
「可憐」の意味と使い方・例文・「可愛い」との違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
女の子の名前ランキングでは、「可憐で誰からも愛される子」という願いが込められたものがいつも人気です。このように良いイメージのある「可憐」という言葉は具体的にどのようなことを表すのか、また似た意味を持つ「可愛い」という言葉とはどこが違うのか、あなたは疑問に思ったことがありませんか?
そこで、この記事では「可憐」の意味や使い方、「可愛い」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が簡単に解説していきます。
「可憐」の意味は?

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「可憐」には、「かわいらしい、いじらしいこと」という意味があります。「憐」の字には、「憐れむ」、つまり「気の毒に思う」「かわいそうに思う」という同情するような意味があるため、「姿などが弱々しくて愛らしく、思わず守ってあげたいという気持ちを起こさせる様子があること」として、多くは幼い少女や花などに使用される言葉です。
「可憐」の使い方・例文
次に、「可憐」の使い方を、例文を使って紹介していきましょう。
この言葉は、たとえば以下のような使い方をします。
「彼女は色白で小柄な上にほっそりとしていて笑顔が可愛らしく、まさに純情可憐という言葉がぴったりだ」
「友人の死に傷心した彼女が無理して見せた笑顔は可憐な美しさがあった」
「可憐な少女が無邪気に笑う姿に微笑ましい気持ちになる」
「そのカラフルで色とりどりのお菓子は可憐に咲く花をイメージしてつくられたものだ」
「通勤途中で、アスファルトの割れ目から可憐な花が咲いているのを見つけた」
「可憐」の類語・対義語

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「可憐」に似た言葉としては、「あどけない」「清楚」「健気」などがあり、次のような使い方をします。
「あどけない」:父親は、幼い娘のあどけない寝顔を眺めている。
「清楚」:その若い女性は、清楚な雰囲気だ。
「健気」:不幸が続いたにも関わらず、自分の店を守り抜く彼女の姿は健気だ。
それぞれの言葉を「可憐」に替えても、意味は通じますが、少し違和感があるかもしれません。実際、「可憐」の類語や関連語として調べると、これらの他にも「楚々とした」「いたいけな」など、実にたくさんの言葉が出てきます。それだけ、「可憐」という言葉の意味は、単純なものではないということでしょう。
ですから、対義語も、「可憐」をどういう意味で捉えるかによって違ってくるようです。
例えば、「可憐」を「清楚なかわいらしさ」と捉えるならば、対義語は色っぽい美しさを表す「艶やか」(読み方:あでやか)になりますし、「いじらしく健気」と捉えるならば、強くたくましい「剛健」になります。
海外では意味が違う?

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日本と中国とでは「可憐」の意味が異なるという点には、注意が必要になります。
というのも、日本語では「かわいらしく、いじらしい様子」として良い意味で使われるのに対して、中国語では「かわいそうな」という元来の字義どおりのマイナスイメージで使われるからです。
中国の方とメールでやりとりする場合には、不適切な書き方にならないように気をつけないといけませんね。
また、「可憐」を英語に直そうと和英辞典を引いてみても、”lovely”や”pretty”などしか出てこず、ぴったりの訳を見つけるのは難しそうです。
「可憐」と「可愛い」の違い

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次に、「可憐」と近い意味のある「可愛い」との違いについて見ていきましょう。
実際に「可憐」の類語ということで検索をすると、「可愛い」の言葉も出てきます。とはいえ、正確にはこの2つの言葉には違いがあるのですが、それはいったい何なのでしょうか。
「可愛い」は、辞書によると「心が引かれて愛情を感じさせるさま」「愛らしい魅力を持っている」という意味を持っています。やはり「可憐」と似ていますよね。使い方の違いは、次の通りです。
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