「千載一遇」(読み方:「せんざいいちぐう」)という言葉は、「千載一遇の好機」「千載一遇のチャンス」などの形でよく用いられています。

比較的よく用いられる言葉ではありますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また似た意味の語には他にどのようなものがあるのか、中には疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

そこで、ここでは、「千載一遇」の意味や英訳・語源・使い方・類義語について、「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。


「千載一遇」の意味や英訳・語源・使い方まとめ

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それでは、以下に「千載一遇」の意味や英訳、語源、使い方について説明します。

#1 「千載一遇」の意味は?

まず、「千載一遇」には以下のような意味があります。

千年に一度しかめぐりあえないほどまれなこと。

出典:明鏡国語辞典「千載一遇」

つまり、「千年に一度しか出会うことがないような滅多にないこと」を表す言葉となっています。

#2 「千載一遇」の語源・由来は?

次に、「千載一遇」の語源について見ていきましょう。これは、中国三国志に出てくる名臣たちについて書かれた書物である『三国名臣序賛』に由来した言葉です。この書物の中で、以下のような一文が出てきます。

千載の一隅は賢智(ケンチ)の嘉會(カカイ)なり。

出典:三国名臣序賛

「千載」は「千年」、「一隅」は「一度会うこと」、「賢智」は「賢い人」、「嘉會」は「喜ばしいおめでたい集まり」をそれぞれ意味する言葉です。つまり、上記の文は「千年に一度でも賢い人に出会えたなら、なんとも喜ばしいことだ」ということを表している言葉であり、そこから「千載一遇」という言葉ができました。

ちなみに、「千載」は「せんさい」ではなく「せんざい」と読むため、読み間違えないように気を付けましょう。

\次のページで「「千載一遇」の英訳は?」を解説!/

#3 「千載一遇」の英訳は?

次に「千載一隅」を英語でどのように表現するのか見てみましょう。この言葉を英語で表現すると、たとえば以下のようになります。

●a golden opportunity
●one chance in a million

上記を直訳すると、「a golden opportunity」は「黄金の機会」、「one chance in a million」は「百万に一度のチャンス」という意味です。日本語では、「千年に一度」という表現で滅多にない様子を表現していますが、英語では「百万に一度」という表現を用いている点が面白いですね。

#4 「千載一遇」の使い方・例文

次に、「千載一遇」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「以前から興味を持っていた企業がちょうど技術職の中途採用を募集していることを知り、千載一遇のチャンスだと応募する」
「飲食店開業のための物件を探していると、間取りや家賃など希望する条件がぴったり合う物件が見つかり、千載一遇の機会と申し込みをする」
「転職して手に職を付けたいと考えていた時に、30代未経験者でも応募できるSEの募集を見つけた。こんなことは千載一遇のことだと早速応募書類を用意した」
「自身の実績として残せる大きな仕事の指名が入り、千載一遇のチャンスが到来したとはりきって仕事に取り掛かる」

「千載一隅」とは、千年に一度訪れるかどうかというほどの「滅多にない機会」を表した言葉です。この言葉は「千載一隅のチャンス」などと用いることができます。

ちなみに日本語では「千年に一度」という表現で、「またとない機会」を表していますが、これを英語で表現すると「one chance in a million」のように「百万に一度」となり、どれほど珍しい事なのかがよく分かりますね。

「千載一遇」の類義語は?

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次に、「千載一遇」の類義語について見ていきましょう。この類義語には、「空前絶後」「一世一代」などがあります。

#5 「空前絶後(空前絶後)」

まず、「空前絶後」について見ていきましょう。この言葉には、以下の意味があります。

\次のページで「「一世一代(いっせいいちだい)」」を解説!/

過去にも例がなく、これから後にも起こりそうもないと思われるような非常にまれなさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「空前絶後」

つまり、「空前絶後」とは「過去に同じような事柄がなく、これから後にもそれが起こりそうもないと思われる様子」を表しいる言葉です。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「源氏物語は空前絶後の女性作家による長編小説の傑作として世界から評されている作品だ」
「関が原の戦いは、武将たちが東西に分かれて雌雄を決した空前絶後の戦いだ」
「彼は、確かな知識と技術力で難易度の高い心臓手術を次々と成功させる空前絶後の医師だ」
「無責任な勤務態度と傍若無人な振る舞いをする彼は、わが社にとって空前絶後の新人だ」

#6 「一世一代(いっせいいちだい)」

次に、「一世一代」について見ていきましょう。この言葉には、以下のような意味があります。

一生のうち、ただ一度であること。またとないようなこと。一代一世。

出典:精選版 日本国語大辞典「一世一代」

つまり、「一世一代」は「死ぬまでの間に一度しかないことや二度とないようなこと」を表している言葉です。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「「千載一隅」を使いこなそう」を解説!/

「会社を退職した後、思い切って一世一代の世界一周旅行に出かけた」
「それは彼が数年をかけて制作した一世一代の作品だ」
「長年交際していた彼女に、一世一代の勇気を振り絞りプロポーズをした」
「彼女は一世一代の大舞台を、見事に演じきった素晴らしい女優だ」

「千載一遇」の類義語には、「空前絶後」「一世一代」などがあります。「空前絶後」は「後にも先にも例がないほど珍しいこと」を、「一世一代」は「人生に一度あるかないかの出来事」を表している言葉です。

意味としては、どれも「大変珍しいこと」を表す言葉ですが、「千載一遇」はまたとない絶好のチャンスなど良いニュアンスとして用いられることが多いのに対し、「一世一代」は重要な決意や大きな出来事を、「空前絶後」は悪い事の例えとしても用いられます。これらの言葉を用いる場合には、このようなニュアンスの違いに気を付けると良いでしょう。

「千載一隅」を使いこなそう

以上、「千載一遇」の意味と使い方、類義語についてまとめました。この言葉は、「千年に一度しか遭遇しないような滅多にないこと」を表し、またとないような好機に出会った時などに「千載一遇の~」といった形で用います。

この類義語には「空前絶後」「一世一代」といったものがあり、「過去に例がなくこれからも起こりそうにないと思われるめずらしいこと」「一生に一度、もしくは二度とないようなこと」を表している言葉です。それぞれ微妙にニュアンスは異なりますが、いずれも滅多にないほどとても稀なことを表します。

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言葉の意味

「千載一遇」の意味や英訳・語源・使い方・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「千載一遇」(読み方:「せんざいいちぐう」)という言葉は、「千載一遇の好機」「千載一遇のチャンス」などの形でよく用いられています。

比較的よく用いられる言葉ではありますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また似た意味の語には他にどのようなものがあるのか、中には疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

そこで、ここでは、「千載一遇」の意味や英訳・語源・使い方・類義語について、「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。


「千載一遇」の意味や英訳・語源・使い方まとめ

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それでは、以下に「千載一遇」の意味や英訳、語源、使い方について説明します。

#1 「千載一遇」の意味は?

まず、「千載一遇」には以下のような意味があります。

千年に一度しかめぐりあえないほどまれなこと。

出典:明鏡国語辞典「千載一遇」

つまり、「千年に一度しか出会うことがないような滅多にないこと」を表す言葉となっています。

#2 「千載一遇」の語源・由来は?

次に、「千載一遇」の語源について見ていきましょう。これは、中国三国志に出てくる名臣たちについて書かれた書物である『三国名臣序賛』に由来した言葉です。この書物の中で、以下のような一文が出てきます。

千載の一隅は賢智(ケンチ)の嘉會(カカイ)なり。

出典:三国名臣序賛

「千載」は「千年」、「一隅」は「一度会うこと」、「賢智」は「賢い人」、「嘉會」は「喜ばしいおめでたい集まり」をそれぞれ意味する言葉です。つまり、上記の文は「千年に一度でも賢い人に出会えたなら、なんとも喜ばしいことだ」ということを表している言葉であり、そこから「千載一遇」という言葉ができました。

ちなみに、「千載」は「せんさい」ではなく「せんざい」と読むため、読み間違えないように気を付けましょう。

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