
「奇遇」の意味と使い方・例文・「偶然」との違いは?新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
置き換えて比較
「偶然」の内容を「出会い」に限定すれば、「奇遇」と同じことが表現できます。しかし、そのままストレートに置き換えて、ニュアンスに変化はないのでしょうか。試しに置き換えて比較をしてみましょう。
「奇遇」:奇遇にも彼は同じ飛行機に搭乗しており〜
「偶然」:偶然にも彼は同じ飛行機に搭乗しており〜
大意に変化はありませんが、「不思議な縁」というイメージに引っ張られているせいか、「奇遇」ではどこか運命的な巡り合わせを感じさせるような気がしますが、いかがでしょうか。
場面によって使い分けを
以上、「奇遇」の意味と使い方、「偶然」との違いについて、説明してきました。
この言葉は「思いがけず出会うこと」「不思議な縁で巡り合うこと」を表す言葉です。知り合いと予期せずばったりと出会ったときなど、相手や時間、場所を含めた広い意味で「思いがけない」要素がある場合に用います。また、人と人だけではなく、人と現象との出会いについて表現した用例もありました。
「偶然」は「予測していないことが起こること。思いがけないさま」を表し、たまたま起こった事柄のみに焦点を当てた言葉です。したがって、何が思いがけなかったのかを説明する必要があるでしょう。
使い方によっては同じ意味のことを表現できますが、少しニュアンスは異なるので、場面によってうまく使い分けるとよいのではないでしょうか。