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「杜撰」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「杜撰」(読み方:「ずさん」)という言葉は、「杜撰な~」などの形でよく用いられています。

比較的用いる機会や耳にすることの多い語ではありますが、具体的にどのようなことを表すのか、もしくは他に似た意味の語としてどのような言葉があるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「杜撰」の意味と使い方・例文・類義語・対義語などを、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。

「杜撰」の意味と使い方・例文・類義語・対義語

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「杜撰」は「ずさん」と読みます。

「とせん」などと読み間違えてしまう人が多いようなので、ぜひここで覚えてくださいね。

それでは、以下に「杜撰」の意味と使い方・例文・類義語・対義語を説明します。

「杜撰」の意味は?

まず、「杜撰」を辞書で引くと以下のように解説されています。

1. 著作物などの典拠が確かでないこと。いい加減に書かれていて、誤りが多いこと。

2. 物事のやり方がぞんざいで、手抜きが多いこと。

 

出典:明鏡国語辞典

つまり、「著作物の根拠が確かでないことや、いい加減で誤りが多いこと」「物事のやり方が丁寧でなく必要となる工程に省かれている部分が多いこと」を表す言葉です。

「杜撰」の語源

「杜撰」という言葉は、中国の故事が由来となって生まれたという説が有力です。

宋の杜黙(ともく)という詩人の作った詩は、律(詩の様式)に合わないものが多く、杜黙が作った詩=いい加減であるという認識が定着してしまいました。

「杜」という字は、この詩人杜黙を表し、また「撰」という字は詩文を作ることを表します。

この2つの字を合わせて、いい加減なこと、誤りが多いことを「杜撰」と言うようになったと言われているのです。

「杜撰」の使い方・例文

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次に、「杜撰」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

注意すべきなのは、物事のいい加減さを表すときに使う言葉であって、 人の性格を表すときには適さないということです。

たとえば以下のように用いることができます。

杜撰で実現性の乏しい計画を修正する。」

「その職場は勤怠管理が杜撰で、平気で遅刻する社員も多いようだ。」

「食中毒事件をきっかけとして、その店の杜撰な管理体制が明らかになった。」

「その企業は研修制度や新人のバックアップ態勢が杜撰で、スキルが追いつかずに就業後わずかな期間で退職する人が多い。」

※「彼は杜撰な人間だ。」とは言わない。

\次のページで「「杜撰」の類義語」を解説!/

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