
「案の定」の意味や語源・使い方・類義語・対義語は?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
「案の定」は良くないことにしか使わないの?

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「案の定失敗してしまった」といったように、「案の定」はネガティブな予感が当たってしまった場合に使われることが多いようです。
では良いことが期待通りに起こったというときには使ってはいけないのでしょうか?
「案の定」という言葉それ自体には、特にネガティブな意味が含まれているわけではありません。
ですから、本来は良い意味にも悪い意味にもどちらにも使える言葉なのですが、習慣として悪い予想が当たってしまった場合に使われることが多いため、たとえば「実験が案の定成功して嬉しい」といったような使い方は、なんとなく違和感があります。
なぜこの言葉がこうした使われ方をするようになったかは分かりませんでしたが、良い意味を表したい場合は「案の定」は避けて、「予想通り(期待通り)上手く行った」などに言い換えた方が無難といえるでしょう。
「案の定」の類義語・言い換え表現
次に、「案の定」の類義語や言い換え表現を、例文とあわせて見ていきましょう。
やっぱり・やはり
「彼の家は代々医者の家系なので彼も将来は医者になるだろうなと思っていたが、やっぱりそうなった」
(≒「彼の家は代々医者の家系なので彼も将来は医者になるかもしれないと思っていたが、案の定そうなった」
「せっかくの旅行なので晴れてほしかったが、天気予報の通りにやはりその日は雨になった」
(≒「せっかくの旅行なので晴れてほしかったが、天気予報の通りに案の定その日は雨になった」
予想通り
「試合は接戦だったが、予想通り優勝候補と目されているチームの勝利に終わった」
(≒「試合は接戦だったが、案の定優勝候補と目されているチームの勝利に終わった」)
果たせるかな・果たして・果然(かぜん)
これらは文語的な、少々堅い言い方になりますが、予想通り・期待通りという意味を持ちます。
ただし、ニュアンスとしては、良い期待が見事に的中したという場合に使われることが多いです。
上述したように、「案の定」は悪い結果に対して使うことが多いので、これらの語と言い換えてしまうと少々違和感があります。
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