「したたか」の意味や英訳・使い方・例文・「あざとい」との違い・対義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
普段の会話などでは、しばしば「ずる賢い」「計算高い」というイメージで使われ、あまり良い印象を持たれていない言葉です。しかし、本来はどのようなことを表すのか、また混同されやすい「あざとい」という言葉とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは「したたか」の意味と使い方、また「あざとい」との違いについて「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが、例文を交えながら分かりやすく解説していきます。
#1 「したたか」の意味は?
まず、「したたか」には以下のような意味があります。
《形動》強くて、容易には屈しないさま。また、世なれていて、手ごわいさま。
《副》程度・分量などがはなはだしいさま。ひどく。たくさん。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「強か」
つまり、「気質が強くて簡単に屈しない様子」「物事の程度が普通を超えている様子」を表す言葉です。しばしば「一筋縄ではいかないずる賢い人」のことを表現するのに「したたかな人」と用いられることがありますが、これは本来の意味とは少し異なるため、使い方には注意しましょう。ちなみに、「したたか」はひらがなで用いられることが多い言葉ですが、漢字で書くと「強か」となります。
また、一般的に褒め言葉として使われるイメージはあまりない言葉ですが、実は、ネガティブな意味だけで使われる言葉ではありません。ビジネスにおいてこの言葉を用いる場合は、簡単にはくじけない・力強さや根性のある性格のことを指し、良い意味で「したたかな人」などと表現することもあります。また、女性にこの言葉を使う場合には、「自立した芯のしっかりした女性」という意味で使われ、褒め言葉となるのです。
#2 「したたか」の英訳は?
次に、「したたか」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。以下の文が「したたか」の英訳です。
●tough customer
●determined
「tough customer 」は「手に負えない人・手ごわい相手」、「determined」は「したたかな」と訳されます。「tough」は日本でも、「彼はタフな奴だ」などと使われるので、馴染みのある表現ですね。
常にぶれずに力強く生きるということは難しいかもしれませんが、社会の荒波を乗り越えるためにはある程度の「したたかさ」が必要なのかもしれません。
#3 「したたか」の使い方・例文
次に、「したたか」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「彼女は離婚してから、誰の手も借りずに一人で子供を育てしたたかに生きてきた」
「彼は逆境にもめげることなく立ち向かってきたしたたかな男だ」
「新入社員の指導係となった彼は、この業界でしたたかにやり抜いてきた人だ」
「キャリアアップのための転職に必要なのは、したたかさと情報収集力だ」
「彼はしたたかな人だから、いくら周囲が反対していても諦めることはないだろう」
「四面楚歌の状態で彼はここまでしたたかに頑張った」
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