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「目を細める」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説

「目を細める」は、可愛いらしいものなどを見て微笑ましいと感じる光景を目にした時に、「~を見て目を細める」「目を細めて~を見る」などの形でよく使われている表現です。

とはいえ、具体的にはどのようなことを表すのか、また他に近い意味を持つ言い方にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「目を細める」の意味と使い方、類義語にあたる表現などについて翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「目を細める」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、「目を細める」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「目を細める」の意味は?

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まず、「目を細める」には以下のような意味があります。

うれしさや目にするものの愛らしさなどに誘われてほほえみを浮かべる。

出典:精選版 日本国語辞典(発行所 株式会社小学館)「めを細(ほそ)くする[=細(ほそ)める]」

つまり「目を細める」は、「嬉しい感情や愛らしい物を目にしたことなどによって嬉しそうにわずかに笑うこと」を表します。

「目を細める」の使い方・例文

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次に、「目を細める」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「腕白ぶりに手を焼きながらも、彼は目を細めて元気に遊んでいる子どもたちを見ていた」

「窓辺から降り注ぐ陽光を浴びながらいかにも気持ちよさそうに眠っている猫の姿に、彼女は思わず目を細めた」

「孫たちが公園を駆け回って無邪気に遊ぶ姿を、彼は傍から目を細めて見守っていた」

「銀婚式を迎えても今だに新婚当初と変わらず仲睦まじい二人に周囲は目を細めた」

「目を細める」の類義語

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次に、「目を細める」の類義語について見ていきましょう。

この言葉と似た意味のある語には、以下のようなものが挙げられます。

「顔が綻びる」

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まず、「顔が綻びる(かおがほころびる)」という表現ですが、その中の「綻びる」には以下の意味があります。

かたかった表情がやわらぐ。笑顔になる。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「綻びる」③

つまり、「顔が綻びる」は「緊張などで顔がこわばっていた状態が和らぐ、笑顔になる」ことをいい、以下のように用いることができます。

「不安と緊張を抱えて検査の結果が出るのを待っていたが、特に異常がないと分かり思わず顔が綻びた」

「面接で質問にうまく答えられずに落ち込んでいたが、思いがけず採用の連絡を受けて顔が綻びた」

「笑みが零れる」

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次に、「笑みが零れる(えみがこぼれる)」の「零れる」には以下の意味があります。

内に抑えていた感情や美質が、あふれるようにして表に現れる。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「零れる」③

つまり、「笑みが零れる」は「心の中に抑えていた感情が溢れるほどいっぱいになって笑みを浮かべる」ことをいい、以下のように用います。

「念願だった学年トップの成績に立つことができた時には、思わず笑みが零れるのを抑えきれなかった」

「彼と別れた後もその日の楽しかったデートを振り返ると自然と笑みが零れた」

「目尻を下げる」

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「目尻を下げる(めじりをさげる)」には、次のような意味があります。

満足して相好を崩すさま。また、好色そうな表情をするさま。

出典:三省堂「目尻を下げる」

「目尻を下げる」とは、「満足そうな表情をすること」「女性に見とれるさま」を表す言葉です。

なお、似たような表現に「眉尻を下げる」というものがありますが、こちらは「悲しむ」ことを表していますので、まったく意味が異なります。

「目尻を下げる」の例文は次の通りです。

「孫の成長ぶりに、おばあちゃんは目尻を下げた」

「たくさんのきれいな女性たちに囲まれて、おじさんの目尻は下がりっぱなしだ」

「相好を崩す」

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「相好を崩す(そうごうをくずす)」は、次のような意味を持つ言葉です。

にこやかな表情になる。顔をほころばせる。

出典:小学館「相好を崩す」

「相好を崩す」は、「それまでの表情を変えてにこやかになるさま」を表す言葉で、「相好」の読み方は「そうこう」ではなく「そうごう」です。

「相好」とは仏教用語で、仏の身体に備わっている優れた特徴のことを表します。この特徴は「三十二相八重種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)」、つまり32の「相」とそれを細分化した80種の「好」だということです。それが転じて今では人の顔つきのことを表す言葉となりました。

「相好を崩す」を使った例文は、次のようになります。

「職人気質の厳格な父も、孫の前では相好を崩す」

「受験会場で緊張していた彼も、友人の姿を見つけて相好を崩した」

「目を細める」の英語表現

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「目を細める」をそのまま英語訳すると「narrow one’s eyes」ですが、これは日本での意味と違って、人を疑うときの目つきを表す言葉です。

英語で表現する場合には「be all smiles」を使って「He was all smiles.」とすると、「彼はにこにこして嬉しそうだった」つまり「目を細めた」ということになります。

「目」を使ったさまざまな表現

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日本語には「目」を使った表現がたくさんあります。その中からいくつか紹介しましょう。

「目を三角にする」

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目を「細める」のではなく、「三角にする」とはどういう状態なのでしょうか。

目を怒らす。怖い目つきをする。目に角(かど)を立てる。

出典:小学館「目を三角にする」

「目を三角にする」とは「怒った目つきをする」ことを表し、「その若い母親は目を三角にして子どもを叱った」のような言い方をすることができます。

「目を丸くする」

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では、今度は目を「丸く」するとどういう意味になるのでしょうか。

驚いて目を大きく見開く。

出典:三省堂「目を丸くする」

「目を丸くする」とは「驚いて目を見張る」ことを表し、「キャベツを買おうとしたらいつもの倍の値段になっていて目を丸くした」のように使います。

「目を白黒させる」

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「目を白黒させる」には、次のような意味があります。

苦しさのあまり目の玉を白目にしたり黒目にしたり、激しくしきりに動かす。

びっくりする。あわてる。

出典:小学館「目を白黒させる」

「目を白黒させる」とは、「ひどく驚いている」「物がのどにつかえて苦しんでいる」ことを表す言葉です。

「前触れもなく突然告白すると、彼は目を白黒させていた」

「大きな飴玉を喉に詰まらせて目を白黒させている」

などのような使い方をします。

「目を晦ます」

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「目を晦ます(くらます)」には、次のような意味があります。

人の目をごまかす。見えないようにする。

出典:小学館「目を晦ます」

「目を晦ます」は、「人にわからないようにごまかす」ことを意味する表現で、「犯人は警察の目を晦ましてさらに遠くへ逃げた」というように使います。

 

 

「微笑む」表現を使い分けよう

以上、「目を細める」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

この言葉は「嬉しいことや目にするものの愛らしさなどに誘われてわずかに笑うこと」をいい、子供の愛らしい姿などを見て優しいまなざしで微笑むことをいう場合に「~を見て目を細める」などの形で用いられています。

また近い意味を持つ言葉に「顔が綻びる」「笑顔が零れる」などがありますが、「顔が綻びる」はそれまで緊張などによって固くなっていた表情が和らぐこと、「笑顔が零れる」は心の中に抑えていた嬉しい感情などが溢れるようにして笑みを浮かべることを意味する表現です。

いずれも何かのきっかけで笑顔になる、微笑むことをいいますが、そのニュアンスは微妙に異なりますので、場面に応じて使い分けられるようにしておくと良いですね。

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