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「捲土重来(けんどちょうらい)」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「捲土重来」(読み方:「けんどちょうらい」)という言葉は、「捲土重来を期する」などの形でよく用いられています。

スポーツの宣誓や小説など、耳にしたり目にしたことがあるかもしれません。しかしながら、日常会話で使うことは稀ではないでしょうか。
この言葉が具体的にどのようなことを表すのか、他に似た意味のある語にはどのようなものがあるのか、言い換えるとすればどう表現するのが適切かなど、疑問が浮かぶこともあるかもしれません。その由来、成り立ちなどを理解することが重要です。

そこで、ここでは「捲土重来」の意味と使い方、また類義語にあたる語についてまとめ、理解を深めていきましょう。

「捲土重来(けんどちょうらい)」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「捲土重来(けんどちょうらい)」の意味を辞書から引用するとともに、使い方を例文を用いてみていきましょう。また類義語もいくつかご紹介します。

#1 「捲土重来(けんどちょうらい)」の意味とは?

まず、「捲土重来(けんどちょうらい)」には以下のような意味があります。

一度失敗した者が、再び勢いを盛り返して来ること。一度負けた者が勢力を盛り返して攻め寄せること。

出典:精選版 日本国語大辞典「捲土重来」

 

一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返して、ふたたび攻めてくること。「けんどじゅうらい」とも読む。
「捲土」は土煙をあげるほどの激しい勢い、ようすをいう。
転じて「捲土重来を期す」などといって、一度失敗した者が猛烈な意気込みでふたたびやり直すことをいう。
出典 日本大百科全書(ニッポニカ)

つまり、「一度失敗した人がを再び勢いを得てやって来ること、また一度負けた人が勢力を回復して攻めて近くまで迫ってくること」を表す語となります。

「捲土(土煙をあげている様子、勢いある様子)」+「重来(再びやってくる、再び攻める)」

それぞれの熟語の意味を考えることで、この言葉がよりイメージしやすくなるのではないでしょうか。

「捲土重来」は古事成語

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「捲土重来」は、中国の『題烏江亭(うこうていにだいす)』という杜牧という人の詩を由来とする古事成語なのはご存知でしょうか。

『題烏江亭』の舞台は前漢、項羽と劉邦の時代。項羽が劉邦に敗れ、烏江まで流れ着いたとき、その地の長に再起を果たそうと進言されたことが史記に残されています。

しかし、その願い叶わずその地で項羽は自死。

「土けむりを巻きおこすほどの勢いで再起をはかればよかったのに」とその地の長が嘆いた様子を詠った詩です。

この詩の書き下し文をご紹介しましょう。

 

題烏江亭

勝敗は兵家も事期せず

羞を包み恥を忍ぶは是男児

江東の子弟 才俊多し

土を捲いて重ねて来たらば 未だ知るべからず

#2 「捲土重来(けんどちょうらい)」の使い方・例文

次に、「捲土重来(けんどちょうらい)」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「そのチームは主力選手の負傷などで昨年は予選敗退を喫したが、捲土重来、今期は万全な状態にチームを立て直し初戦に挑んだ」
「これまでの努力むなしく不合格という結果になったが、来年の試験に捲土重来を期して落ち込むのはやめることにした」
「その企業は競合会社に業界トップのシェアを奪われ低迷していたが、他社との差別化を図る独自の新サービスを展開し捲土重来を果たした
「前回のプレゼンでは厳しい指摘を受け失敗に終わったため、次の機会に捲土重来を期して努力を重ねる」

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