
「鶏口牛後」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
「鶏口牛後を選び、大企業からベンチャー企業に転職する」
「鶏口牛後とはいうが、鶏口と牛後どちらが良いのかは働き方やライフスタイルにも依るだろう」
「大企業に勤めるも思うように出世が望めず、鶏口牛後の精神で独立する」
「彼は大企業の平社員にやり甲斐を見出だせず、鶏口牛後で中小企業に転職したが、今では複数の仕事を兼任するようになり仕事が楽しいと言っていた」
「鶏口牛後」はこんな場面で使われる

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「鶏口牛後」は、進学や就職、転職する人へのアドバイスや贈る言葉としてよく使われます。また、この言葉を座右の銘としている人も多いようです。
レベルの異なる2つの進学先や就職先をどちらにするか選ぶ際に、ぎりぎり入れそうな行き先を選んで大きな組織の末端になるのではなく、余裕を持って入れそうな方に進むと、小さな組織の中でトップに立てる可能性が高くなるということですね。
「鶏口牛後」使い方の注意点

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「鶏口」を「鶏頭」、「牛後」を「牛尾」として「鶏頭となるも牛尾となるなかれ」とするのはよくある間違いです。
「鶏口」はくちばしのことであり、小さな団体の長以外の者には使いません。つまり、先頭は一人になるわけです。確かに「頭」より「くちばし」の方が範囲が狭いですね。
日本では、「頭」や「尾」という言葉の方が、それぞれ「先頭」「末端」のイメージがわきやすいので、「鶏頭牛尾」と間違って広まったのかもしれません。
「鶏口牛後」の類義語

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次に、「鶏口牛後」の類義語について見ていきましょう。
この言葉と同じような意味を持つことわざの一つが、「鯛の尾より鰯の頭」(たいのおよりいわしのかしら)です。
高級魚である鯛の尾より、大衆魚の鰯の頭の方が良いということから、「鶏口牛後」と同じように「大きな組織で人に付き従うよりも、小さい団体で頭となるほうが良いこと」を表すことわざとなり、以下のように用いることができます。
「大企業の出世コースから外れ、鯛の尾より鰯の頭と思い転職を決意する」
「名の知れた大企業でのルーティーンワークに疑問を覚え中小企業に転職した。今では責任ある仕事を任されるようになり、大企業にはなかった充実感を得られるようになったが、鯛の尾より鰯の頭とはこういうことをいうのだろうか」
その他にも、類語には「芋頭でも頭は頭」「大鳥の尾より小鳥の頭」が挙げられます。
「鶏口牛後」の対義語

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「鶏口牛後」の対義語には、「寄らば大樹の陰」(よらばたいじゅのかげ)があります。
この言葉は、(雨宿りには大きな樹の下のほうが濡れずに済むし、日差しを避けることもできることから)「頼るならば力のある者のほうが良いこと」を表し、使用例は次の通りです。
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