
「夕映え」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
もし、この言葉をご存知ない方でも「夕暮れ」、「夕焼け」といった<太陽が沈む時間>を表す言葉であることは、イメージできるのではないでしょうか。
この言葉は情景を表現する場合に使うことができる言葉ですが、その他の似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くこと方があるかもしれません。
一瞬一瞬変化に富んだ「太陽」が生み出すマジックアワー「日没」。比例して日没時間の日本語表現はとても多彩です。
ここでは「夕映え」の具体的な意味、ポイントや、類義語をご紹介しながら、同じ日没の情景を表す言葉との使い分けも整理していきましょう。
「夕映え」の意味とは?
まず、「夕映え」には以下のような意味があります。
夕日の光を受けて物が美しく見えること。また、夕日に照りかがやく姿。
夕日に空が赤く染まること。夕焼け。
出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「夕映え」
夕日に反映して物の色が照り輝くこと。また夕焼け
薄暗い夕方頃、かえって物の色があざやかに美しくはえること。
出典:大辞林 第三版(発行所 株式会社小学館)「夕映え」
つまり、「夕焼け」と同義に使うことが可能です。具体的には「日の暮れるころの太陽の光を受けて、辺りの物が美しく見えることや明るく輝く様子」を意味しているというのが一点。さらには、「日が傾いて薄暗くなった夕方にかえって物の色があざやかに美しくみえること」を表す語ということを留意しておきましょう。一見、赤く色づいた情景に限って思い浮かべてしまいがちですが、東の空に見える夕暮れ時の薄暗い世界にある美しさも「夕映え」で表現できます。
太陽の光が周りを照らすことは、明るくものを見えやすくなるというのはもちろんでしょう。しかし、光を反射するものなど、日が高く照っている時にはくっきりと見えないものもあります。「暗」によってその姿の美しさを確認できる情景が「夕映え」と表現できることを覚えておきましょう。
「夕映え」の使い方・例文
次に、「夕映え」の使い方をご説明します。
まずは例文を見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「夕映えの幻想的な空の下を一人歩いていると、どこか切なく人恋しい気持ちになる」
「夕映えに包まれた街を無邪気に駆け抜けていく子どもたちの姿は、幼少期への郷愁を呼び起こした」
「眼前には赤く染まった夕映えの空が壮大なまでに広がり、これまでに見たどの風景と比べても際立った美しさを見せていた」
「真っ赤な夕日と夕映えに輝く海と雲、そしてその中に浮かび上がる木々のシルエットが辺り一面に幻想的な風景を作り出していた」
「町内放送が聞こえてきて辺りを見回すと、夕映えを受けた山の稜線が美しく、一瞬時が止まった」
「夕映えの街路樹は、葉が落ちきったその枝ぶりさえ美しい」
「道行くランナーの夕映えが、スローモーションのように目の前を流れた」
夕映えは「夕日(夕暮れ時)に(で)映える」と読み下すことができるでしょう。つまりこのシーンの主役は、「夕日」や「時間」」ではなく照らされている「対象物」ということが言えます。
文章を作る際には、主役となる照らされているもの明記するようにしましょう。
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