「一助」(読み方:「いちじょ」)という言葉は、「~の一助となる」「~の一助を担う」などの形でよく用いられています。

何かの助けになるという意味で使われている言葉ですが、具体的にはどのようなことを表すのか、また他に近い意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「一助」の意味と使い方、また類義語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「一助」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、「一助」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「一助」の意味は?

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まず、「一助」には以下のような意味があります。

少しの助け。何かのたし。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「一助」

つまり「一助」とは、「程度の少ない助け、何かの補いとして役立てられるわずかな助け」を表す言葉です。

「一助」の使い方・例文

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次に、「一助」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は被災地復興の一助を担うべくボランティア活動に参加した」

「ここでのインターンシップの経験が今後の就職活動の一助となれば幸いです」

「地域活性化の一助として名物料理の開発に取り組む」

「その自治体は過疎化防止の一助とするべく雇用の創出や住宅の整備に着手した」

実際には大きな助けであったとしても、謙遜する意味で「小さな助け」という意味で「一助」を使います。

目上の人との会話やメールなどで、へりくだりつつ自分ができることをアピールできる表現です。就職活動の際にも「一助になりたいと存じます」のような形で使うことができます。

「一助」の類義語

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次に、「一助」の類義語について見ていきましょう。

「一助」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものが挙げられます。

\次のページで「「力添え」」を解説!/

「力添え」

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まず、「力添え(ちからぞえ)」には以下の意味があります。

力を貸すこと。手助けをすること。助力。援助。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「力添え」

つまり「力添え」とは、「他人の仕事などを手伝う、困った状況にある人を助けること」を表し、「協力」「助力」「援助」「手助け」などの言葉と言い換えることが可能です。

「お力添え」の形で、「お願いする」「感謝する」「謝罪する」場面で使われます。相手からの助けに対して用いられ、自分の行いに対しては使うことができません。ですから、「お力添えになることができたらと思います」というのは間違いで、「お力になることができたらと思います」とするのが正しい言い方です。

「力添え」は、次のように用いることができます。

「友人の力添えを受けて無事に就職先を決めることができた」

「是非ともお力添えを賜りたく何とぞよろしくお願い申し上げます」

「これもひとえに、〇〇様のお力添えがあってこその成果です」

「この度はお力添えいただいたにも関わらず、このような結果となってしまいましたことを深くお詫び申し上げます」

「助力」

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次に、「助力(じょりょく)」には以下の意味があります。

他人の仕事・活動などに力を貸すこと。手助け。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「助力」

つまり「助力」とは、「他人の仕事や活動の手助けをすること」を表す言葉です。

「ご助力」の形で、誰かにお願いする場合、相手からの手助けに対してお礼を言う場合に、次のように使うことができます。

\次のページで「「支援」」を解説!/

「皆様のご助力のおかげで、無事開店の日を迎えることができました」

「海外移住のためのビザ取得にあたって現地にいる友人の助力を得る」

「次回のイベントの際にもご助力いただければ幸いです」

 

「支援」

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「支援(しえん)」には、次のような意味があります。

他人を支えたすけること。援助。後援。

出典:三省堂「支援」

「支援」とは、「力を貸して助ける」ことを表し、「ご支援」の形で相手に何かをお願いする場合、感謝する場合、謝罪する場合に使います。

「ご支援」は相手が目上でも目下でも使える表現ですが、主に取引先や顧客などに対して使う機会が多いでしょう。

「支援」は、次のような使い方をすることができます。

「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご支援のほどよろしくお願いいたします」

「今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます」

「この度、無事に10周年を迎えることができましたのも、ひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます」

「いつもご支援くださいまして誠にありがとうございます」

「協力」

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「協力(きょうりょく)」は、次のような意味を持つ言葉です。

力を合わせて事にあたること。

出典:小学館「協力」

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「協力」は「ともに力を合わせて取り組む」ことを表し、「ご協力」の形で、相手に何かを依頼するときに使う言葉です。

「協力」を用いた例文は次のようになります。

「講演中は携帯電話の電源をお切りください。皆様のご理解とご協力をお願いいたします」

「この度はお忙しい中アンケートにご協力いただきまして、誠にありがとうございます」

「尽力」

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「尽力(じんりょく)」は、次のような意味を持つ言葉です。

ある目的の実現のために、力を尽くすこと。

出典:小学館「尽力」

「尽力」とは「力を尽くす」の文字通り、精一杯の努力をする意味合いが含まれています。

自分の行動に対しても使えますし、「ご尽力」の形で目上の人の行動に対して感謝する場合にも使える表現です。

「この度は〇〇様のご尽力のおかげで成功をおさめることできました。深く感謝申し上げます」

「これもひとえに皆様方のご尽力の賜物と心から感謝いたします」

人の助けになる意味の言葉を使い分けよう

以上、「一助」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

この言葉は「少しの助け」、つまり直接何かの解決につながるような大きな助けではなく、程度の少ない助けや、ある物事の不足している部分を一部補う形で役立つわずかな助けになることをいい、「~の助力となる」「~の助力を担う」といった形で用いられています。

また、近い意味としては「力添え」「助力」といったものがありますが、これらは他人の仕事や活動などを手助けもしくは援助する、また逆に手助けや援助を受ける場合に用いることができる言葉です。

それぞれニュアンスは異なりますが、人の仕事や活動、もしくは足りていないものを補うなど、何らかの助けとなるものなどについていう場合に用いることができるため、場面に応じて適度に使い分けると良いでしょう。

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言葉の意味

「一助」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「一助」(読み方:「いちじょ」)という言葉は、「~の一助となる」「~の一助を担う」などの形でよく用いられています。

何かの助けになるという意味で使われている言葉ですが、具体的にはどのようなことを表すのか、また他に近い意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「一助」の意味と使い方、また類義語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「一助」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、「一助」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「一助」の意味は?

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まず、「一助」には以下のような意味があります。

少しの助け。何かのたし。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「一助」

つまり「一助」とは、「程度の少ない助け、何かの補いとして役立てられるわずかな助け」を表す言葉です。

「一助」の使い方・例文

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次に、「一助」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は被災地復興の一助を担うべくボランティア活動に参加した」

「ここでのインターンシップの経験が今後の就職活動の一助となれば幸いです」

「地域活性化の一助として名物料理の開発に取り組む」

「その自治体は過疎化防止の一助とするべく雇用の創出や住宅の整備に着手した」

実際には大きな助けであったとしても、謙遜する意味で「小さな助け」という意味で「一助」を使います。

目上の人との会話やメールなどで、へりくだりつつ自分ができることをアピールできる表現です。就職活動の際にも「一助になりたいと存じます」のような形で使うことができます。

「一助」の類義語

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次に、「一助」の類義語について見ていきましょう。

「一助」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものが挙げられます。

\次のページで「「力添え」」を解説!/

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