「気概」(読み方:「きがい」)という言葉は、「気概に溢れる」「気概がある」などの形でよく用いられています。

ビジネスの場面を含め比較的よく用いられる言葉ではありますが、具体的にどのようなことを表すのか、また「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」といった近い意味がある語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「気概」の意味と使い方、また類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「気概」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「気概」の意味と使い方を見ていきましょう。

「気概」の意味は?

まず、「気概」には「困難に屈しない強い意志」という意味があり、「難しい、苦しい状況にあってもそれに負けずに何かを行おうとする強い意志」を表す語となっています。

また「気概」は、「気持ち、心のはたらき」を表す「気」と、「その人の表面に現れた風格や気迫」を表す「概」から構成された熟語です。

そして、これらの意味から「風格や気迫として表出した気持ち」、つまり「何か確固とした意志」となり、「気概」の意味として成り立ったのではないかと考えられます。

「気概」の使い方は?

次に、「気概」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼には必ず事業を成し遂げるという気概がある」

「意地でもやってやるという気概がなくてはならない」

「今時の若者は気概に乏しく何でもやる前からすぐに諦める」

「彼は司法試験に合格し、将来は弁護士になるという気概に溢れていた」

「その時の彼には、リスクを伴ってまで転職をするだけの気概はなかった」

「ビジネスで成功しようと思うなら、海外に挑戦しようという気概を示すことが必要だ」

「どの部署の上司たちも、今年は気概に富んだ新入社員がいないと嘆いていた」

「気概」の類義語は?

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次に「有用」の類義語について見ていきましょう。まず、「有用」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます

「気迫」:物事に立ち向かっていく強い気持ち。

「気骨」:信念を貫こうと何かしようとする強い心。

「意欲」:進んで何かをやろうとする意志。

「意気込み」:積極的に何かをやろうとする気持ち。

「気概」と「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」の違いは?

次は、「気概」が「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」とどのように違うのか見ていきましょう。これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「気概」はどのように言い換えられる?」を解説!/

「気迫」:「その剣道の試合は気迫のこもったまさに真剣勝負だった」(その剣道の試合は、相手に立ち向かっていく強い気持ちが込められた真剣勝負だった)

「気骨」:「彼は決して時流や流行には流れない気骨のある人物だ」(彼は決して時代の風潮や流行に流されることなく、自分の信念を貫こうとする強い心を持った人物だ)

「意欲」:「彼は生徒会長選へ立候補する意欲を見せている」(彼は生徒会長選へ進んで立候補する意志を見せている)

「意気込み」:「新薬開発に対する彼の意気込みは大変なものだ」(新薬を開発しようとする彼の積極的な気持ちは大変なものだ)

「気概」:「必ずこの仕事を成し遂げるという気概に溢れる」(必ずこの仕事を成し遂げるという溢れんばかりの強い意志がある)

つまり、「気迫」は「物事に正面から向かっていく強い気持ち」を表し「気概」は「困難に負けることなく何かを行おうという強い意志」を表すというニュアンスの違いがあります。この違いは、「気迫」が「積極的に向かっていく」気持ちであるのに対し、「気概」は「屈せずにやり遂げる」気持ちであると考えると分かりやすいでしょう。

また、「気骨」も「何かを行おうという強い意志」というような「気概」と似た意味持っていますが、この意志が「自分の信念を貫こうとして」といった精神的なものから発している点が「気概」とは違います

そして、「意欲」と「意気込み」ですが、これらはほとんど同じ意味を持ち、単に「進んで何かをやろうとする意志」を表していると考えられるでしょう。

「気概」はどのように言い換えられる?

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それでは、次に「気概」の言い換え表現について、見ていきましょう。

例えば、上記で挙げた「彼には必ず事業を成し遂げるという気概がある」という例文ならば、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。

「彼には困難に負けることなく必ず事業を成し遂げるという強い意志がある」

「彼には必ず事業を成し遂げようという気迫がある」

「彼は必ず事業を成し遂げようとする気骨を持っている」

「彼には必ず事業を成し遂げるという意欲がある」

「彼には必ず事業を成し遂げるという意気込みがある」

「彼には必ず事業を成し遂げるという固い決意がある」

「彼には必ず事業を成し遂げようという 不退転の決意がある」

「気概」は「気迫」「気骨」と微妙に異なり「意欲」と「意気込み」はほぼ同じ

以上、「気概」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は、「困難に屈しない強い意志」を表し、難しい状況にあっても心がくじけることなく行動を起こそうとする強い意志を表します。

それに対して、「気迫」は「物事に立ち向かう強い気持ち」を表し、試合や勝負、演技、仕事など何かを真剣に行う時の心持ちについて述べる場合に使用できるでしょう。

また、「気骨」は「信念を貫こうとする強い心」、つまり自分が正しいと信じることを貫く強い気持ちを表し、そのような気持ちが精神的なものから発している点で「気概」や「気迫」などと異なります

そして、ほぼ同等の意味を持った「意欲」と「意気込み」は、単に「進んで何かをやろうとする意志」がその意味です。

それぞれ似たところがありますが、「意欲」と「意気込み」が同じ意味を持ち、「気概」「気迫」「気骨」は微妙に異なった意味を持っているので、これらを念頭に、それぞれ適した場面でうまく使い分けることができます。

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言葉の意味

「気概」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「気概」(読み方:「きがい」)という言葉は、「気概に溢れる」「気概がある」などの形でよく用いられています。

ビジネスの場面を含め比較的よく用いられる言葉ではありますが、具体的にどのようなことを表すのか、また「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」といった近い意味がある語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「気概」の意味と使い方、また類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「気概」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「気概」の意味と使い方を見ていきましょう。

「気概」の意味は?

まず、「気概」には「困難に屈しない強い意志」という意味があり、「難しい、苦しい状況にあってもそれに負けずに何かを行おうとする強い意志」を表す語となっています。

また「気概」は、「気持ち、心のはたらき」を表す「気」と、「その人の表面に現れた風格や気迫」を表す「概」から構成された熟語です。

そして、これらの意味から「風格や気迫として表出した気持ち」、つまり「何か確固とした意志」となり、「気概」の意味として成り立ったのではないかと考えられます。

「気概」の使い方は?

次に、「気概」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼には必ず事業を成し遂げるという気概がある」

「意地でもやってやるという気概がなくてはならない」

「今時の若者は気概に乏しく何でもやる前からすぐに諦める」

「彼は司法試験に合格し、将来は弁護士になるという気概に溢れていた」

「その時の彼には、リスクを伴ってまで転職をするだけの気概はなかった」

「ビジネスで成功しようと思うなら、海外に挑戦しようという気概を示すことが必要だ」

「どの部署の上司たちも、今年は気概に富んだ新入社員がいないと嘆いていた」

「気概」の類義語は?

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次に「有用」の類義語について見ていきましょう。まず、「有用」と似た意味のある語には、たとえば以下のようなものが挙げられます

「気迫」:物事に立ち向かっていく強い気持ち。

「気骨」:信念を貫こうと何かしようとする強い心。

「意欲」:進んで何かをやろうとする意志。

「意気込み」:積極的に何かをやろうとする気持ち。

「気概」と「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」の違いは?

次は、「気概」が「気迫」「気骨」「意欲」「意気込み」とどのように違うのか見ていきましょう。これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「気概」はどのように言い換えられる?」を解説!/

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