言葉の意味

「呆然」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?日本文学専攻の現役ライターがサクッと解説!

「呆然」(読み方:「ぼうぜん」)という言葉は、「呆然とする」「呆然と~する」などの形でよく使われています。

あることにショックを受けて途方に暮れてぼんやりとする様子についていう時に使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは、日本語を勉強することが好きな筆者が「呆然」の意味と使い方、類義語・言い換え表現について説明していきます。

「呆然」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?

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それでは、以下に「呆然」の意味と使い方、類義語、言い換え表現について説明します。

「呆然」の意味は?

そもそも、「呆然」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか。

「呆然としてしまった」「呆然となって○○をしていた」というように、日常会話で用いたり、文章表現でもよく使われる言葉ですので、一度は見たり聞いたり、使ったりしたことがある人もいることと思います。

しかし、日常的に用いながらも、正確な意味を考えたり、調べようと思ったことは少ないのではないでしょうか。

そこで、ここでは改めて「呆然」の意味を確認していきたいと思います。

辞書を引いてみたり検索してみたりして調べたところ、「呆然」という言葉には、以下のような意味があることがわかりました。

・驚きあきれて、気が抜けたようになるさま。茫然。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「呆然」

 ・気抜けしてぼんやりしたさま。また、あきれるさま。あっけにとられるさま。茫然忙然惘然
※春窓綺話(1884)〈高田早苗・坪内逍遙・天野為之訳〉七「歩を舷頭に進めて然として前岸に瞻望す」
出典:コトバンク

つまり、「呆然」という言葉は「あることに驚いてどうしたらよいか分からなくなり、ぼんやりとする様子」を表す言葉であることがわかります。

具体例を出すと、「思わぬことに遭遇し、呆然としてしまった」と言われたとしたら、「驚いてしまってどうしたら良いかわからなくなってしまい、頭が真っ白になって何も考えられなくなってしまった」という状況を意味するというわけです。

「呆然」は形容詞であり、状況を表す言葉となっています。衝撃を受けた事柄に遭い、それを誰かに伝えたいときに、より「驚いた」ということを強調するために用いるのが一般的でしょう。

「呆然」の例文や使い方は?

さて、「呆然」の言葉の意味が理解できたところで、次には「呆然」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

例文を知ることで言葉の具体的な使用方法がわかり、より適切な形で言葉を使えるようになります。

誤用しないためにも、この部分はしっかりと確認していきたいところですね。

この「呆然」という言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

・「数時間前までそこにあったはずの風景が大地震で一変し、辺り一帯ががれきの山と化したところを目の当たりにして呆然とする

・恩師の突然の訃報を聞いた彼は、呆然となってしばらくその場に立ち尽くしていた」

・「自宅に救急車が止まっていることに気づいて慌てて近寄ると、さっきまで元気だったはずの父親が担架に乗せられた救急車に運ばれていた。彼は突然のことに事態が飲み込めず、しばし呆然としていた
・「その日の朝一番で会議室に社員全員を集め、社長から会社の倒産を告げられた。概ね何の話か予測がついていたとはいえ、彼は半ば呆然となりながら話を聞いていた」

「呆然」は、上記のようにあることに驚いて途方に暮れてぼんやりとする様子をいう場合に、「呆然とする」「呆然となって~する」といった形で使うことが可能です。

誰しもが、頭が真っ白になるほどに衝撃的な出来事に遭遇したことがあると思います。

その状況がまさに「呆然」です。

このように、今までの自分の経験を言葉と紐づけていくことで、より言葉の理解力が向上します。

もし言葉の意味がわからなくなった場合は、「どのような場面で用いられるか」を考え、それに基づいて「自分にも似たような経験がないかな?」と考えることで、言葉の意味を掴みやすくなるため、「あれ?この言葉、どういうことを指してるんだっけ?」と悩んだときは、是非試してみてくださいね。

「呆然」の類義語や言い換え表現は?

次に、「呆然」の類義語や言い換え表現について見ていきます。

上記で触れたように、「呆然」には「驚いて途方に暮れる様、呆れる様」という意味が含まれるのですが、そのような意味を持つ言葉は、「呆然」だけではありません。

しかし、類似語が次々と思い浮かぶという人も、なかなか珍しいと思います。

そこで、この項目では、「呆然」と似たような言葉にはどのようなものがあるのか、また、「呆然」を言い換えた表現にどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

まず、「呆然」と近い意味がある言葉には以下のようなものがあります。

「呆然」の類似語:「茫然」「唖然」「愕然」

#1 呆然の類義語「茫然」とは?

さて、まずは「呆然」の類義語である「茫然」について見ていきましょう。

「茫然」は「呆然」と同様、「ぼうぜん」と読み、以下のような意味を持ちます。

1)茫然(ぼうぜん)

1・広大なさま。遠くはてしないさま。〔蘇軾‐前赤壁賦〕
2・漠然としてとりとめのないさま。判然としないさま。
※正法眼蔵(1231‐53)谿声山色「年来たくはふるところの書籍を披尋するに、なほ然なり」 〔李白‐蜀道難〕
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「芒然として天下の事を打忘たぞ」 〔杜甫‐重過何氏詩〕

出典:コトバンク

#2 「呆然」の類似語「唖然」とは?

次に、「呆然」の二つ目の類似語である「唖然」の意味も見ていきましょう。

「唖然」という言葉を調べてみると、以下のような意味を持つことがわかります。

思いがけないことに驚き、あきれて物も言えないさま。

※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉三三「ダービル(アぜん)と大笑して曰く」

 

出典:コトバンク

#3 「呆然」の類似語「愕然」の意味は?

さて、最後の類似語である「愕然」は、どのような意味を持つのでしょうか。

「愕然」について調べてみたところ、以下のような意味を持つことがわかりました。

衝撃を受け、非常におどろくさま。 「意外な結果を聞いて-とする」 「 -たる思い」

出典:コトバンク

そして「呆然」のように、「あることに驚く様子」についていう場合には、上記の語を使って以下のような言い方をすることが可能です。

・「茫然」:「彼は父親が事故で急死したとの知らせに茫然となった」
(≒「彼は父親が事故で急死したとの知らせに呆然となった」)
「唖然」:「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は唖然として言葉を失った」
(≒「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は呆れて言葉を失った」)
「愕然」:「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分に愕然とした」
(≒「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分にひどく驚いた」)

上記の中で「茫然」「呆然」と同じ意味の言葉となるため、置き換える形で使うことができます。

一方、「唖然」「愕然」もはあることに驚く様子についていいますが、「唖然」はあきれてものも言えない様子「愕然」は何かにひどく驚く様子をいう時に使われるのが一般的ですね。

この2つの語は、「どうしてよいか分からずぼんやりする」という意味のある「呆然」とはニュアンスが異なりまったく同じ使い方ができる言葉ではありませんが、驚く対象となる事柄によって適度に使い分けることが可能です。

類似語でも、「全く同じ意味を持つ言葉」と「似ている意味ではあるが、ニュアンスが微妙に異なる」ものがあります。

それぞれがどのような意味を持つのかしっかり理解することが重要です。

「呆然」「唖然」「愕然」を適切に使い分けましょう!

以上、「呆然」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この「呆然」という言葉は「あることに驚いてどうしてよいか分からずぼんやりとする様子」をいい、ある知らせに驚いて途方に暮れる様子についていう場合などに「呆然となる」「呆然と~する」といった形で使うことができます。

また類義語には「茫然」「唖然」「愕然」といった語があり、それぞれ何かに驚いた時の状態について述べる時に使うことが可能です。

ただし、これらの語は「どうしてよいか分からずぼんやりとする様子(「呆然」および「茫然」)」、「呆れて言葉も出ない様子(唖然)」「ひどく驚いた様子(愕然)」といったように、それぞれニュアンスが異なるため、場面に応じて適度な語を使い分けていかなければなりません。

このように、言葉の微妙なニュアンスを理解することは、言葉を適切に使うのには欠かせない要素です。それぞれの意味をしっかりと理解し、正しく使えるようにしましょう。

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