「彷彿」(読み方:「ほうふつ」)という言葉は、「~を彷彿する」「彷彿として~する」といった形で用いられています。

この言葉の意味は概ね分かっている人が多いかもしれませんが、では具体的にどのような使い方ができるのか、また似た意味のある言葉には他にどのようなものがあるのかと中には疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「彷彿」の意味と使い方、類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が説明していきます。

「彷彿」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「彷彿」の意味と使い方について見ていきましょう。

「彷彿」は同じ意味・読み方で「髣髴」と書くこともありますが、現在はほぼ「彷彿」の書き方が主流です。

「彷彿」の意味は?

まず、「彷彿」には以下のような複数の意味があります。

1. あるものを見て、似ている別のものを思い起こすこと。

2. ありありと何かが思い浮かぶさま。

3. よく似ていること。

4. 何かがぼんやり見えること。

上記の中でも主に1と2の意味で用いられており、3と4の意味では古い小説や文献に見られます。

また「彷彿」は、「さまよう」ことや「似通う」こと、「かすか」であることを意味する「彷」と、「似通う」ことや「ほのか」であることを意味する「彿」から構成された似た意味を重ねた熟語です。

「彷彿」の使い方は?

次に、「彷彿」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「ロマネスク建築を代表するカンタベリー大聖堂は、イギリスらしさを彷彿とさせる観光スポットだ」

「今回の国立大学に対する引き締め策は、言論の自由が制限された最近の世間の風潮を彷彿とさせる」

「この絵は郷里の景色を彷彿させる」

「大正時代を彷彿させる洋館が並んだ街を散策する」

「出口の見えない現代日本を彷彿する事件だった」

「その人物を見て亡くなった父が彷彿した」

「時折その光景が彷彿として浮かんでくることがある」

「芥川竜之介の写真を見ると父の面影が彷彿と心に浮かぶ」

このように「彷彿」は、「彷彿とさせる」「彷彿させる」「彷彿する」「彷彿として~する」「彷彿と~する」などの用法があります

\次のページで「「彷彿」の類義語は?」を解説!/

「彷彿」の類義語は?

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それでは次に、「彷彿」の類義語について見ていきましょう。「彷彿」と近い意味のある語には、「連想」「想起」といった言葉があります。

「連想」の使い方は?「彷彿」との違いは?

「連想」は「それと関連がある事柄を思い浮かべること」を表し、以下のように用いることができます。

「一般に横浜というと中華街を連想する人が多い」

「秋と聞いて連想するものには、スポーツや芸術、読書の他に松茸など旬の食物が挙げられる」

このように「連想」は、「ある事柄から関連するものを思い浮かべる」ことを意味しており、「似たものから別のもの」を思い浮かべることを表す「彷彿」とは微妙に異なります

「想起」の使い方は?「彷彿」との違いは?

また、「想起」は「過去の出来事などを思い起こすこと」を表し、以下のように用いることができます。

「その出来事は幼少期を想起させた」

「地元の友人たちとは上京してから疎遠になったが、時折彼女たちと過ごした学生時代のことを想起することがある」

\次のページで「「彷彿」はどのように言い換えられる?」を解説!/

2番目の例文のように、「想起」では「思い起こす」ときに必ずしもきっかけとなる事物を必要としません。この点で「想起」は「連想」とは異なります。

また「想起」では、その「思い起こす」ことを「過去に経験した事物や事象」といった記憶しているものと制限していますので、この点でも「彷彿」「連想」とは違うと考えられるでしょう。

「彷彿」はどのように言い換えられる?

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それでは、次に「彷彿」の言い換え表現について、見ていきましょう。

例えば、「彷彿」の例文として挙げた「この絵は郷里の景色を彷彿させる」という文なら、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。

「この絵は郷里の景色を連想させる」

「この絵は郷里の景色を想起させる」

「この絵は郷里の景色を思い出させる」

「この絵を見ると郷里の景色が瞼に浮かぶ」

「この絵を見ると郷里の景色が記憶に呼び覚まされる」

「この絵は郷里の景色をイメージさせる」

「彷彿」はたくさんの言い換え表現があるが、場面によっては意味が微妙に異なる

以上、「彷彿」の意味と使い方、類義語や言い換え表現についてまとめました。

この言葉は主に「ありありと何かが思い浮かぶこと」を表し、「ある人物や物を目にした時にそれらが何か別のものを心に思い浮かべさせる」「ある物事が目の前にあるかのように心に浮かんでくる」といった状況について述べる場合に用います。

また「彷彿」には、「あるものを見て、似ている別のものを思い起こすこと」を意味する時に用いる「彷彿とさせる」「彷彿させる」といった用法。この意味と「ありありと何かが思い浮かぶ」時に用いる「彷彿する」「彷彿として~する」「彷彿と~する」といった用法があります。

そして、「彷彿」に近い意味のある語には「連想」「想起」があり、「連想」は「ある事柄を見たり聞いたりした時に、それと関連する別の事柄を思い浮かべること」。「想起」は「過去の出来事を思い出すこと」を表すという微妙なニュアンスの違いがあります。

これらの語のほか「思い出させる」「瞼に浮かぶ」「記憶に呼び覚まされる」「イメージさせる」などの語の意味も、何かを思い浮かべる、思い出す、想像するというように似通っており、互いに言い換えることが可能です。

しかし、用いる場面によっては意味が微妙に異なるため、ケースに応じて適度に使い分けましょう。

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言葉の意味

「彷彿」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「彷彿」の類義語は?

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それでは次に、「彷彿」の類義語について見ていきましょう。「彷彿」と近い意味のある語には、「連想」「想起」といった言葉があります。

「連想」の使い方は?「彷彿」との違いは?

「連想」は「それと関連がある事柄を思い浮かべること」を表し、以下のように用いることができます。

「一般に横浜というと中華街を連想する人が多い」

「秋と聞いて連想するものには、スポーツや芸術、読書の他に松茸など旬の食物が挙げられる」

このように「連想」は、「ある事柄から関連するものを思い浮かべる」ことを意味しており、「似たものから別のもの」を思い浮かべることを表す「彷彿」とは微妙に異なります

「想起」の使い方は?「彷彿」との違いは?

また、「想起」は「過去の出来事などを思い起こすこと」を表し、以下のように用いることができます。

「その出来事は幼少期を想起させた」

「地元の友人たちとは上京してから疎遠になったが、時折彼女たちと過ごした学生時代のことを想起することがある」

\次のページで「「彷彿」はどのように言い換えられる?」を解説!/

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