
「呆然」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
#3 「呆然」の類似語「愕然」の意味は?
さて、最後の類似語である「愕然」は、どのような意味を持つのでしょうか。
「愕然」について調べてみたところ、以下のような意味を持つことがわかりました。
衝撃を受け、非常におどろくさま。 「意外な結果を聞いて-とする」 「 -たる思い」
出典:コトバンク
そして「呆然」のように、「あることに驚く様子」についていう場合には、上記の語を使って以下のような言い方をすることが可能です。
・「茫然」:「彼は父親が事故で急死したとの知らせに茫然となった」
(≒「彼は父親が事故で急死したとの知らせに呆然となった」)
・「唖然」:「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は唖然として言葉を失った」
(≒「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は呆れて言葉を失った」)
・「愕然」:「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分に愕然とした」
(≒「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分にひどく驚いた」)
上記の中で「茫然」は「呆然」と同じ意味の言葉となるため、置き換える形で使うことができます。
一方、「唖然」と「愕然」もはあることに驚く様子についていいますが、「唖然」はあきれてものも言えない様子、「愕然」は何かにひどく驚く様子をいう時に使われるのが一般的ですね。
この2つの語は、「どうしてよいか分からずぼんやりする」という意味のある「呆然」とはニュアンスが異なりまったく同じ使い方ができる言葉ではありませんが、驚く対象となる事柄によって適度に使い分けることが可能です。
類似語でも、「全く同じ意味を持つ言葉」と「似ている意味ではあるが、ニュアンスが微妙に異なる」ものがあります。
それぞれがどのような意味を持つのかしっかり理解することが重要です。
「呆然」「唖然」「愕然」を適切に使い分けましょう!
以上、「呆然」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。
この「呆然」という言葉は「あることに驚いてどうしてよいか分からずぼんやりとする様子」をいい、ある知らせに驚いて途方に暮れる様子についていう場合などに「呆然となる」「呆然と~する」といった形で使うことができます。
また類義語には「茫然」「唖然」「愕然」といった語があり、それぞれ何かに驚いた時の状態について述べる時に使うことが可能です。
ただし、これらの語は「どうしてよいか分からずぼんやりとする様子(「呆然」および「茫然」)」、「呆れて言葉も出ない様子(唖然)」「ひどく驚いた様子(愕然)」といったように、それぞれニュアンスが異なるため、場面に応じて適度な語を使い分けていかなければなりません。
このように、言葉の微妙なニュアンスを理解することは、言葉を適切に使うのには欠かせない要素です。それぞれの意味をしっかりと理解し、正しく使えるようにしましょう。