「金字塔」(読み方:「きんじとう」)という言葉は、「金字塔を打ち立てる」などの形でよく用いられています。

とはいえ日常的に頻繁に用いられる語ではなく、具体的にどのようなことを表すのか、また近い意味の言葉にはどのようなものがあるのか、中には疑問を抱くもあるかもしれません。

そこで、ここでは、「金字塔」の意味と使い方、類義語にあたる言葉などについて翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「金字塔」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「金字塔」の意味と使い方、また類義語などについて説明します。

「金字塔」の意味は?

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まず、「金字塔」には以下のような意味があります。

1. ピラミッド(側面の形が「金」の字に似ていることから)
2. 後世に長く残る偉大な業績。


出典:明鏡国語辞典

 

上記のうち一般的には2の意味で用いられ、「後の時代まで残る立派な実績、不滅の業績」を表す語となっています。

日常会話ではあまり耳にしませんが、ニュースや新聞でよく見かけるのではないでしょうか。スポーツや芸術の分野に関して言い表すことが多いようです。

「金字塔」=ピラミッド?

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「金字塔」はピラミッドの形が「金」という漢字に似ていることからきています。つまり、「金字塔」=「金の字の形の塔」=「ピラミッド」ということですね。

ピラミッドは言わずと知れたエジプトの歴史ある建造物ですが、多くのピラミッドは紀元前2500年頃に建設されたにも関わらず、いまだにきれいな形で残っているのですから、単に「立派だ」などという表現では物足りない気がしませんか。

このことからも、「後世までも語り継がれるような」立派な業績のことを表すのだということがわかりますね。

現在の日本ではカタカナ表記をするようになったため、ピラミッドのことは「金字塔」ではなくそのまま「ピラミッド」と呼ぶようになりましたが、「立派な業績」という意味は今でも使われ続けています。

「金字塔」の使い方・例文

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次に、「金字塔」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「18世紀末のイギリスを舞台にした『高慢と偏見』は、恋愛小説における金字塔として知られている」
「夏目漱石は『吾輩は猫である』などの近代文学における金字塔といわれる作品を数多く生み出している」
「長い間絶えず語り継がれてきた『平家物語』は、古典文学における金字塔の一つである」
「たとえクラシック音楽に詳しくなくても、金字塔といわれる幾つもの傑作を生み出したベートーヴェンの作品は知っている人が多いだろう」

\次のページで「「金字塔を打ち立てる」の使い方・例文」を解説!/

上の例文のように、「〇〇における金字塔」または「〇〇の金字塔」という使い方もあります。

「〇〇」の部分には「近代文学」「クラシック音楽」といった言葉が入り、その分野でもっとも優れた作品であることを表すことのできる表現です。

「金字塔を打ち立てる」の使い方・例文

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「金字塔」は、「金字塔を打ち立てる」という形でもよく使われます。この場合は、「後世に残る偉業を成し遂げる」という意味です。スポーツ界などで、前人未踏の大記録を出したときに用いられることがよくあります。

「その選手は、野球界においてまた一つ金字塔を打ち立てた」
「彼は、文学界において数々の金字塔を打ち立てた作家だった」
「池田理代子は『ベルサイユのばら』で少女漫画界に金字塔を打ち立てた」

「金字塔」の類義語・例文

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次に、「金字塔」の類義語について見ていきましょう。

「金字塔」に近い意味の言葉には、以下のようなものがあります。

 

偉業(いぎょう)

「偉業」には「偉大な事業・業績」といった意味があり、多くは「偉業を成し遂げる」という形で使われます。

同じような意味ですが、「偉業」よりもさらに優れた業績に対して使われるのが「金字塔」です。

「偉業」は、次のような使い方をします。

「その選手は大会史上初の三連覇という偉業を成し遂げた」
「ごくわずかな資本から偉業を成し遂げた先人たちから学ぶ」

\次のページで「「金字塔」の対義語」を解説!/

功績(こうせき)

「功績」は「立派な働き」を表しますが、人から称賛される、利益を生むというニュアンスが含まれるのが「金字塔」と異なる点です。

「功績」は以下のように用いることができます。

「新製品開発における功績が認められて表彰を受ける」
「彼の働きが売上の向上に大きく貢献したとして、その功績が認められ昇進を果たした」

「金字塔」の対義語

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「金字塔」の対義語は明らかにされていませんが、普通の能力という意味では、「人並み」「平凡」「凡庸」などが当てはまると言えるでしょう。

「金字塔」の英語表現

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「金字塔」は「偉大な業績」という意味で、"a monumental achievement"という英語表現ができます。"a monumental work" , "a monument of~"も同様です。

また、人生の節目という意味では、"milestone"を使うこともあります。

並外れた偉業には「金字塔」を使おう

以上、「金字塔」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

この言葉は「後世に残る偉大な業績」を表し、何かの作品やスポーツの記録など、時代が下ってからも優れたものとして残っているような実績について述べる場合に、「金字塔を打ち立てる」などの形で用いることができます。

また、似た意味のある言葉には「偉業」「功績」といったものがありますが、「偉業」は単に「立派な事業や業績」のことをいい、「功績」は「立派な働き」、つまり人から評価を受けるような優れた成果などのことを表すものです。

並外れた偉業に対しては、「金字塔」を使うのが適しています。

「金字塔」「偉業」「功績」にはそれぞれニュアンスの違った意味がありますので、場面に応じて使い分けましょう。

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言葉の意味

「金字塔」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「金字塔」(読み方:「きんじとう」)という言葉は、「金字塔を打ち立てる」などの形でよく用いられています。

とはいえ日常的に頻繁に用いられる語ではなく、具体的にどのようなことを表すのか、また近い意味の言葉にはどのようなものがあるのか、中には疑問を抱くもあるかもしれません。

そこで、ここでは、「金字塔」の意味と使い方、類義語にあたる言葉などについて翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「金字塔」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「金字塔」の意味と使い方、また類義語などについて説明します。

「金字塔」の意味は?

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まず、「金字塔」には以下のような意味があります。

1. ピラミッド(側面の形が「金」の字に似ていることから)
2. 後世に長く残る偉大な業績。


出典:明鏡国語辞典

 

上記のうち一般的には2の意味で用いられ、「後の時代まで残る立派な実績、不滅の業績」を表す語となっています。

日常会話ではあまり耳にしませんが、ニュースや新聞でよく見かけるのではないでしょうか。スポーツや芸術の分野に関して言い表すことが多いようです。

「金字塔」=ピラミッド?

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「金字塔」はピラミッドの形が「金」という漢字に似ていることからきています。つまり、「金字塔」=「金の字の形の塔」=「ピラミッド」ということですね。

ピラミッドは言わずと知れたエジプトの歴史ある建造物ですが、多くのピラミッドは紀元前2500年頃に建設されたにも関わらず、いまだにきれいな形で残っているのですから、単に「立派だ」などという表現では物足りない気がしませんか。

このことからも、「後世までも語り継がれるような」立派な業績のことを表すのだということがわかりますね。

現在の日本ではカタカナ表記をするようになったため、ピラミッドのことは「金字塔」ではなくそのまま「ピラミッド」と呼ぶようになりましたが、「立派な業績」という意味は今でも使われ続けています。

「金字塔」の使い方・例文

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次に、「金字塔」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「18世紀末のイギリスを舞台にした『高慢と偏見』は、恋愛小説における金字塔として知られている」
「夏目漱石は『吾輩は猫である』などの近代文学における金字塔といわれる作品を数多く生み出している」
「長い間絶えず語り継がれてきた『平家物語』は、古典文学における金字塔の一つである」
「たとえクラシック音楽に詳しくなくても、金字塔といわれる幾つもの傑作を生み出したベートーヴェンの作品は知っている人が多いだろう」

\次のページで「「金字塔を打ち立てる」の使い方・例文」を解説!/

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