「生業」(読み方:「なりわい・せいぎょう」)という言葉は、「~を生業とする」などの形でよく用いられています。

この言葉は、何となく耳にしたことがあるという程度の方が多いかもしれません。あまり日常の中で頻繁に使う言葉ではなく、具体的にはどのようなことを表すのか、また似た意味の「職業」という言葉とはどのような違いがあるのか、疑問を抱く場合もあるでしょう。

そこで、ここでは「生業」の意味と使い方、また「職業」との違いを「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「生業」の意味や語源・英訳・使い方

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それでは、以下に「生業」の意味や語源、英訳や使い方ついて説明していきます。

#1 「生業」の意味は?

まず、「生業」の意味を見ていきましょう。「生業」には以下のような意味があります。

【1】生計を立てていくための仕事。すぎわい。
【2】農耕に従事すること。また、農作物。

出典:大辞林第三版「生業」

つまり、「世の中での暮らしを立てるための仕事」を表す言葉となっています。

#2 「生業」の語源は?

次に、「生業」の語源について見ていきましょう。

本来、「生業」という言葉は農業に由来した言葉です。生きていくために農作物を育てることが日々の務めであった時代に、農業のわざ(業)が必要だったことを表しています。このことから、今では「日々の生活をしていくための仕事」という意味で理解されている言葉です。

「生業」が「生きていくための業(わざ)」から由来したことを考えると、その時代、生き伸びるために人が必死に毎日農業をしていた状態をイメージできますね。時が流れ、「生きがいのある仕事に就きたい」と言える今の時代は、自分の気持ちを尊重しながら生活していくことができる、とても恵まれた時代なのかもしれません。これからの未来も、時代とともに働き方はどんどん変わっていくかもしれないですね。

#3 「生業」を英訳すると?

次に、「生業」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。この言葉を英語で表現すると、以下となります。

●occupation
●a living

「occupation」は、「What is your occupation?(あなたの職業は何ですか?)」などと用いられ、少し堅苦しい場面で用いられる表現です。日常会話の中などで、もう少しフランクな表現で用いる場合には「What do you do for living?(仕事は何をしてるの?)」などの表現となります。

 

#4 「生業」の使い方・例文

次に、「生業」の使い方を例文を使って見ていきしょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「「職業」との違い」を解説!/

「和菓子屋が減少傾向にある中、彼の子供は家業を継いで製菓業を生業とすることを決めた」
「彼は生業の米作りに日夜勤しんでいた」
「代々医業を生業とする家系に生まれた彼は、地元で開業医として活躍している」
「彼の家は代々旅館業を生業として今に至っている」
「彼は酒造りを生業とする家に生まれ、現在は家業を継いで新しい日本酒のブランド開発に奔走している」
「梅やみかんを作ることを生業としている義理の両親から、毎年おいしい果実酒が送られてくる」

「生業」は、「生活をしていくために必要な仕事」を表した言葉です。また、この言葉の本来の意味でもある「農作業を行う」という意味もあります。この語は、「~を生業としている」などの形で用いることができる言葉です。

「職業」との違い

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次に、「生業」と似た意味のある言葉として、「職業」があります。ここでは「職業」との違いについて見ていきましょう。まず、「職業」には以下の意味があります。

くらしを立てるために日常従事するしごと。なりわい。

出典:精選版 日本国語大辞典「職業」

つまり、「生業」とほぼ同じで意味で、「生活のために日々従事する仕事」を表した言葉です。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼の職業は会社員だが、奥さんは看護師だそうだ」
「君は大学を卒業したら、将来どのような職業に就きたいの?」
「彼女は必要な知識と経験を積み、念願の職業に就いた」
「最近では、ネット関連事業の職業を希望する若者が増えた」
「広告業界に勤める彼は、職業柄ついつい目に入る文構成を、無意識のうちにチェックしてしまう癖がある」

\次のページで「「生業」を使いこなそう」を解説!/

つまり、「生業」は「生活を営むための仕事」を、「職業」は「生計を立てるために携わる仕事」と、どちらもほとんど同じ意味を表した言葉です。
しかし、「職業」が企業に勤める会社員のような雇われて就く仕事を含め、一般的な幅広い仕事の種類についていう場合に用いられるのに対し、「生業」は主に家業として行っている仕事の内容についていう場合に用いられるという違いがあります。

「生業」と「職業」は、どちらも「日々の生活を営むための仕事」を意味しています。しかし、「生業」は主に家業として行っている仕事について、「職業」は会社員などを含めた一般的な幅広い仕事についていう場合に用いられる言葉です。これらの言葉は、同じような意味を表した言葉ですが、微妙にニュアンスが異なるため、状況に応じて使い分けるように注意しましょう。

「生業」を使いこなそう

以上、「生業」の意味と使い方、「職業」との違いについてまとめました。この言葉は「生活をしていくための仕事」を表しており、「~を生業にする」などの形で用いられています。

また「職業」についても同じように「生計を立てるために従事する仕事」を表した言葉です。しかし、この言葉は会社員などの雇用されるものを含めた仕事・職の種類について表す場合に使い、一方、「生業」は主に家業など自営業として行っている仕事について表す場合に用いられます。

これらの言葉は、それぞれ同じような意味を表しますが、使い方が異なるため、状況に応じて使い分けると良さそうです。

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言葉の意味

「生業」の意味や語源・英訳・使い方・「職業」との違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「生業」(読み方:「なりわい・せいぎょう」)という言葉は、「~を生業とする」などの形でよく用いられています。

この言葉は、何となく耳にしたことがあるという程度の方が多いかもしれません。あまり日常の中で頻繁に使う言葉ではなく、具体的にはどのようなことを表すのか、また似た意味の「職業」という言葉とはどのような違いがあるのか、疑問を抱く場合もあるでしょう。

そこで、ここでは「生業」の意味と使い方、また「職業」との違いを「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「生業」の意味や語源・英訳・使い方

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それでは、以下に「生業」の意味や語源、英訳や使い方ついて説明していきます。

#1 「生業」の意味は?

まず、「生業」の意味を見ていきましょう。「生業」には以下のような意味があります。

【1】生計を立てていくための仕事。すぎわい。
【2】農耕に従事すること。また、農作物。

出典:大辞林第三版「生業」

つまり、「世の中での暮らしを立てるための仕事」を表す言葉となっています。

#2 「生業」の語源は?

次に、「生業」の語源について見ていきましょう。

本来、「生業」という言葉は農業に由来した言葉です。生きていくために農作物を育てることが日々の務めであった時代に、農業のわざ(業)が必要だったことを表しています。このことから、今では「日々の生活をしていくための仕事」という意味で理解されている言葉です。

「生業」が「生きていくための業(わざ)」から由来したことを考えると、その時代、生き伸びるために人が必死に毎日農業をしていた状態をイメージできますね。時が流れ、「生きがいのある仕事に就きたい」と言える今の時代は、自分の気持ちを尊重しながら生活していくことができる、とても恵まれた時代なのかもしれません。これからの未来も、時代とともに働き方はどんどん変わっていくかもしれないですね。

#3 「生業」を英訳すると?

次に、「生業」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。この言葉を英語で表現すると、以下となります。

●occupation
●a living

「occupation」は、「What is your occupation?(あなたの職業は何ですか?)」などと用いられ、少し堅苦しい場面で用いられる表現です。日常会話の中などで、もう少しフランクな表現で用いる場合には「What do you do for living?(仕事は何をしてるの?)」などの表現となります。

 

#4 「生業」の使い方・例文

次に、「生業」の使い方を例文を使って見ていきしょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「「職業」との違い」を解説!/

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