言葉の意味

「左様」の意味と使い方・例文・類義語は?日本文学専攻の現役ライターがサクッと解説!

「左様」(読み方:「さよう」)という言葉は、「左様でございます」「左様なことはございません」などの形でよく用いられています。

電話対応や目上の人との会話など、かしこまった場面で使用されることの多い言い方ですが、具体的にはどのようなシーンで使うことができるのか、また他に近い意味の表現にはどのようなものがあるのか、実は曖昧にしか分からないという人もいるのではないでしょうか。

そこで、ここでは「左様」の意味と使い方、類義語などについて、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正・マニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。

「左様」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「左様」の意味と使い方、また類義語との違いを解説していきましょう。

「左様」の意味は?

まず、「左様」を辞書で引くと以下のような意味があります。

そのとおり。そのよう。そう。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)

つまり、「相手の言っていることがその通りであるとして肯定する」、もしくは「(相手が言った内容を受けて)そのようなこと」であることを表すときに使われます。

因みに、同じ「左様」という表記を「ひだりざま」と読むこともできますが、この場合の意味は「正しいことに反すること」です。

読み方によって全く違う意味になりますので注意しましょう。

「左様」の使い方・例文

次に、「左様」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

時代劇でお侍さんが「左様でござる」などと言っているシーンがよく出てきますが、これは古い表現なので、現代で使うことはまずありませんね。

現代用語では、「左様です」「左様でございます」「左様な~」などと使うことが多いです。「です」と「ございます」はどちらも丁寧語ですが、「ございます」の方がよりかしこまった印象を与えることができます。

上司やお客様など目上の人との会話や、ビジネスメールなど、あらたまった場面において使われることが多く、たとえば以下のように用いることができるでしょう。

1. 肯定・賛同を表すとき

「それでは、荷物は明日届くということで間違いないですね?」「はい、左様でございます」

2. 相槌を打つとき 

「ボランティア活動に参加したいのですが、履歴書を持ってくるのを忘れてしまいました。」「左様ですか。それではこちらに必要事項をご記入ください。」

3. 何かを指す「それ」「そう」を丁寧に表したいとき

「申し訳ございませんが、左様なご質問にはお答えできかねます」

「左様に存じております」

「左様」の類義語

次に、「左様」の類義語について見ていきましょう。

類似した言葉として、以下のようなものが挙げられます。

通り

それと同じ状態・方法であること。

出典:精選版 日本国語辞典(発行所 株式会社小学館)

つまり、「(相手が言った言葉などと)同じ様子ややり方であること」を表し、以下のように用いることができます。

「この資格試験は難易度が高いと聞いていたが、本当にその通りだった」

「誠にお客様のおっしゃる通りでございます」

そう

同様に、「左様」の類語として「そう」も挙げられます。

そのように。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)

つまり「(前に相手が言った言葉などを受けて)そのような状態」であることをいい、以下のように用います。

「私もそう思います」

「君がそう思うなら、それで良いだろう」

ごもっとも

相手に対して同意を表したい時に、「左様です・左様でございます」の代わりに「ごもっともです・ごもっともでございます」と言うこともできます。

「ごもっとも」は漢字で「御尤も」と書き、相手の言い分が道理であると肯定する「もっとも」をより丁寧に言う言葉です。

たとえば、クレーム処理の場面で、相手に対して「誠にごもっともです」などと使えば、相手の主張に共感し、意見を全面的に受け入れる姿勢を表し、興奮している相手の感情を抑えるよう働きかけることができます。

ただし、「一見すると道理にかなっているようだが」という批判・皮肉の気持ちを込めたニュアンスで用いられることもありますので、使うときには注意が必要です。

【クレーム対応で使う場合】

「お客様のお怒りはごもっともです。この度は大変申し訳ございませんでした。」

 

【皮肉を込めたニュアンスで使う場合】

「あなたの言い分はごもっともだが、現実はそう甘くはありませんよ。」

 

挨拶の「さようなら」は「左様なら」

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人と別れるときに使う「さようなら」という挨拶は、漢字で書くと「左様(然様)なら」となり、辞書で引いてみると、以下のように解説されています。

一、 (接)それなら。それでは。

二、 (感)<さようならば、これで別れましょうの意>別れのあいさつに用いる語。さよなら。

出典:大辞泉(発行所 株式会社小学館)

元々、接続語として用いる場合の「さようなら」という言葉は、「それでは・それならば」という意味でした。

つまり、別れるときに「さようならば(=それでは)、これにて御免」のような言い方をしていたものが、省略されて「さようなら」という言葉だけで挨拶としての意味を持つようになったのです。

「左様」があるなら「右様」もあるの?

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「左様」があるなら「右様(うよう)」という言葉も存在するのでしょうか?

「左様」という言葉は、元々は「然様(さよう)」と書かれていました。「然」は「前述の発言を受けてその内容を指す言葉」つまり「その通り」「そのまま」という意味があります。

つまり現在用いられている「左様」という表記は宛字なので、左右の左ではありません。

したがって、「右様」という言葉は存在しません。

シチュエーションに応じて上手に「左様」を使おう

以上、「左様」の意味と使い方・類義語などをまとめました。

この言葉は「その通り、そのよう」であることをいい、たとえば会話で相手が言ったことに同意を示す場合や、相槌を打つ場合、直前に出てきた事柄を指して「そのような様子」であることをいう場合に、「左様でございます」「左様ですか」「左様な~」などの形で用いられています。

また近い意味の言葉として「その通り」「そう」といった語が挙げられ、これらも会話で相手が言った言葉を肯定する時などに「その通りです」「そう思います」といった形で用いることができる点は「左様」と同様です。

同じような意味を持つこれらの言葉ですが、「左様(でございます)」は主にビジネスの場面などや、メールの文章で使う丁寧な表現ですので、場合によっては堅苦しく仰々しい印象を与えてしまう可能性もあります。

シーンに応じて、「その通り」「そう」などと適切に言葉を使い分けられると良いですね。

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