
「時期尚早」の意味と使い方・例文・類義語・反対語は?新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
駆け込み(かけこみ)
「時期尚早」がスタートのタイミングに関わる表現なら、「駆け込み」はゴールのタイミングに関わる表現です。意味は「期間間際に急いで物事を行うこと」。肯定、否定のいずれの場合でも用いられますが、否定のケースでは「時期尚早」との置き換えも可能でしょう。
例文:
「このタイミングで資金を投入するのは、あまりに駆け込みだ」
「駆け込みで間に合ったのは、不幸中の幸いだね」
好機到来・時機到来(こうきとうらい・じきとうらい)

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「好機到来・時機到来」は「物事を行うのにちょうどよいときがやってくる(きた)」ことを表します。
例文:
「ある程度資金も貯まったところで良い物件も見つかった。出店の好機到来ということか」
「まとまった有給休暇も取れたため、念願だった短期留学の時機到来とばかりに、手続きを進めた」
千載一遇(せんざいいちぐう)
「千載一遇」は「またとない絶好のチャンス」という意味でよく使われる言葉です。
本来は袁宏『三国名臣序賛』に由来する言葉で「千載一遇、賢智之嘉会」(大意:千年に一度出会うかどうかというような、賢人たちとの喜ばしい集まり)との記述からきています。素晴らしい人との出会いについて、表現する言葉でした。
現代ではむしろ「めったにないラッキーな出来事」のようなニュアンスで用いることが多いのではないでしょうか。
例文:
「あのような情報収集能力に長けた人材はそういるものではない。千載一遇の機会を逃しちゃいけない」
「千載一遇の好機と捉え、地方への進出を決断した」
時に及んで当(まさ)に勉励(べんれい)すべし
陶淵明『雑詩十二首』にある「一日難再晨、及時当勉励」(大意:一日のうちに朝は二度とやってくることはない。しかるべきときを逃さず勉め励まなくてはならない)に由来する言い回しとなります。
本来は「若いうちに楽しむべし」といった内容でしたが、「及時当勉励」のところだけを抜き出して「今こそしっかり努力しておけ」と解釈されることが多いようです。朝礼などで引用すると、よいかもしれません。
何事もタイミングを見極めて
以上、「時期尚早」の意味と使い方、また類義語・反対語にあたる表現・言い回しについて紹介してきました。
この言葉は「物事を行うのにまだ早すぎること」を表し、「アクションをスタートさせるか否かを考えたとき、早すぎて良いタイミングではない」ということについて述べる場合に用います。また、主に比較的重要な判断をする場合に使う言葉です。
同じく「まだ早い」ということを指す言葉や、反対に「今しかない」ということを指す言葉・言い回しもいくつか存在します。覚えておくと、役に立つかもしれません。
日常、物事のタイミングについては迷うことが多いですが、そうした状況を言葉で表現する際には、今回の記事を参考にしてみてください。