「一興」の意味と使い方・例文・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
比較的よく耳にする語ではありますが、具体的にはどのようなことを表しているのか、また他に似た意味のある語にはどのようなものがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは「一興」の意味と使い方、また類義語にあたる語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「一興」の意味は?
まず、「一興」には以下のような意味があります。
一つの楽しみ。また、ちょっとした興趣。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「一興」
つまり、この語は「ある種の楽しみや物事における面白み」を表す語となっています。
また、「一興」は、古くは形容動詞として「一興なり」の形で使われており、文献においては「風変わりなこと」といった意味で使われていることもあるとのこと。
そして、「興」は「楽しみ、面白み」という意味を持っているため、「一興」は「一つの面白み」という意味となり、前の漢字が後の漢字を修飾する形で構成されている熟語であると言えるでしょう。
「一興」の使い方は?
次に、「一興」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「ついうっかりと一駅乗り過ごしたが、これも一興とそのまま降りて散歩がてら歩いて帰ることにした」
「友人が急用で来られなくなりそのまま帰ろうかとも思ったが、これはこれで一興と一人で映画を見に行くことにした」
「寒い中で飲むのも一興と、刻々と降り積もる雪を眺めながら鍋と熱燗で雪見酒と洒落込んだ」
「妻が帰省する間の家事一切を引き受けることになりどうしたものかと思ったが、これもまた一興と見方を変え、まずは男料理に興じることにした」
「こんな夜は坂の多いこの町を、車に乗らずにぶらつくのもそれなりに一興だ」
「訪れた旅館は民宿に近い造りで、スリガラスの格子戸をがらがらと音をたてて開けるのもまた一興だった」
「波打ち際の岩場のあたりには蟹や小魚がたくさん住みついていて、それを追うのも意外と一興だった」
「剣客同士、泊り合せた湯の宿で、酒でも飲みながら剣談を交わして語り合うのも一興と思ったからである」
「一興」の類義語は?
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それでは、次は「一興」の類義語・類語について見ていきましょう。
まず、「一興」の類義語には以下のような語があります。
「興(きょう)」:面白いこと、面白み。座興。
「興趣(きょうしゅ)」:味わいのある、おもしろみ。
「余興(よきょう)」:宴席などでさらに面白みを添えるために行う演芸。
「座興(ざきょう)」:宴会などで、場を愉快なものにするために行う遊戯や芸。その場限りの冗談や戯れ。
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