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「蓋然性」の意味と使い方・例文・「確実性」「必然性」「可能性」との違いは?新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!

みなさんは「蓋然性(がいぜんせい)」という言葉を使ったことがありますか?日常会話の中では少し使いにくい言葉かもしれませんが、堅い文章では「蓋然性がある」「蓋然性が高い」などの形でよく用いられています。ただ、この言葉が具体的にどのようなことを表すのか、説明するのは非常に難しい言葉です。また、近い意味のある「確実性」「必然性」「可能性」といった語との違いについて、疑問を抱くことがあるかもしれません。この記事では「蓋然性」の意味と使い方、また「確実性」「必然性」「可能性」との共通点と違いについて、新聞記者歴29年の筆者が詳しく解説していきます。

「蓋然性」とは

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「蓋然性」という言葉には、学術論文、法律分野・哲学など堅い文章の書籍、政治・経済を扱ったビジネスニュースなどで遭遇します。説明が難しい言葉ではありますが、詳しい意味を知っておくと、文意を深く理解する助けとなるのではないでしょうか。

ではまず、「蓋然性」の意味や由来、使い方を、説明していきます。

「蓋然性」の意味

「蓋然性」には「事象が実現されるか否か、またはその知識の確実性の度合い。確からしさ」という意味があります。その「確からしさ」を示す目安が「数学的に定式化され」て算出された数値の場合は「確率」と呼ばれるのだそうです。

これだけでは、イメージがつかみにくいかと思います。別の言葉に言い換えるとすると「見込み」「公算」が近いようです。

つまり、ある事象・事柄を評価するとき、数字には表せないのだけれども、どうやらそうである(そうなりそうな)確率が高そう(低そう)と言い表したいときに用いるとよいでしょう。

特徴としては、以下のようなことが言えます。

1.主に客観的な評価を言い表す。主観的な意見(希望)には使われない。

2.主にある/ない、高い/低いで表現される。

3.使う場面は限られる。(日常会話で使うと、浮いてしまうかも。)

「蓋然性」のルーツ

本来は、哲学で使う言葉として、考え出されたようです。

井上哲次郎らの手によって編集された、日本最初の哲学用語辞典『哲学字彙(てつがくじい)』(初版は1881年)には、Probabilityの訳語として「蓋然性」という言葉が掲載されており、これが初出であろうと言われています。

井上哲次郎とは、明治を代表する哲学者で、帝国大学において日本人では初の哲学教授となった人物だそうです。

「蓋然性」の「蓋」

漢字の「蓋」は、訓読みをすると「ふた」です。一般的には「容器のふた」を指しますが、本来は「雨露をしのぐ覆い」「車のかさ屋根」「雨傘」などを意味していました。

字義は「おおう・かぶせる・おおいかくす」ということで、古くは「蓋蔵(がいぞう=貯蔵した穀物や物)」「蓋壌(がいじょう=天と地)」などの表現があったようです。

物事を大きく覆うというイメージでしょうか。このことからも、精密に数値化された「確率」ではなく、物事を包み込むもっとざっくりとした評価を示すという点が分かるかと思います。

「蓋然性」の使い方・例文

次に、「蓋然性」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

例文:

「そのような食品の保存方法では、食中毒につながる蓋然性が高い」

「これらの点を踏まえて蓋然性を考えると、その添加物は危険だと判断できる」

「そのエリアは最寄り駅からは多少離れているが、競合店もなく住宅街の中にあるため見込み客も多く採算が取れる蓋然性は高い」

「今のやり方では競合店に客足が流れる蓋然性が高い。独自メニューを打ち出して差別化を図っていく必要があるだろう」

「確実性」「必然性」「可能性」との違い

では次に、近い意味のある「確実性」「必然性」「可能性」という語との違いについて見ていきます。

仮に「蓋然性」と置き換えてみると、意味やニュアンスがどのように変化するのかが、分かるのではないでしょうか。

「確実性」とは

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「確実性」とは、以下のような意味があります。

1.たしかなこと。たしかさ。

2.確かで疑いえない知識がもつ性格や価値。また、そのような知識を有する知性の状態。

英語ではcertaintyです。

主に高い/低いで表現されます。

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