と料理でおもてなしをする」という意味があります。昔は、酒席で料理を添えてお酒を三杯すすめることが礼儀であり、これを「一献」と呼んでいました。このことから、現在の「お酒をふるまうこと」という意味で「一献」が用いられるようになったのです。

ちなみに最初の一献で出された料理は、お酒を三杯飲み終わると一度下げられ、次の三杯でまた別の料理を添えて出していたため、料理をする人は一献ごとに工夫して調理していました。そのことから、今日ではメニューのような意味で使われている「献立」という言葉も生まれたようです。

#3 「一献」の英訳は?

次に、「一献」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。英語では、以下のような表現となります。

●a glass of~

海外では日本のように、敬語の概念やお酌をする文化がありません。そのため、この「a glass of~」は、目上の人など社会的立場に関係なく用いられる表現で、「一杯どうですか?」という意味となります。

このように日本独特の風習や文化が表れた言葉は、趣深いですね。日本語は、言葉そのものの意味や漢字の意味もあるため、外国の方は習得するのになかなか苦労するようですが、それも日本語の良さなのかもしれません。

#4 「一献」の使い方・例文

次に、「一献」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

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