「敏捷」(読み方:「びんしょう」)という言葉は、「敏捷な~」「敏捷に~する」などの形でよく用いられています。

とはいえ、日常において頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのような使い方ができるのか、また「俊敏」「迅速」「機敏」といった似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「敏捷」の意味と使い方、また類義語である「俊敏」「迅速」「機敏」との違い、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「敏捷」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「敏捷」の意味と使い方を見ていきましょう。

「敏捷」の意味は?

まず、「敏捷」には「(動作などが)素早いこと」「物事の理解や判断が速いこと」といった2つの意味がありますが、「敏捷」は主に前者のほうの意味で用いられ「動作に無駄がなくすばやい様子」を表す語となっています。

また「敏捷」は、「敏捷い」と書いて「はしこい」「はしっこい」「すばしっこい」、「敏捷こい」と書いて「すばしっこい」、そして「てきぱき」とも読んでいたそうで、これらの読み方は古い文献などで見つけることができるでしょう。

「敏捷」は、「すばやい」「かしこい」を意味する「敏」と「勝つ」「すばやい」「近い」を意味する「捷」から構成されており、「すばやい」という同じ意味を持つ漢字を重ねることで成り立っている熟語です。

「敏捷」の使い方は?

次に、「敏捷」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「敏捷な身のこなしで接客をする」

「サッカー解説者は、彼の敏捷なドリブルを高く評価している」

「バレエを観劇して、敏捷でしなやかな美しい演技に感動する」

「スポーツテストで体は敏捷に動いたが、タイムは縮められなかった」

「看護師の仕事には敏捷性が求められる」

「バスケットボールは敏捷性が必要なスポーツの一つだ」

「私どもジムで敏捷さを鍛えたいというご要望でしたが、ご利用のサービスではご希望に沿えかねます」

「そのサーカスショウでは、敏捷そうな体躯を持った男が時間ギリギリまで空中ブランコを演じた」

「敏捷」はこのように、「敏捷な~」「敏捷に~する」といった用法があり「敏捷さ」といった派生語があります

「敏捷」の類義語は?

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次に「敏捷」の類義語について見ていきましょう。「敏捷」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます

「俊敏」:頭が良く判断や行動がすばやいこと。

「迅速」:物事の進み具合や行動がすばやいこと。

「機敏」:時に応じてすばやく判断して行動すること。

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「敏捷」と「俊敏」「迅速」「機敏」の違いは?

それでは、次は「敏捷」と「俊敏」「迅速」「機敏」がどのように違うのか見ていきましょう。これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

「俊敏」:「フリーランスには俊敏さやフットワークの軽さが必要だ」(フリーランスには素早い判断と行動力、フットワークの軽さが必要だ)

「迅速」:「クレームに迅速に対応する」(クレームにすばやく対応する)

「機敏」:「心臓手術では、心拍の急な変動や予期しない出血など何が起こるかわからないので、機敏な処置が必要とされる」(心臓手術では、心拍の急な変動や予期しない出血など何が起こるかわからないので、何が起きてもその時々の状況に応じてすばやく判断して処置することが必要とされる)

「敏捷」:「ダンスを習って敏捷さや体力の向上を図る」(ダンスを習って無駄のないすばやい動きや体力の向上を図る)

つまり、「敏捷」は単に「動きに無駄がなくすばやいこと」を表すため、「頭が切れてすばやく必要な判断や行動ができること」を表す「俊敏」とはニュアンスの違いがあります。

また、「迅速」は「行動が非常に速いこと」を表していることから、「敏捷」とはすばやいことが「行動」であるか「動作」であるかという点での違いを見つけられるでしょう。

そして、「機敏」は「時々の状況に応じてすばやく判断して行動すること」を表すことから、「敏捷」とは明確なニュアンスの違いがあり、むしろ「俊敏」に意味は近いです。

「敏捷」はどのように言い換えられる?

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それでは、次に「敏捷」の言い換え表現について、見ていきましょう。

例えば、「敏捷」の例文で挙げた「敏捷な身のこなしで接客をする」という例文ならば、ニュアンスは異なりますが、以下のように言い換えることができます。

「すばやい身のこなしで接客をする」

「俊敏な身のこなしで接客をする」

「迅速な身のこなしで接客をする」

「機敏な身のこなしで接客をする」

以上のように、「敏捷」をそのまま「俊敏」「迅速」「機敏」で言い換えることは可能です。しかし、「俊敏」では「知性的なすばやい判断が発揮された身のこなしで」「機敏」では「状況に応じてすばやく判断した身のこなしで」という意味を含んでいるため、単に「すばやい身のこなし」を表す「敏捷」「迅速」とは明確な意味の違いがあります

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「敏捷」は単に動作がすばやいことを意味し「俊敏」「迅速」「機敏」とは明確な違いがある

以上、「敏捷」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は、何かの物事を行う時の動きが無駄がなくすばやいことを表し、きびきびと働く様子などを表す場合によく用いられています。

また、「俊敏」は頭の回転が早く物事を適切にすばやく判断して行動する様子、「迅速」は単純に人の行動などがとても速いこと、「機敏」は状況に応じてすばやく判断して行動することがその意味です。

これらは何かがすばやいことを表すという点で共通していますが、動作や判断など対象となることが異なるため、その場面に応じて適当に使い分けることができます。

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言葉の意味

「敏捷」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「敏捷」(読み方:「びんしょう」)という言葉は、「敏捷な~」「敏捷に~する」などの形でよく用いられています。

とはいえ、日常において頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのような使い方ができるのか、また「俊敏」「迅速」「機敏」といった似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「敏捷」の意味と使い方、また類義語である「俊敏」「迅速」「機敏」との違い、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「敏捷」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「敏捷」の意味と使い方を見ていきましょう。

「敏捷」の意味は?

まず、「敏捷」には「(動作などが)素早いこと」「物事の理解や判断が速いこと」といった2つの意味がありますが、「敏捷」は主に前者のほうの意味で用いられ「動作に無駄がなくすばやい様子」を表す語となっています。

また「敏捷」は、「敏捷い」と書いて「はしこい」「はしっこい」「すばしっこい」、「敏捷こい」と書いて「すばしっこい」、そして「てきぱき」とも読んでいたそうで、これらの読み方は古い文献などで見つけることができるでしょう。

「敏捷」は、「すばやい」「かしこい」を意味する「敏」と「勝つ」「すばやい」「近い」を意味する「捷」から構成されており、「すばやい」という同じ意味を持つ漢字を重ねることで成り立っている熟語です。

「敏捷」の使い方は?

次に、「敏捷」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「敏捷な身のこなしで接客をする」

「サッカー解説者は、彼の敏捷なドリブルを高く評価している」

「バレエを観劇して、敏捷でしなやかな美しい演技に感動する」

「スポーツテストで体は敏捷に動いたが、タイムは縮められなかった」

「看護師の仕事には敏捷性が求められる」

「バスケットボールは敏捷性が必要なスポーツの一つだ」

「私どもジムで敏捷さを鍛えたいというご要望でしたが、ご利用のサービスではご希望に沿えかねます」

「そのサーカスショウでは、敏捷そうな体躯を持った男が時間ギリギリまで空中ブランコを演じた」

「敏捷」はこのように、「敏捷な~」「敏捷に~する」といった用法があり「敏捷さ」といった派生語があります

「敏捷」の類義語は?

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次に「敏捷」の類義語について見ていきましょう。「敏捷」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます

「俊敏」:頭が良く判断や行動がすばやいこと。

「迅速」:物事の進み具合や行動がすばやいこと。

「機敏」:時に応じてすばやく判断して行動すること。

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