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「わび・さび」の意味と使い方・例文・「わび」「さび」の違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「わび・さび」(漢字では「侘・寂」)という言葉は、「わび・さびを感じる」「わび・さびがある」などの形でよく用いられています。

日本の独自の美意識でしたが、今では世界中に日本庭園や茶道の愛好家が多く、「wabi」「sabi」は世界共通の国際語と言えるでしょう。
しかしながら、この言葉が具体的にどのようなことを表すのか、もしくは「わび」「さび」それぞれの語にはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

日本人だからこそ、定義せずとも味わい楽しむことをしてきた方もいるかもしれませんが、国際社会の一員として、説明できるようになっておきたいものです。
ここでは「わびさび」の意味と使い方、「わび」「さび」の違いを確認していきましょう。

#1 「わび・さび」の意味(「わび(侘び)」「さび(寂び)」の違い)

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それでは、以下に「わびさび」の意味と使い方、また類義語との違いを説明します。

「わび・さび」の意味

まず、「わび・さび」と検索してみると、以下のような意味がヒットします。

わび・さび(侘・寂)は、日本の美意識の一つ。一般的に、質素で静かなものを指す。本来侘と寂は別の概念であるが、現代ではひとまとめにされて語られることが多い。

出典:Wikipedia「わび・さび」

「わび・さび」は一般的に「派手さや飾り気のない静かなもの」「質素で静寂に包まれた空間や物事」をいいます。

「わび(侘)」と「さび(寂)」という異なる意味の二つの語を合わせて作られたという言葉だということも上記の解説で分かりますが、「わび(侘び)」「さび(寂び)はどういう意味を持ち、一般的に使われるような意味を成すに至ったのでしょう。

以下にそれぞれの意味を詳しく説明していきます。

#1 「わび(侘び)」の意味

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「わび(侘び)」には以下のような意味があります。

〔動詞「侘びる」の連用形から〕

飾りやおごりを捨てた、ひっそりとした枯淡な味わい。

茶道・俳諧の理念の一つ。閑静な生活を楽しむこと。

落胆。失意。つらく思うこと。 

出典:大辞林 第三版(発行所 三省堂株式会社)「侘」

 

茶道・俳諧などの美的理念で、閑寂・質素の中に見いだされる枯淡の趣。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「侘」

「わび」という言葉は万葉集にも登場しますが、美意識として記録に残されているのは江戸時代から。もとは室町時代中期に「小さな草庵の座敷で、粗末な道具を用いて行う」茶会が始まり、千利休によって大成化された茶の湯の基本概念が「侘び」(「簡素さや不足を受け入れ、それ自体を楽しもうとする」精神を指した言葉)です。その後茶道に限らず、ひっそり、あっさりとした中にある趣や味わいを大切にし、また閑静な生活を楽しむという日本文化の支柱のひとつとなり、他の日本文化や芸術作品にも影響を与えいきました。

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