「叙述」の意味と使い方・例文・「描写」「記述」との違いは?新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
「描写」とは
「描写」の意味は「えがきうつすこと、形象・事態・感情などを絵画・言語・音楽などにより的確に描き出すこと」です。本来は主に言葉で写すことを指したようですが、現在では多様な表現において「描写」が使われます。
例えば、このように使うことができるでしょう。
「その小説は登場人物の人柄が実に細かく描写されている」
「叙述」との違いをまとめてみましょう。「叙述」は文章によって明確に順序立てて説明していくことが求められます。一方、「描写」の場合、そうした順序や説明的な部分は要求されません。さらに、幅広いメディアに使用が可能なので、映画や漫画などにも用いることができます。
「記述」とは
「記述」の意味は「事柄を説明するために書き記すこと。また、書き記したもの」です。
例えば、このように使います。
「報告書に作業の内容を記述する」
「叙述」と同じように、「記述」は文章によって説明をすることが必要条件です。その点において、かなり近い意味の言葉だといえるでしょう。ですから、説明的な文章では、「叙述」と「記述」のどちらを使っても構わないケースがあります。
ただ、違いがあるのは、「記述」は順序立ててという、構造的な意味合いを持たないことです。
つまり、「描写」は「文章や絵画、音楽といった具体的にそのことが想像できるような形で人の感情や物事の形などを表現すること」、「記述」は「何らかの事柄について文章で書いて記録すること」、「叙述」は「ある物事について筋道を立てて書き表すこと」を表すというニュアンスの違いがあります。
その他の類語
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他にも「叙述」に近い意味の言葉が多数存在します。前出の「序述」だけでなく「述叙」「叙論」は、「叙述」とまったく同じ意味を持つ言葉です。さらに、以下のような言葉もあるので、覚えておくと役に立つかもしれません。
直叙:感想や虚構などを加えずにありのままに表すこと
著述:発表することを前提に文章を書くこと
論述:意見や考えを筋道を立てて述べること
叙事:感想や虚構を加えずに事柄をありのままに詩や文章にすること
叙情:感情を詩や文章で表すこと
ちなみに、英語ではdescriprionが「叙述」を言い表す言葉です。例えば「It is beautiful beyond descriprion.」(筆舌に尽くしがたいほど美しい)などと使います。ただし、descriptionは「叙述」「描写」「記述」いずれの意味でも使うので、訳す場合は文脈を考えて慎重に言葉を選ぶ必要があるでしょう。
「叙述」を上手に使うには
以上、「叙述」の意味と成り立ち、使い方、さらに「描写」「記述」との違いについてまとめました。
「叙述」は、「文章によって、物事の筋道などを順序立てて、ありのまま説明すること(したもの)」ということを表現したい場合に使う言葉です。「文章」「順序」「ありのまま」の3つがキーワードとなります。
一方、「描写」は「文章に限らず、音楽、絵画などを用いて、感情などについて表現すること(したもの)」を表し、「記述」は「順序に縛られず、文章によって説明すること(したもの)」を意味する言葉です。
いずれも、物事を的確に伝える行為に関する言葉であることは共通しています。ですが、少しずつ異なるニュアンスを持っており、意識してそれぞれの語をうまく使い分けるとよいでしょう。