「あながち」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
数量・程度が少ないさま。少し。幾らか。自己の事柄については謙遜を、他者の事柄については婉曲を表し、「かなり」の意で用いられることがある。
出典:三省堂「聊か・些か」①
「いささか」は、万葉仮名の時代からある古い言葉で、「ちょっと」「わずかに」という、気持ちや物の数量や程度を主体的に表します。
ビジネスの場面で「ちょっと」などの表現を使うと、軽くて子どもっぽい印象を与えてしまいますが、「いささか」だと自分の感情を控えめに伝えることができる言葉です。
自分の自信があることを話すときに謙虚さを出すため、「かなり」自信があることでも「いささか」自信がある、という言い方を表現することができます。
「いささか」を使った例文は次の通りです。
「留学の経験がありますので、英語にはいささか自信があります」
「あなたの今日の服装は、いささか華やかですね」
「あながち」の対義語
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「あながち」の反対の意味を持つ言葉には、
「絶対に~ない」
「必ず~である」
「すべてにおいて~である」
「一律~である」
などがあります。
「あながち」の英語表現
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「あながち」を英語で表す場合には、「not necessarily」「not exactly」「not altogether」「not always」 などが使えます。
「It is not always bad meaning.」の和訳は「それは必ずしも悪い意味ではない」ということです。
「あながち」は100%ではないときに使おう
以上、「あながち」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。
この言葉は、ある事柄について全面的にそれが事実だとはっきりと判断できない気持ちを表し、後に否定語を続けて「あながち~ではない」という形で用いられています。
また、近い意味の語には「一概に」「まんざら」といったものがあり、これらも後に否定形を伴って用いる表現です。
そして、この場合にはそれぞれ「細かい部分をすべてまとめて同じように判断する様子」(例文でいうと、製品によってピンキリにもかかわらず「価格の安い製品」と一括りにしてすべてを同じように考えて判断すること)、「必ずしも(~ではない)」(ある物事が絶対にそうと決められないこと、むしろその逆であることを認めるニュアンスを含む)をいいます。
それぞれニュアンスは異なりますが、これらの言葉はある事柄について、それがすべてにおいて100%真実だとは決めつけられない、そうとは判断できないこと、その気持ちについていう場合に用いることができるため、その場面に応じてふさわしいニュアンスの言葉を使い分けると良いでしょう。