「やり過ごす」の意味と使い方・例文・類似表現・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
主に何か嫌なことが過ぎるまでその場を凌ぐことについていう場合に使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉を使って言い換えるにはどのような言い方ができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは、「やり過ごす」の意味と使い方、類似表現や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「やり過ごす」の意味は?
まず、「やり過ごす」には以下のような複数の意味があります。
1. 後から来るものを先に行かせる。
2. なすがままにさせて放っておく。
3. 物事を限度を越えてする。
つまり、「後から来たものを自分よりも前に行かせる」「ある物事をそのままにして放置し、関わりを持たないようにする」「ある物事を限度を越えて何かをする」ことを表わし、現在は3の意味では「やり過ぎる」という表現で用いられます。
また、「やり過ごす」は「遣り過ごす」とも書くことができますが、「遣」には「遣わす・差し向ける」や使役の意である「しむ・せしむ」という意味が、「過ごす」には「そのままの状態にする」「限度を超す」という意味があります。
そのため「やり過ごす」は、「そのままの状態にせしむ」つまり「そのままにさせる」、「遣わしむ」つまり「行かせる」というように「過ごす」に使役の意味を加えたものと言えるでしょう。
「やり過ごす」の使い方は?
次に、「やり過ごす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「彼は酒が飲めなかったが飲み会への参加を断り切れず、当日はソフトドリンクだけで飲み会をやり過ごした」
「その日夕方から雨となったが、傘を持たずに出てきたためしばらくカフェに入ってお茶をしながら雨をやり過ごした」
「連休最終日のその日は帰省する人で道路はひどい混雑が続いたため、ひとまずサービスエリアに入って渋滞をやり過ごした」
「その時は比較的混雑している時間帯だったので、電車を何台かやり過ごした」
「彼は軽い調子で親とは勘当していると言ったが、さすがにこれはやり過ごすというわけにはいかない類の話だ」
「とっさに物陰に身を隠し、車をやり過ごすまで彼はそこでじっとしていた」
「あの映画では主人公が全て解決してしまうが、あれはちょっとやり過ぎではないか」
「中華鍋などの空焚きによって錆を防止することができますが、限度を超えてやり過ぎると火災の原因となります」
「やり過ごす」は、上記のように面倒な物事などをそのままにしておいて自分は別のことに取り組みそれと関わらないようにする状況について述べる場合。
そして、電車や車など後から来るものを自分は動かずに先に追い越させることについて述べる場合などに、「~をやり過ごす」といった形で使うことができます。
一方、物事を限度を越えて何かをすることを述べる場合には現在では「やり過ぎる」という表現が使用できるでしょう。
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