「門外漢」(読み方:「もんがいかん」)という言葉は、「~については門外漢だ」などの形でよく用いられています。

しかしながら、頻繁に用いられる語ではなく、この言葉がどのようなことを表しているのか、また似たような意味の語には他にどのようなものがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「門外漢」の意味と使い方、また類義語である「素人」「畑違い」にとの違いや言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「門外漢」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「門外漢」の意味と使い方を見ていきましょう。

「門外漢」の意味は?

まず、「門外漢」には「その分野の専門家ではない人」という意味があり、「(話題となっている事柄について)専門とはしていない人、直接関係していない人」を表す語となっています。

なお、「門外漢」の「漢」には「男の人」という意味がありますが、「人」という意味でも用いられます。また「門外漢」は辞書でも「専門ではない人」と定義されており、男女どちらにも用いることが可能です。

「門外漢」の使い方は?

次に、「門外漢」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「医学のことは門外漢だから、その症状と病気の関連性については答えられない」

「門外漢の意見ではあるが何かの参考にはなるだろう」

「申し訳ないが、門外漢にも理解できるように分かりやすく説明してほしい」

「この本は専門用語が多く出てくるため門外漢には理解するのが難しい」

「門外漢」には、「~である人」という意味が含まれているため、例えば「門外漢の私には、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」とすると、「専門家ではない人の私には、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」と不自然な意味となります。このような使い方はいたるところで見られますが、「私のような門外漢にとっては、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」のような自然な言い換えは可能なので、使用時は気をつけましょう。

「門外漢」の類義語・言い換え表現

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次に、「門外漢」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。まず、「門外漢」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます。

「素人(しろうと)」:それを職業や専門としていない人、熟練していない人。

「畑違い(はたけちがい)」:専門とする分野が違うこと。

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「門外漢」と「素人」の違いは?

それでは、「門外漢」と「素人」の意味はどのように違い、どのように言い換えられるのでしょうか。「素人」は、例えば以下のように使われます。

「素人目にも彼の作品が他のものより抜きん出ていることが分かった」

「その本は素人が読んでも分かりやすいように書かれている」

「この界隈では、素人に手を出すとただではすまない」

「門外漢」と「素人」の意味は非常に似通っているため、「門外漢」の例文はそのまま「素人」に言い換えても、そのまま意味が通じます。しかし「素人」は、「専門家ではない」という意味のほかに、「経験が少ない人」「未熟な人」といった意味も含むので、注意が必要です。

また「素人」には、3番目の例文で挙げたように、やくざ者や芸者ではない人を指す場合や、最近では芸人ではない人を指す場合などにも使われることがあります

「門外漢」と「畑違い」の違いは?

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次は、「門外漢」と「畑違い」の意味がどのように違うのか、そしてどのように言い換えられるのか見ていきましょう。「畑違い」は、例えば以下のように使われます。

「彼は人事異動で畑違いの部署に配属されることになった」

「彼は転職してそれまでとは畑違いの仕事に飛び込んだ」

「母には畑違いの弟がいる」

「門外漢」と「畑違い」の意味には二つの違いがあります。

一つには、「門外漢」は「~である人」と人の意味を含むのに対し、「畑違い」は人の意味を含みません。そのため、「門外漢」を「畑違い」で言い換える場合には、例えば「申し訳ないが、畑違いの私にも理解できるように分かりやすく説明してほしい」とするなど、対象(ここでは私)を述べる必要があります。

もう一つの違いは、「畑違い」は「その分野を専門としていない」という意味のほか、「専門が違う」、つまり「議題となっている分野とは異なる分野を専門としている」という意味も含むことです。この場合、意味が微妙に異なってくるので、その言い換えには気をつけましょう。

また「畑違い」には、3番目の例文で挙げたように、「兄弟姉妹のうちで、母を異にすること」という意味で使われることがあります。極めてナイーブな内容なので、勘違いされるような場面での使用は気をつけましょう。

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「門外漢」と「素人」「畑違い」の意味は微妙に異なる

以上、「門外漢」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は「その分野の専門ではない人」を表し、話題となっている事柄について関わりがない、専門外である人について述べる場合について用いることができます。

また、近い意味の言葉に「素人」「畑違い」がありますが、「素人」はそれを職業や専門にはしていない人やその分野に慣れていない、十分な経験がない人「畑違い」は専門とする分野が違うことを表すという微妙なニュアンスの違いがあるので使い分けには気をつけましょう。

そして「素人」は、昔ではやくざ者や芸者を、最近では芸人を指す場合にと全く違う意味で使われることがありますので気をつけましょう。「畑違い」もまた、兄弟姉妹のうちで母を異にすることという違う意味を持っているので注意が必要です。

これらは同じような意味がありますが、微妙に異なることを表しており違った場面で使うことができるので、意識して使い分けると良いかと思います。

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言葉の意味

「門外漢」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「門外漢」(読み方:「もんがいかん」)という言葉は、「~については門外漢だ」などの形でよく用いられています。

しかしながら、頻繁に用いられる語ではなく、この言葉がどのようなことを表しているのか、また似たような意味の語には他にどのようなものがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「門外漢」の意味と使い方、また類義語である「素人」「畑違い」にとの違いや言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「門外漢」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「門外漢」の意味と使い方を見ていきましょう。

「門外漢」の意味は?

まず、「門外漢」には「その分野の専門家ではない人」という意味があり、「(話題となっている事柄について)専門とはしていない人、直接関係していない人」を表す語となっています。

なお、「門外漢」の「漢」には「男の人」という意味がありますが、「人」という意味でも用いられます。また「門外漢」は辞書でも「専門ではない人」と定義されており、男女どちらにも用いることが可能です。

「門外漢」の使い方は?

次に、「門外漢」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「医学のことは門外漢だから、その症状と病気の関連性については答えられない」

「門外漢の意見ではあるが何かの参考にはなるだろう」

「申し訳ないが、門外漢にも理解できるように分かりやすく説明してほしい」

「この本は専門用語が多く出てくるため門外漢には理解するのが難しい」

「門外漢」には、「~である人」という意味が含まれているため、例えば「門外漢の私には、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」とすると、「専門家ではない人の私には、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」と不自然な意味となります。このような使い方はいたるところで見られますが、「私のような門外漢にとっては、クラシックは何を聴いても同じに聴こえます」のような自然な言い換えは可能なので、使用時は気をつけましょう。

「門外漢」の類義語・言い換え表現

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次に、「門外漢」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。まず、「門外漢」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます。

「素人(しろうと)」:それを職業や専門としていない人、熟練していない人。

「畑違い(はたけちがい)」:専門とする分野が違うこと。

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