「黙々」(読み方:「もくもく」)という言葉は、「黙々と~する」「黙々と~をこなす」などの形でよく用いられています。

さまざまな場面でよく使われる言葉ではありますが、具体的にはどのような意味を持っているのか、言い換え可能な言葉にはどのようなものがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「黙々」の意味と使い方、また類義語にあたる言葉などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「黙々」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「黙々」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「黙々」の意味は?

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まず、「黙々」には以下のような意味があります。

だまっていること。また、だまって仕事に励むさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「黙黙」

「黙々」は、「物を言わないことや、話をせずに熱心に仕事をする様子」を表す言葉です。

「黙」は「ものを言わない」「黙る」の意味があり、同じ漢字を重ねることでその意味を強調しています。

「黙々」の使い方・例文

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次に、「黙々」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「ファミリーレストランの一席に陣取った彼は、学校帰りの高校生たちの派手なお喋りを余所に一人黙々と勉強をしていた」
「彼は自席で黙々と食事を取り、そして食べ終わるや否や仕事に戻った」
「彼はいつも黙々と作業をこなし、定時になるとさっさと帰っていった」
「神業を思わせる細かい手作業に黙々と集中する職人の姿を見て静かな感動を覚える」

「黙々」の類義語

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では次に、「黙々」の類義語について見ていきましょう。

「黙々」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものが挙げられます。

「無言」

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まず、「無言(むごん)」には以下の意味があります。

物を言わないこと。口をきかないこと。沈黙を守ること。むげん。

出典:精選版 日本国語大辞典「無言」

つまり、「口を利かないこと」を表し、以下のように用いることができます。

\次のページで「「ひたむき」」を解説!/

「彼は終始無言で新聞に目を通していたが、話はしっかりと聞いていた」
「彼女はずっと無言で皿洗いをしていたが、それが返って怒りの大きさを表していた」

「ひたむき」

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次に、「ひたむき」には以下の意味があります。

一つの物事に熱中するさま。いちずなさま。ひとむき。

出典:精選版 日本国語大辞典「ひたむき」

つまり、「一つの物事にだけ集中する、打ち込むこと」を表し、以下のように用いることができます。

「彼は大きな情熱を持って、ひたむきにその研究に打ち込んだ」
「彼は今年中にその試験に合格すると思い定め、ひたむきに勉強をしていた」

「黙々」と似た響きを持つ言葉

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「黙々」と似た響きを持つ言葉には、「淡々」「粛々」があります。これらの言葉の違いについて見ていきましょう。

「淡々」

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「淡々(たんたん)」が持つ意味は、次の通りです。

1 色・味・感じなどが、あっさりしているさま。淡泊なさま。
2 態度・動作などが、あっさりしてこだわりがないさま。

出典:小学館「淡淡/澹澹」

「淡々」には、「あっさりしていて淡泊なさま」「態度や行動があっさりしていてこだわりがないさま」という意味があります。

人の態度や様子に対して、しつこさやこだわりがない様子を表す言葉です。

あまり感情の起伏がなく、冷静で落ち着いていることを「淡々としている」といいます。

「淡々と」を使った例文は、次の通りです。

\次のページで「「粛々」」を解説!/

「大きなトラブルに見舞われたとき、皆が慌てる中、彼だけは淡々と自分の業務を進めていた」

「弟はいつも淡々とした話し方をするので、何を考えているのかわからないと人から言われている」

「粛々」

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「粛々(しゅくしゅく)」には、次のような意味があります。

1 ひっそりと静まっているさま。
2 おごそかなさま。厳粛なさま。威厳をもって物事を行うさま。

出典:小学館「粛粛」

 

「粛々」は、「しずかなさま」「おごそかなさま」を表す言葉です。

「粛」には「つつしむ」「おごそか」「身が引き締まるほど厳しい」という意味があります。

「粛々」は、冠婚葬祭などの身を引き締めて執り行われるようなシーンで使われることの多い言葉です。

例えば、次のような使い方をします。

「式は粛々とした雰囲気の中で進められた」

「この件につきましては、ご意見を真摯に受け止め、自分のやるべきことを粛々と行ってまいります」

「黙々」「淡々」「粛々」の違いは?

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「黙々」「淡々」「粛々」の違いを端的にまとめると、次のようになります。

黙々:ただ黙って何かをし続けること

淡々:感情の起伏がなく、冷静な様子

粛々:重要な場面で身を引き締めて行われる様子

「黙々」の対義語

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「黙々」の対義語には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

 

「横着」

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「横着(おうちゃく)」は、次のような意味を持つ言葉です。

1 すべきことを故意に怠けること。できるだけ楽をしてすまそうとすること。また、そのさま。
2 わがままで、ずうずうしいこと。ずるいこと。また、そのさま。

出典:小学館「横着」

\次のページで「「騒々しい」」を解説!/

「横着」は、「すべきことを故意に怠けて楽をしようとすること」を表す言葉です。

「横」には「枠をはみ出るさま」「身勝手な振る舞い」の意味が、「着」には「おさまる」「落ち着く」の意味があり、「横着」で「身勝手な状態におさまっている」ということになります。すべきことをわかっているのに怠けているという状態です。

「横着」の例文は、次のようになります。

「あの人は時間があるはずなのに部下に仕事を押し付けるなんて、本当に横着者だ」

「分からない言葉があったら、横着しないでちゃんと辞書を引きなさい」

「騒々しい」

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「騒々しい(そうぞうしい)」は、次のような意味を持つ言葉です。

物音や人声が多くてうるさい。さわがしい。

出典:小学館「騒騒しい」①

「騒々しい」は、「声が大きく騒がしい」状態を表す言葉で、次のような使い方をします。

 

「そのオフィスは騒々しくて、仕事がはかどるのだろうかと疑問に思う」

「電車の中は静かだったが、その団体が乗り込んできてから一気に騒々しくなった」

「黙々」「無言」「ひたむき」をうまく使い分けよう

以上、「黙々」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

「黙々」は「物を言わないこと、黙って仕事に励む様子」を表し、「黙々と~する」(黙ったままその作業を続ける)「黙々とこなす」(黙って物事を処理する、物事をやり遂げる)といった形で使われる言葉です。

また近い意味の語には「無言」「ひたむき」などが挙げられ、単純に「物を言わないこと」や「ただ一つの物事に集中すること」をいいます。

これらの言葉はそれぞれニュアンスが異なりますが、「(言葉を発さず)仕事などに集中する、熱心に行う」「物を言わずに何らかの行動をする、物事をし続ける」といった場面で用いることができるので、状況によって適度に使い分けるようにしておくと良いですね。

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言葉の意味

「黙々」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「黙々」(読み方:「もくもく」)という言葉は、「黙々と~する」「黙々と~をこなす」などの形でよく用いられています。

さまざまな場面でよく使われる言葉ではありますが、具体的にはどのような意味を持っているのか、言い換え可能な言葉にはどのようなものがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「黙々」の意味と使い方、また類義語にあたる言葉などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「黙々」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「黙々」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「黙々」の意味は?

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まず、「黙々」には以下のような意味があります。

だまっていること。また、だまって仕事に励むさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「黙黙」

「黙々」は、「物を言わないことや、話をせずに熱心に仕事をする様子」を表す言葉です。

「黙」は「ものを言わない」「黙る」の意味があり、同じ漢字を重ねることでその意味を強調しています。

「黙々」の使い方・例文

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次に、「黙々」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「ファミリーレストランの一席に陣取った彼は、学校帰りの高校生たちの派手なお喋りを余所に一人黙々と勉強をしていた」
「彼は自席で黙々と食事を取り、そして食べ終わるや否や仕事に戻った」
「彼はいつも黙々と作業をこなし、定時になるとさっさと帰っていった」
「神業を思わせる細かい手作業に黙々と集中する職人の姿を見て静かな感動を覚える」

「黙々」の類義語

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では次に、「黙々」の類義語について見ていきましょう。

「黙々」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものが挙げられます。

「無言」

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まず、「無言(むごん)」には以下の意味があります。

物を言わないこと。口をきかないこと。沈黙を守ること。むげん。

出典:精選版 日本国語大辞典「無言」

つまり、「口を利かないこと」を表し、以下のように用いることができます。

\次のページで「「ひたむき」」を解説!/

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