言葉の意味

「他山の石」の意味と使い方・類義語は?国語科の教員がサクッとわかりやすく解説!

自分に直接は関係のないできごとのたとえ。
出典:新明解四字熟語辞典・第2版。三省堂

向こう岸で起きた火事、という意味で、直接影響がなく無関心でいられることからできた熟語です。

「対岸」は岸の向こう側という意味ですが、広く「外国」という意味にも用いられます。

「火災」も単に火事という意味だけではなく、暴動・大事故・内乱・戦争などを例えた語です。

「他山の石」を「自分には関係のないもの」という意味に誤解しているがゆえに、同義語であると誤解している方もいるようなので注意しましょう。

「対岸火災(対岸の火事)」の使い方・例文

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次に、「対岸火災(対岸の火事)」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「寄らば大樹の陰で大企業に就職した知人がリストラで再就職に苦戦しているという噂を耳にしたが、企業に雇われることを辞めてフリーランスとなった自分にとっては対岸の火事だった」

「クラスメイトが進路のことで悩んでいる。僕も進路が決まらず日々焦りながら勉強を続けているので、クラスメイトが置かれている状況は決して対岸の火事と思えない」

「他山の石」の類義語その1「殷鑑不遠」

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「他山の石」という言葉の類義語に、「殷鑑不遠(読み方:いんかんふえん)という言葉があります。

「殷鑑不遠」の意味

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「殷鑑不遠」には以下のような意味があります。

身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。
また、
自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。
出典:新明解四字熟語辞典・第2版。三省堂

この熟語も「他山の石」同様、中国古典『詩経』に由来するものです。

『詩経』の中に「殷鑑遠からず、夏后(かこう)の世に在り。」という一節があります。

つまり、殷王朝の戒めとなる見本は、遠い昔に求めなくても、すぐ前代の夏王朝の暴政による滅亡があるという意味です。

「殷」は古代中国の王朝の名。「鑑」は鏡のことで、ここでは手本という意味で用いられています。

中国古代の王朝は「夏(か)」から始まり「殷」(商ともいう)、「周」と続きますが、殷王朝にとっての失敗の前例は、遠くに求めずとも身近な夏王朝の歴史にあり、これを戒めとせよ、という教訓です。

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