「徒に」の意味と使い方・例文・「無駄に」との違いは?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
意味がなく何の得にもならないことをする様子についていう時に使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また似た意味のある「無駄」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこでここでは、日本語を勉強することが好きな筆者が、「徒に」の意味と使い方や、「無駄に」との違いを説明していきます。
「徒に」の意味は?
そもそも、「徒に」という言葉は、どのような意味を持っているのでしょうか。
日常で頻繁に使うことがない言葉であるため、なかなか意味を答えられないという人も多いかと思います。
しかし、意味が答えられないとなると、いざという場面で困ってしまいますよね。
そこで、この機会に改めて「徒に」という言葉の意味を確認しておきましょう。
「徒に」という言葉を辞書で引いたり、検索してみたりしたところ、以下のような意味を持つことがわかりました。
・何の効果も利益もないさま。無益・無用なさま。むなしく。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「徒に」
・何ら目的、理由、原因などがないのに、物事をしたり、また、状態が進行したりするさまが甚だしいさまを表わす語。むやみやたらに。わけもなく。ただひたすら。
出典:コトバンク
つまり、「徒に」という言葉は、「効果や利益がなく、役に立たない様子」「ある物事をしたことの効果がなく無駄になる様子」を表す言葉であるということがわかります。
また、「ただひたすら」という意味も持ち合わせており、効果や利益といったものを度外視しつつも何かの行為をすることを指すことも。
このような意味をしっかりと理解し、適宜使い分けられるようにしておきましょう。
「徒に」の使い方や例文は?
さて、「徒に」という言葉の意味がわかったところで、次は「徒に」の使い方を例文を使って見ていきます。
具体例を知ることで、より言葉を適切に用いることができるようになりますので、ここはしっかりと抑えておきたいところですね。
この「徒に」という言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
・「彼は親の期待に応えて大学に入学したものの、自分のやりたいことも分からず将来の目標もなくただ徒に時を過ごしていた」
・「彼はいずれ飲食店を開業したいという夢があったが、失敗した時のことを考えるとなかなか踏み出せないまま徒に時を費やした」
・「彼はこれといった目標や人生設計もなく徒に日々を暮らしていた」
・「戦略をしっかりと立てないままに闇雲に事業を続けても徒に時間が過ぎるだけだ」
「徒に」は、特に目的がなく物事をして何の利益もない時間を過ごす様子やある目的を持って行ったことが無駄に終わる様子についていう場合に、「徒に時を過ごす」「徒に~する」といった形で使うことができます。
ここに何かしらの意味が発生していたり、利益や効果がもたらされている場合、「徒に」という言葉は用いることができませんので、注意が必要です。
「徒に」という言葉の使い方に迷ったときは、「言葉の対象に効果や利益がもたらされるか?」「言葉の対象に意味はあるのか?」と、一度吟味してみることをおすすめします。
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