「厚顔無恥」(読み方:「こうがんむち」)という言葉は、「厚顔無恥な?」「?するとは厚顔無恥だ」といった形でよく用いられています。

日常的な会話で用いられる言葉ではありませんが、ニュースやビジネスシーンなどで耳にすることも多い四字熟語です。
主に人物を揶揄する際に使われる言葉ですが、具体的にどのようなことを表すのか、似た意味の語には他にどのようなものがあるのか、疑問に思うこともあるかもしれません。
そこで、ここでは「厚顔無恥」の意味と使い方、また類義語にあたる語について説明していきます。
「厚顔無恥の意味、ちゃんと知らないかも」という方は、ぜひ参考にしてください。

「厚顔無恥」の意味と使い方・例文・類義語

image by iStockphoto

それでは、以下に「厚顔無恥」の意味と使い方、また類義語との違いをご紹介します。1つずつ詳しく解説していきますので、しっかり使い方をマスターしましょう。

「厚顔無恥」の意味は?

image by iStockphoto

まずは基本的な意味からご紹介します。自分の立場をわきまえず、「図々しい」というイメージのある言葉ですが、正確にはどのような意味を表すのでしょうか。

辞書に記載されている「厚顔無恥」の意味は以下のとおりです。

あつかましく、恥を恥とも思わないこと

出典:精選版 日本国語大辞典

「厚顔」は”厚かましい”、”図々(ずうずう)しい様子”を、「無恥」は”恥知らずな様子”を表しています。つまり、「他人に対する態度に遠慮がなく度を越していて、恥を知らないこと」を表す四字熟語です。

「厚顔無恥」の由来は?

image by iStockphoto

「厚顔無恥」の「厚顔」は、中国最古の詩集である『詩経』にその由来があります。「巧言くわうの如く、顔の厚きや」という一説があり、「言葉巧みに外面を良く見せ、内面の恥を隠す」という意味です。

平安時代頃に漢文を通して日本に伝わり、内面の醜さを表す言葉として用いられました。

「厚顔無恥」はどうやって使う?

image by iStockphoto

次に、「厚顔無恥」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

通常は「厚顔無恥な〜」「〜とは厚顔無恥だ」といった形で用いられることが多いです。また、否定的な意味を強調したい場合は「厚顔無恥にも程がある」「厚顔無恥も甚だしい」といった形で用いられます。

「厚顔無恥」の例文は以下の通りです。

「いきなり訪ねてきて泊めてほしいとは厚顔無恥にも程がある」

「近頃電車の中で化粧をする厚顔無恥な女性が多い」

「普段は偉そうなことを言いながら、不祥事に説明責任を果たさないとは厚顔無恥な政治家だ」

「飲食店で持ち込みの食品を食べる厚顔無恥な客に憤りを覚える」

\次のページで「「厚顔無知」は誤用なので注意!」を解説!/

「厚顔無知」は誤用なので注意!

「厚顔無恥」の誤用でよく見られるのが「厚顔無"知"」です。

「恥」がないことを表す言葉で、「知識」がないことを表す言葉ではないことにご注意ください。

「厚顔無恥」に似た意味の四字熟語

image by iStockphoto

では次に、「厚顔無恥」の類義語について見ていきましょう。この言葉と近い意味を持つ四字熟語には、以下のようなものがあります。

勝手気儘(かってきまま)

「勝手気儘」は「他人のことを気にかけず思うままに振る舞うこと」を表しており、類義語は「身勝手」「放埓」などです。

「勝手気儘」は以下のような使い方をすることができます。

「今では勝手気儘な一人暮らしで、だいたい金曜の夜は友人と飲み明かし、土曜日は午後になってから起きるという生活パターンになっている」


「勝手気儘な独身貴族は気楽なものだ」

傍若無人(ぼうじゃくぶじん)

「傍若無人」は「人前でも慎み無く自分勝手に振る舞うこと」を表しており、類義語は「不遜」「傲慢無礼」などです。「傍若無人」は以下のような使い方をすることができます。

「電車の中で大声で通話をする傍若無人な学生を尻目に電車を降りた」


「建物の出入口に陣取ってお喋りに花を咲かせる傍若無人な主婦たちの横を通り抜けて外に出る」

\次のページで「「厚顔無恥」の四字熟語以外の類義語」を解説!/

「厚顔無恥」の四字熟語以外の類義語

image by iStockphoto

四字熟語以外では「厚顔無恥」の類義語にはどのような言葉があるでしょうか。より日常的に用いられやすい言葉としては以下のようなものがあります。

 

面の皮が厚い(つらのかわがあつい)

「面の皮が厚い」も"図々しい様子"を表す言葉です。「厚顔無恥」と同じ詩経の一説から由来した言葉で、語源・意味共に「厚顔無恥」に近い言葉と言えます。

こちらの方が「厚顔無恥」よりも日常的に用いられることが多いのではないでしょうか。

破廉恥(はれんち)

「破廉恥」という言葉は、"恥を恥とも思わない、恥知らずな様子"を表す言葉です。
性的にみだらな様子を表すことが多く、「厚顔無恥」の類義語としてはあまり知られていませんが、本来は同じ意味を表しています。

まとめ

以上、「厚顔無恥」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この言葉は「他人に対する態度が度を越えて遠慮がなく、恥を知らないこと」を表し、他人に気を遣うことなく恥知らずな言動をする人について述べる場合に用います。

近い意味のある四字熟語には「勝手気儘」「傍若無人」がありますが、「勝手気儘」は他人を気にせずに自分の思ったように振る舞うこと、「傍若無人」は人前でも他人を気にかけない自分勝手な図々しい態度を表す言葉です。

「厚顔無恥」は四字熟語以外にも「面の皮が厚い」「破廉恥」といった言葉で言い換えることができます。それぞれ微妙に異なるニュアンスがあるため、場面に応じて使い分けましょう。

また、「厚顔無"恥"」は「厚顔無"知"」と間違いやすいので注意が必要です。

意味をしっかり理解して正しい言葉の使い方をマスターしましょう。

" /> 「厚顔無恥」の意味と使い方・例文・類義語まとめ – Study-Z
言葉の意味

「厚顔無恥」の意味と使い方・例文・類義語まとめ

「厚顔無恥」(読み方:「こうがんむち」)という言葉は、「厚顔無恥な?」「?するとは厚顔無恥だ」といった形でよく用いられています。

日常的な会話で用いられる言葉ではありませんが、ニュースやビジネスシーンなどで耳にすることも多い四字熟語です。
主に人物を揶揄する際に使われる言葉ですが、具体的にどのようなことを表すのか、似た意味の語には他にどのようなものがあるのか、疑問に思うこともあるかもしれません。
そこで、ここでは「厚顔無恥」の意味と使い方、また類義語にあたる語について説明していきます。
「厚顔無恥の意味、ちゃんと知らないかも」という方は、ぜひ参考にしてください。

「厚顔無恥」の意味と使い方・例文・類義語

image by iStockphoto

それでは、以下に「厚顔無恥」の意味と使い方、また類義語との違いをご紹介します。1つずつ詳しく解説していきますので、しっかり使い方をマスターしましょう。

「厚顔無恥」の意味は?

image by iStockphoto

まずは基本的な意味からご紹介します。自分の立場をわきまえず、「図々しい」というイメージのある言葉ですが、正確にはどのような意味を表すのでしょうか。

辞書に記載されている「厚顔無恥」の意味は以下のとおりです。

あつかましく、恥を恥とも思わないこと

出典:精選版 日本国語大辞典

「厚顔」は”厚かましい”、”図々(ずうずう)しい様子”を、「無恥」は”恥知らずな様子”を表しています。つまり、「他人に対する態度に遠慮がなく度を越していて、恥を知らないこと」を表す四字熟語です。

「厚顔無恥」の由来は?

image by iStockphoto

「厚顔無恥」の「厚顔」は、中国最古の詩集である『詩経』にその由来があります。「巧言くわうの如く、顔の厚きや」という一説があり、「言葉巧みに外面を良く見せ、内面の恥を隠す」という意味です。

平安時代頃に漢文を通して日本に伝わり、内面の醜さを表す言葉として用いられました。

「厚顔無恥」はどうやって使う?

image by iStockphoto

次に、「厚顔無恥」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

通常は「厚顔無恥な〜」「〜とは厚顔無恥だ」といった形で用いられることが多いです。また、否定的な意味を強調したい場合は「厚顔無恥にも程がある」「厚顔無恥も甚だしい」といった形で用いられます。

「厚顔無恥」の例文は以下の通りです。

「いきなり訪ねてきて泊めてほしいとは厚顔無恥にも程がある」

「近頃電車の中で化粧をする厚顔無恥な女性が多い」

「普段は偉そうなことを言いながら、不祥事に説明責任を果たさないとは厚顔無恥な政治家だ」

「飲食店で持ち込みの食品を食べる厚顔無恥な客に憤りを覚える」

\次のページで「「厚顔無知」は誤用なので注意!」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: