「取捨選択」(読み方:「しゅしゃせんたく」)という言葉は、「~を取捨選択する」「取捨選択して~する」などの形でよく用いられています。

字面から意味が分かりやすい言葉ではありますが、具体的にどのようなことを表しているのか、また「二者択一」「選定」「選別」といった似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、疑問が浮かぶこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「取捨選択」の意味と使い方、また類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「取捨選択」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「取捨選択」の意味と使い方を見ていきましょう。

「取捨選択」の意味は?

まず、「取捨選択」には「良いものを取って悪いものを捨てること」という意味があり、「事柄の中から良いものや必要とするものを選び、悪いものや不要なものを捨てること」を表す語となっています。

「取捨選択」は、取ることの「取」と捨てることの「捨」から成る「取捨」。そして、いくつかの事物から選び取ることを意味する「選択」から成り立ち、「いくつかの事物から取るものと捨てるものを選ぶこと」を意味することとなった四字熟語です。

「取捨選択」の使い方は?

次に、「取捨選択」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「情報が溢れている現代は、その中から必要なものを取捨選択することが必要だ」

「取捨選択して電話帳を整理する」

「一通り書き上げた文章を後から読み直して内容を取捨選択する」

「光回線の契約時に付加されたオプションサービスの中から、今後も利用するものとしないものを取捨選択する」

「取捨選択」の類義語は?

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それでは、次に「取捨選択」の類義語である「二者択一」「選定」「選別」について見ていきましょう。これらの語は以下のような意味を持っています。

「二者択一」:二つのうち一方を選ぶこと。

「選定」:いくつかのものの中から、目的・条件に合ったものをえらんで決めること。

「選別」:あるものを他のものより優れているとして区別すること。

「取捨選択」と「二者択一」「選定」「選別」の違いは?

次は、「取捨選択」と「二者択一」「選定」「選別」の違いについて見ていきましょう。これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「取捨選択」はどのように言い換えられる?」を解説!/

「二者択一」:「彼は離婚するか別居するかの二者択一を迫られた」(彼は離婚するか別居するか二つに一つの選択を迫られた)

「選定」:「通勤時間や家賃などを考慮して住まいを選定する」(通勤時間や家賃などの条件を考慮して合った住まいを選んで決める)

「選別」:「大きさ、色合い、傷の有無などを見ていちごを選別する」(大きさ、色合い、傷の有無などの点で優れたいちごを選び分ける)

「取捨選択」:「取捨選択して読みやすくシンプルな文章に仕上げる」(必要な箇所を残し不要な部分を削除して読みやすくシンプルな文章に仕上げる)

つまり、「二者択一」は単純に「二つの選択肢からそのうちの一つを選ぶこと」「取捨選択」は「数ある事柄の中から必要とするものや良いものを取り、必要のないものや良くないものを捨てること」を表します。これは、選択する対象が「二つ」と「いくつか」という点で違い選択の仕方が「一つを選ぶ」と「残すものと捨てるものを選ぶ」という点で違うと理解できるでしょう。

また、「選定」は「えらんで決めること」と選択したものだけに焦点を当てていますが、「取捨選択」では「取るもの」と「捨てるもの」のように選択しないものにも並列して焦点が当てられています。このような点で「選定」と「取捨選択」は異なると理解できるでしょう。

一方、「選別」は同一のものの中から優れたものを選択するという「取捨選択」との意味の違いがあります。また、「選別」と「取捨選択」の比較でも、「取捨選択」では「捨てること」が強調されているという違いあることを理解できるでしょう。

「取捨選択」はどのように言い換えられる?

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それでは、次に「取捨選択」の言い換え表現について見ていきましょう。

例えば、「文章の内容を取捨選択する」という文ならば、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。

「文章の必要な内容を選び、不必要な内容を捨てる」

「文章の内容を二者択一で決める」

「文章の内容を選定する」

「文章の内容を選別する」

「文章から必要な内容だけをふるい分ける」

「文章から必要な内容だけをより分ける」

「取捨選択」は「二者択一」と使う場面が異なり「選定」「選別」は微妙に意味が異なる

以上、「取捨選択」の意味と使い方、類義語や言い換え表現についてまとめました。

この言葉は「良いもの取り、悪いものを捨てること」を表し、「必要なものを選び、不要なものを捨てること」を意味する「取捨」と、「いくつかの事物から選び取ること」を意味する「選択」から成り立つ四字熟語です。

また、単に複数のものから何かを選ぶというのではなく、「取るものと捨てるもの、つまり必要なものとそうでないものを選ぶ」というニュアンスがあります。

それに対して「二者択一」は、そうしたニュアンスではなく、単に「二つの選択肢から一つを選ぶこと」がその意味です。

一方、「選定」や「選別」といった類義語もあり「選定」は「目的・条件に合ったものを選択すること」「選別」は「同一のものの中から、よりすぐれているものを選択すること」といったニュアンスの違いがあります。

「二者択一」は用いる場面が異なりまた「選定」「選別」は微妙にニュアンスが違いますので、それぞれ適したケースで使い分けることが必要です。

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言葉の意味

「取捨選択」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「取捨選択」(読み方:「しゅしゃせんたく」)という言葉は、「~を取捨選択する」「取捨選択して~する」などの形でよく用いられています。

字面から意味が分かりやすい言葉ではありますが、具体的にどのようなことを表しているのか、また「二者択一」「選定」「選別」といった似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、疑問が浮かぶこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「取捨選択」の意味と使い方、また類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「取捨選択」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「取捨選択」の意味と使い方を見ていきましょう。

「取捨選択」の意味は?

まず、「取捨選択」には「良いものを取って悪いものを捨てること」という意味があり、「事柄の中から良いものや必要とするものを選び、悪いものや不要なものを捨てること」を表す語となっています。

「取捨選択」は、取ることの「取」と捨てることの「捨」から成る「取捨」。そして、いくつかの事物から選び取ることを意味する「選択」から成り立ち、「いくつかの事物から取るものと捨てるものを選ぶこと」を意味することとなった四字熟語です。

「取捨選択」の使い方は?

次に、「取捨選択」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「情報が溢れている現代は、その中から必要なものを取捨選択することが必要だ」

「取捨選択して電話帳を整理する」

「一通り書き上げた文章を後から読み直して内容を取捨選択する」

「光回線の契約時に付加されたオプションサービスの中から、今後も利用するものとしないものを取捨選択する」

「取捨選択」の類義語は?

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それでは、次に「取捨選択」の類義語である「二者択一」「選定」「選別」について見ていきましょう。これらの語は以下のような意味を持っています。

「二者択一」:二つのうち一方を選ぶこと。

「選定」:いくつかのものの中から、目的・条件に合ったものをえらんで決めること。

「選別」:あるものを他のものより優れているとして区別すること。

「取捨選択」と「二者択一」「選定」「選別」の違いは?

次は、「取捨選択」と「二者択一」「選定」「選別」の違いについて見ていきましょう。これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「取捨選択」はどのように言い換えられる?」を解説!/

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