
「顕在」の意味と使い方・例文・「顕著」との違いは?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
はっきりとした形で表に現れている問題についていう場合に使われている言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また似た意味ある「顕著」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
正しく意味を理解しているという人は、圧倒的に少ないと思われる言葉の一つです。
そこでここでは、日本語を勉強することが好きな筆者が「顕在」の意味と使い方、「顕著」との違いを説明していきます。
「顕在」の意味は?
そもそも、「顕在」とは、一体どのような意味を持つ言葉なのか?という疑問を浮かべる人も、中にはいるかと思います。
「顕在化する」「顕在意識」などといった形で、比較的よく使われる言葉ですので、一度は見かけたことがある人も多いかと思いますが、よくよくその言葉の意味を考えたことはないのではないでしょうか。
これを機会に、しっかりと「顕在」という言葉の意味を確認していきましょう。
「顕在」という言葉を辞書で引いたり検索したりして調べてみたところ、以下のような意味があることがわかりました。
つまり、「顕在」とは、「ある物事がはっきりと表面に出てそれと分かる形で存在すること」を表す言葉です。
ちなみに、上記で触れたように、この「顕在」という言葉の対義語は「潜在」になります。
近年、「潜在意識」という言葉がビジネス書や自己啓発書によく登場するのですが、この「潜在」は「無意識」のようなものです。
主に「内に秘められた能力」を表しますので、その反対の「顕在能力」は、「あきらかに所有していることがわかる能力」や「(自覚している)意識」というわけですね。
このように、反対の言葉を考えて、そこから正しい意味を推察することもできますので、気になった言葉の対義語を一度調べてみることもおすすめです。
「顕在」の使い方や例文は?
では、「顕在」の意味がわかったところで、次は「顕在」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
例文を見て具体的な使い方を知ることによって、言葉をより適切な場面で用いることができるようになりますので、ここはしっかりと抑えておきたいところです。
この「顕在」という言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
・「顕在化していない潜在失業者を含めると失業率はより高いものとなる」
・「コミュニケーターの仕事は顕在的な問題に対処するだけではなく、顧客自身がまだ気付いていない潜在的な問題を表面化して対処することも求められる」
・「顧客がサービスに不満を感じていても顕在的なクレームとして明らかになるのはごく一部だ。それだけではなく『サイレントクレーム』といわれる表面化していないクレームがより多く存在していることにも注意を向ける必要がある」
・「多くの企業で顕在化した問題となっている人手不足は今後さらに深刻になっていくことは明らかだ」
「顕在」は「潜在」の対義語にあたり、内に隠れて表面からは分からない「潜在」に対して、表面に現れていてそうと分かる形で存在することを表します。
つまり、誰にも分かるような形で表面上にはっきりと存在している物事についていう場合に、「顕在化する」「顕在的な~」といった形で使うことが可能です。
イメージ的には、「氷山」が近いでしょう。
「氷山の一角」とはよく言ったもので、氷山は表面だけがごく一部だけ出ていますよね。この「表面」にあたる部分が「顕在」です。
対して、「潜在」はこの表面の下、つまるところ「氷山の隠れた部分」を指すと例えると。わかりやすいのではないでしょうか。
このように、言葉の意味が掴みにくいときは、「イメージ」を用いると、ニュアンスを掴みやすくなります。
言葉の意味に迷ったり悩んだりしたときは、是非この「イメージ化」を試してみてくださいね。
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