言葉の意味

「付け焼き刃」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「付け焼き刃」(読み方:「つけやきば」)という言葉は、「付け焼き刃の知識」「付け焼き刃のテーブルマナー」などの形でよく用いられています。
とはいえ、具体的にこの言葉がどのようなことを表しているのか、また他に近い意味の言葉にはどのようなものがあるのか、中には疑問が浮かぶ人もいるかもしれません。
そこで、ここでは「付け焼き刃」の意味と使い方、また類義語にあたる言葉などについて翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「付け焼き刃」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「付け焼き刃」の意味と使い方、また類義語などについて説明します。

「付け焼き刃」の意味は?

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「付け焼き刃」には「間に合わせに知識や技術などを身につけること」といった意味があり、 その場をしのぐために、急いで覚えたり身につけたりした知識や技術のこと」 を表す言葉です。

「刃」を「やいば」と読むのは「焼き刃」からきていますが、「付け焼き刃」の場合は「つけやきば」と読みます。「つけやいば」と読むのは間違いです。

「付け焼き刃」はもともと鎌倉・室町時代の刀鍛冶(かたなかじ)用語で、「刃こぼれして切れ味の悪くなった刀に、応急処置として鋼の焼き刃を付け足したもの」のこと。本来、切れ味の良い鋭い刀に仕上げるためには、何度も地金を打って作られますが、鋼の焼き刃を付けただけの刀は、「切れそうに見えても実際にはもろくて役に立たない」ことから転じて上記の意味を表しています。

なお、「焼き刃」とは焼き入れした刃のことで、焼き入れとは金属を高温状態にしたのちに急冷させる熱処理のことです。焼いたり冷やしたり、叩いたり伸ばしたりと、本来ならば手間暇かけて、硬く頑丈な刃を作るのですね。

「付け焼き刃」の 使い方・例文

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次に、「付け焼き刃」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「付け焼き刃の知識で資格を取得しても、実務には役に立たない」
「転職の書類選考や面接対策に付け焼き刃の資格を取得する」
「語学は付け焼き刃ではとうてい通用するものではない」
「パーティに参加するために付け焼き刃でマナーやダンスを学ぶ」

「付け焼き刃」の類語 「一夜漬け」

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「付け焼き刃」と似た意味のある言葉といえば、「一夜漬け」でしょう。

「一夜漬け」は「急場をしのぐために一晩でする仕事や勉強」を表す語で、

「部活やバイトで勉強する時間がなかなか取れず、一夜漬けの勉強で試験を乗り切った」
「一夜漬けで集中して作業し何とか納期に間に合わせて納品する」

というように使います。「付け焼き刃」が知識や態度について使われるのに対して、「一夜漬け」は勉強や作業などに使われる言葉です。

 

「付け焼き刃」の類語 「その場しのぎ」

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また、「その場しのぎ」も「付け焼き刃」と似たような意味で使われる言葉です。

「その場しのぎ」は、「その場を取り繕って当面の問題を切り抜けること」を表し、

「上司に遅刻の理由を聞かれ、その場しのぎの言い訳をする」

「特にやりたいことが見つからず、その場しのぎに進学を決める」

のように使います。「その場しのぎ」には「ごまかす」というニュアンスもあるので、あまり良いイメージの言葉ではありませんね。

その他、「間に合わせ」「にわか仕込み」「にわか仕立て」「生かじり」「生半可」なども似たような意味です。

 

 

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