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「書き入れ時」の意味と使い方・例文・類義語・反対語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

バレンタインシーズンはチョコレートの販売が、クリスマスにはケーキやレストランが……といったように、季節によって、商品や場所が混み合うことがあります。企業でも、忙しい時期、少しゆとりがある時期といったように仕事の緩急がある会社も少なくないでしょう。
そのような時によく使われるのが、「書き入れ時」(読み方:「かきいれどき」)という表現。この表現は、「~は~の書き入れ時」といった形でよく用いられています。

しかしながら、この言葉は具体的にどのようなことを表しているのか、さらに近い意味や反対の意味の語にはどのようなものがあるのか、よく分からないまま使っていませんか。

この記事では「書き入れ時」の意味と使い方、よくある誤用、類義語・反対語、似たような状況をどのように表現するのか。これらの疑問を現役ライターが解説していきます。

「書き入れ時」の意味と使い方

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まず、「書き入れ時」の意味と使い方を紹介します。

書き入れ時」とは、「小売店などの(利益や売れ行き、すなわち)儲けが非常に多い時」のこと。現代で言うと、レジに売り上げを記録していくというイメージでしょうか。その中でも諸説あるようです。

儲かる当日にその売り上げを帳簿に書き入れていくことに忙しいという説と、前もって儲かる日を予測して、先に帳簿に書いておくのが「書き入れ時」とする説。そこから転じて、何かを楽しみにしたり当てにしたり、という用例も見られるようです。

国語辞典でどのように説明されているかも見ておきましょう。

商店などで、売れ行きが最もよく、もうけのきわめて多いとき。帳簿の書き入れに忙しいときの意から。

帳簿の書き入れに忙しいときの意から。

(出典:『明鏡国語辞典』第二版、大修館書店)

使い方・例文

次に、「書き入れ時」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば、以下のように用いることができます。

「旅行者が増える年末年始やお盆、ゴールデンウィークはホテル業界の書き入れ時だ」

「お盆は旅行業界の書き入れ時だから、宿泊代金は通常よりも高くなる」

「春や秋の行楽シーズンは書き入れ時だから、テーマパークはどこも混雑しているだろう」

「クリスマスがデパートの書き入れ時であることは分かっているが、家族でクリスマスを過ごそうと有給休暇を取得して休むことにした」

よくある間違った使い方

儲けや売り上げを「搔き集める」というイメージを持っているためか、漢字表記を「掻き入れ時」とするという誤用が散見されます。運や金銀をかき集めると縁起物とされている熊手などで、売り上げをまとめてかき取る、というように勘違いしてしまいやすいのかもしれません。

しかし、この表現は不正解。もともと「帳簿の書き入れに忙しい時」を表す語となっていることから、「書き入れ時」という書き方が正しいのです。

類義語

では次に、「書き入れ時」の類義語・反対語について見ていきます。

この言葉と似た意味のある語はどのようなものがあるでしょうか。

繁忙期

近い意味の語には「繁忙期」があり、この場合には利益について表すだけではなく、主に「仕事の忙しい時期」を表しています。

商店としての利益が多い時、もしくはお客さんが多く繁盛している時というのは、どちらもほぼ同じ時期にあたりますが、「利益」と「忙しさ」、どちらの意味を強調するかによって、これらの語を適度に使い分けることができるでしょう。

 

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